宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

日本庭園

2006年08月27日 | フランス
 
ここ3日間連続して僕の演説のような内容が続いてしまったので、今日は少し趣を変えて、ここトゥールーズにある日本庭園の話。

これまでに僕が聞いた限りでは、フランス人はアジアの中でも特に日本という国に良いイメージを持っていて、その美しい四季や繊細な料理、武士道精神や禅、空手といった日本人の精神性に、何か憧れのようなものを抱いているところがある。この日訪れた日本庭園でも、地元フランスの人々がいつもとは何か違った“Soulful”な安らぎを求めて、あえてこの場所を選んで散歩しているように感じられた。

庭園内にアジア人の僕がいることを見つけると、早速「もしかして、君は日本人なのか?」と尋ねてきたフランス人がいた。「Oui, je suis japonais.(はい、私は日本人です)」と答えると(う~ん、教科書どおりだ!)、日本庭園の中で日本を味わおうとしているまさにその時に日本人に巡り会えたことが相当嬉しかったらしく、今日はトレビアンだ!とかなり満足げな表情で握手を求められた。最初は僕も彼が何者か分からなかったので戸惑ってしまったのだけど、ただの気の良いフランス人のおじさんだと分かると、その後は気軽に会話をすることができた。

結局このフランス人のおじさんから日本庭園についていろいろ質問されることになったのだけど、あやふやなながらも記憶から知識を捻り出してなんとか全て答えることができた。これは事前の勉強の成果だ。フランスに来る前にお金と時間をかけて2度も京都観光をしておいて本当によかった。生きたお金の使い方とはまさにこのことだ。価値を生む先行投資だった。

ところで、突然ですがここで皆さんにクイズです。このフランス人のおじさんが日本庭園について一番感心していたことは、一体何だったでしょうか?


Thinking time...

Still continue...

Time's up!


答えは、「借景」というコンセプト。庭園を構成するのはその中にある池や石や木や生き物だけではない、遥か遠くに望む山並みさえもその庭園の景観の一部としてデザインしてしまうあの技法のことだ。ここトゥールーズの日本庭園では周りの一部をビルに囲まれているので、残念ながらあの素晴らしい京都の「借景」の再現のようにはいかない。それでもなんとか「借景」を再現しようと努力する姿勢は見られた。数千キロ離れた異国の地にしては十分な出来だったと思う。

そしてこの日本庭園、実は僕がこれから通うことになるEcole Superieure de Commerce de Toulouseから歩いて数分の距離にある。MBAの新たなクラスメートといつかこの場所でランチしながら日本の将来について意見を聞くのが楽しみだ。ぜひ彼らなりの日本観を聞いてみたい。

ちなみに、写真中央にある小高い山のような部分が、、、

“フジヤマ”

なのだそうです。。。許してやってください。。。。。ここはフランスです。


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