宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

国際Aマッチ

2006年08月20日 | その他
 
今日はサッカー国際親善試合の話。といっても国代表の試合ではなく、今僕が暮らしているIAS(Institut Aeronautique et Spatial)キャンパスの中で行われた中国代表vsタイ代表のサッカーの試合のこと。もちろん、プレーするのも留学生達だ。

キックオフは昨日の夜6:30。現れたのは中国チーム11名に対してタイチーム8名。う~ん、これでは試合にならないということで、中国チームからスカウトを受けていた僕だったが、急遽タイチームチームのためにプレーすることになった。その他ロシア人のユーリとコロンビア人のアルバロもタイチームチームでプレーした。

もちろんフレンドリーマッチなので勝ち負けを競うような雰囲気はない。ただ、結構みんな真剣にプレーしていて、気付いたらラフプレーも所々で出るようになった。中国とタイ、キミ達そんなにライバル意識があるのか?という感じ。そんなとき、中立的立場の僕が「easy, easy!」といって周りを落ち着かせる。日本人が一番得意な分野だ。

結果はというと、僕がプレーしたタイ代表チームが大差で勝つことになった。しかし、勝ち負け以上に面白いと感じたことがひとつある。それは両国のプレースタイルの違いだ。

どういうことかというと、中国チームはほぼ全員が個人の力で状況を打開し、状況を打開した後でチームメイトにパスをするのに対して、タイチームは決して一人ではプレーせず、必ず味方のサポート得ながら前に進んでいく。これはサッカーのレベルとかテクニックの問題ではない。ただ本当にプレースタイルが180度逆なのだ。その証拠に両チームともほぼ2~3人程度のサッカー経験者がいたが、それ以外はみな趣味レベルで、全体として両チームに実力に差なんて全くなかった。(少なくとも僕の印象では)

にもかかわらずタイチームは次々とゴールを重ね、中国チームは次々と失点を重ねた。パス回し、チームでのディフェンス、はじめて一緒にプレーするにも関わらず、タイチームは見事に組織として機能していた。

本当に勝手な推測でしかないが、僕はこれを国民性の違いではないかと考えた。タイは東南アジアの中で唯一欧米列強の侵略を受けてこなかった国だ。きっとそこには、常に全体を見渡して最適な状況判断をするような絶妙なバランス感覚が国民性として根付いていて、それがこれまで国家としての独立を維持してこられた要因の一つなのではないかと。そのくらいタイの留学生たちは周りに気を配り、自分とチームとの相対的なバランスを第一に考えてプレーしていた。それもごくごく自然に。(事前の意識合わせなんて全然してないのに!)

もちろん中国の留学生にバランス感覚がないと言いたいのではない。ただ、中国はこれまでずっと一人っ子政策を進めてきて、僕の経験ではみんな個人主張がとても強いのだ。自分が、自分が、という意識を強く感じてしまう。その証拠に、今暮らしているキャンパスの家族の中で、中国の子供達が一番わがままで聞き分けがない。そんな子供に対して親も躾ようという気配さえ感じられない。正直、この国のゆく末が心配になってしまうほどだ。(日本も人のことは言えないかも知れないが)

ということで、以上は全くの僕の個人的感想なのだけど、中国vsタイでサッカーの試合をして考えたのは、中国という国は今声高に叫ばれているほどには将来にわたって僕達の脅威にはならないのではないかということ。経済評論家の中には、その豊富な労働力、賃金の安さ、近年の急速な産業化の進展で中国脅威論を強く主張する人もいるが、僕の考えではその予想はほぼ当たらないだろうという気がする。国家も一種の組織であり、その組織の構成員を実際に見た限りでの正直な僕の印象だ。

逆にタイという国は今後脅威になる可能性が大だ。この仲間達をみる限り、僕はそう思う。このタイという国の国家戦略については、また今度レポートしてみたい。これまでに得た情報を分析する限りでは、かなり将来を見渡した戦略投資をしているようだ。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
オレオレ主義 (nori)
2006-08-20 14:58:40
国民性によるプレースタイルの違いですか。

納得できますね。

で、日本人は海外の人にはどういう国民性と見えるのでしょうか?海外にいらっしゃるとその当たり第三者的によく見えてくるのではしょうか。



ちなみに私の会社にも、自分が という人結構多い。何かにつけ、「オレが作った」「オレが売っってきた」などと自己アピールをする。これを「オレオレ主義」と呼んで笑っている。

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Japonais (AerospaceMBA)
2006-08-20 17:59:42
>nori さん

コメントありがとうございます。



日本人の国民性についてはいろんなジョークがありますよね。



Q:レストランで出てきたスープにハエが入っていたら?



イギリス人は皮肉を言って店を出る。

中国人は問題なくハエを食べる。

ロシア人は酔っぱらっていて気づかない。

アメリカ人は裁判沙汰(ざた)に。

日本人は周りを見回し自分の皿だけなのを確認し、そっとボーイを呼ぶ。

韓国人は日本人のせいだと叫び、日の丸を燃やす。



まあ、↑はジョークとしても、ここフランスでは日本人の評判は全然悪くないですね。国としても、オリエンタルな神秘性と先進テクノロジーの調和した国として、結構よいイメージを持ってもらっているようです。(私が得た情報の限りでは)



オレオレ主義、笑ってしまいました。私の所属元にもそういう人います。ダマサレないようにしましょうね!

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アジアではタイが一番らしい(何がって?)。 (Kシマ)
2006-08-20 18:46:41
楽しそうでなにより。初めて書込むよ。



国民性面白いね。

以前、会社で貿易実務の教育受けたときに、

講師の人が言ってた。



アジアで日本メーカが工場を色々つくっているけど、

タイ,インドネシアなどは細かい作業までOK。

でもフィリピンは作れてもミシン程度。

同じ仏教国のタイとスリランカでも、

タイ人の方が信頼できる、などなど。

(なぜスリランカと比べたのかは?です。)



海外で工場作る時は人件費以外にも、国民性も重要だとさ。

(確かにウチのフィリッピン工場、歩留まり悪かった。)



最近は他国の国民性をどうこう言える程、

日本人の国民性もいいとはいえないか・・・。



こっちは最近暑くてフライも暫く行けてません。

(お魚さんもどうせ夏バテだし、きっと。)
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