日本の宇宙開発に新たな風を吹かせるため、今年から新たな制度を試行的にスタートさせた。『宇宙ビジネスインターン』制度だ。以前に一度ブログで紹介したと思うのだけど、日本国内のMBA(経営学修士)やMOT(技術経営修士)の学生の中から有志を募り、宇宙ビジネスが抱える課題に対して、個人又はチーム単位でその解決にチャレンジしてもらおうという企画だ。
この企画が実行されることが決まってから、僕は日本全国のビジネススクールやMOTスクールを営業活動して回った。パワーポイントで企画書を作成し、まず各学校の産学連携担当者やインターンシップ担当の方にコンタクトして、プレゼンの機会をくださいとお願いして回ったのだ。
実際に会って話を聞いてもらえることもあれば、企画書だけ送ってくださいと言われる場合もある。自分では相互にWin-Winの関係を構築できる良い提案だと思っていても、どこの誰かも分からない人間が突然現れて、よい企画だから話を聞いてくださいとお願いしても、実際にはなかなか会ってもらえない。営業マンは本当に大変な仕事だとあらためて感じた。それでも、「断られてからが勝負」というアドバイスを信じ、僕は各スクールにアプローチし続けた。
その結果、複数のMBAスクール、MOTスクールが僕の企画提案に耳を傾けてくださり、既に3校から宇宙ビジネスインターンを受け入れることが決まった。その他、現在交渉中のスクールが4校あり、最終的には10名近いの学生さんをビジネスインターンとして受け入れることができそうだ。各スクールのご協力と学生の皆さんのチャレンジングスピリッツに心から感謝したいと思う。Merci!
現在のところ、宇宙ビジネスインターンに取り組んでもらうことが決定したテーマは以下のとおりだ。どれもチャレンジングなテーマばかりで、短い期間でどれだけの成果が出せるか本当に楽しみだ。大事なのは第一歩を踏み出すことであり、また、今後も継続させて検討していくことでどんどん質を高めていきたいと思っている。
○宇宙航空機関における戦略的ナレッジマネジメント(2スクール)
○極超音速旅客機に係る商業成立性の検討
○インターネットを活用した宇宙グッズ販売に係るビジネスモデル検討
○宇宙ブランドにかかるブランドコミュニケーション戦略
○小型衛星を活用した新たなビジネスモデル立案
宇宙ビジネスインターンはまだまだ募集中だ。夏休み、秋休み、冬休み、夜間、土日、その他の時間を有効に使ってコンサルティングのトレーニングを積みたい方は、ぜひ応募を検討してみてほしい。宇宙航空という分野は未知のフィールドであり困難なテーマが多いと思うけれど、だからこそ敢えてチャレンジする価値があると僕は思っている。山が高ければそれだけ登頂の喜びも大きいのだ。
年度末には宇宙ビジネスインターンの成果発表の機会として、「宇宙航空マネジメントシンポジウム」(仮称)を開催する予定だ。社会人の方も大歓迎なので、興味のある方はぜひ参加してほしい。
(写真はファーンボローで展示されていたBoeing社ファントム・ワークスが開発中の燃料電池飛行機。これはスゴイ!)