宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

パイロット不足

2007年02月27日 | 宇宙航空産業
 
Pilot(パイロット)はいつの時代も男の子の憧れの職業だ。将来なりたいものランキングでも毎年上位に位置することが多い。

人気の秘密は、年齢によって多少変わってくると思うのだけど、パイロットの制服姿への単純な憧れから、最先端のハイテク飛行機を操縦できることへの好奇心まで、本当に様々な理由があると思う。

そして、ビジネスとしてのパイロットという職業を見た場合、彼らが航空会社から受け取る高額の報酬もその魅力の一つであることは間違いない。特に日本はパイロット天国と言われていて、給与が世界的に見ても突出して高いことでも有名だ。

例えば、日本の大手航空会社のCaptain(機長)となった場合、平均して約3000万円もの年収を手にすることができると言われている。機長を補佐するCo-pilot(副操縦士)クラスでさえ、年収1300万円程度は固いのだそうだ。乗客の命を預かる大変な仕事だとはいえ、う~ん、うらやましい。

その憧れの職業であるパイロットが、今世界的に不足しているという。そして、特に不足して困っている国が中国とインドだ。両国とも近年急激な経済成長を遂げており、それに伴って航空輸送に対する需要がうなぎ登りで止まらないのだ。パイロットの需要に供給が全く追いつかないといった状況らしい。

実際にどのくらい不足しているかというと、2010年までに発生する需要の全てを満たすためには、中国で約1,000人、インドで約4,000人のパイロットが不足すると試算されている。特にインドでは日々の高速鉄道の利用者数が1,600万人とも言われており、経済成長に加えてこれら鉄道輸送の一部が今後さらに航空輸送にシフトすると、パイロットの不足はますます深刻になる。

ただし、これらの国々における問題はパイロットの不足だけに限らない。必要な数の航空機をどう確保するかという資金的な問題に加え、空港などのインフラ整備をいかに迅速に行うかという社会政策的な問題をも抱えている。

とにかく、勤務する国や航空会社にこだわらなければ、パイロットとして空を飛ぶチャンスは世界中に存在するのだ。どうしてもパイロットになりたいという人は、今から中国語とヒンドゥー語を勉強しておきましょう。もちろん、英語も忘れずに!


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