MBAにおいては、経営学の理論を学ぶこと自体が目的なのではなく、いかにそれを現実のビジネスに応用できるかが最も重視される。それは教授の態度にも如実に表れていて、マーケティングのMalavel教授などは、現実のビジネスを進めるにあたって“Don't have to be honest(正直である必要はない)”とまで授業中に言いきったりする。
誤解を生じかねないので正確に言うと、マーケティングを実行に移す際に、分析段階においてはデータや現実に対して“Honest(正直)”でなければならないが、Customer(顧客)にInfuluence(影響)を与える段階に至っては、必ずしも“Honest(正直)”であることに固執する必要はない、という文脈での発言だった。
すなわち、マーケティングの分析結果を踏まえていったん戦略を決めたならば、それを現実のものとするために、あらゆるデータを自分に都合の良いように加工(捏造は絶対ダメ!)し、顧客に最大のインパクトを与えることを常に目指さなければいけないのだ。
もちろん、Corperate Social Responsibility(企業の社会的責任)の議論やDisclosure(積極的な情報開示)の議論も別にあるだろうけれど、Market(市場)の中で勝ち組として生き残るためには、こういったビジネスの“厳しさ”もしっかり認識しなければいけない。Malavel教授はそう言いたかったのだと僕は思う。
一般的に極論に聞こえる発言に関しては、すぐに賛成とか反対とかではなく、その裏に込められた意味を自分自身の頭でしっかりと考えていかなければならない。何か大切なことを伝えたいからこそ、あえて教授はその発言をしているからだ。
“自分はいかに考えるか”。それこそがまさにMBAで一番大事なものだと最近思うようになった。
(写真はビジネススクールの教室から撮った一枚。目の前にあるのは、Palace de Europe(ヨーロッパ広場)。いつもこの風景を見ながらくつろいでいます。)
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