MBAがスタートする前にまずはフランスという国の特質を理解しておかねばビジネスは語れないということで、今はフランスの社会システムに関する様々な講義を受けている。その中から今日はフランスの労働環境について紹介したい。
ここフランスにも法定労働時間というのがあって、週35時間と決められている。日本とあまり変わらない長さだ。でも、こちらの人はお昼休みを2時間程度(最低でも1時間)はとるので、9時~5時の勤務だとしても日本よりはかなりラクだ。(と思う)
それにフランスといえばバカンスの国!なんと年5週間のバカンス休暇が法律で認められている。多くの人は7月~8月に3週間程度、冬休みに1週間、春休みに1週間程度とるのが平均だそうだ。講師の先生の言葉では、フランス人にとって8月は“神聖”な月で、何人も冒すべからざる存在なのだそうだ。
でも全国民が一気に同時にバカンスをとったらマズイでしょ?と質問したら、とても合理的な回答が返ってきた。学校休暇をフランス全国で3つのゾーンに区分して少しづつずらしながら付与しているのだそうだ。全国民が一気にリゾート地へ押しかけないようにとの配慮らしい。とにかく“絶対に休むぞ!”という気合がフランス国民からも国家全体からも感じられて、その目標共有力の強さに感動してしまった。個人の目標と国家の目標がこれほどまでに一致するなんてある意味奇跡的だ。組織マネジメント論でいえば最高の組織と言えるかもしれない。
その他、女性の労働者にMaternity Leave(産前・産後休暇)として6週間+2ヶ月が与えられるのみならず、男性の労働者にもPaternity Leave(パパになる休暇?)の11日が付与される。もちろんどちらも有給だ。面白いのはこのPaternity Leave、双子が生まれる場合は18日に延長されるのだそうだ。それだけ双子の世話は大変だということなのだろう。これまた合理的システムと言えそうだ。
台湾政府から派遣されてきているPhilisが「女性にとって働きやすく、住みやすい国ですね!」とコメントしたら、「いや~、スウェーデンなら子供を1人産む度に2年の有給の育児休暇が与えられますからねえ~」と答えが返ってきた。
う~ん、上には上がいるものだ。
とにかく世界には女性がはるかに働きやすい国がいっぱいあるということがよく分かりました。
(写真はトゥールーズ近郊の田舎町の風景)
休暇が長くても役所や鉄道がいい加減でも
そういう生活のサイクルに入ってしまえば意外とストレス無くうまくいくもんですよね。
> 面白いのはこのPaternity Leave、双子が生まれる場合は18日に延長されるのだそうだ。
そりゃ大変だからでしょう。
昨年友人が三つ子を出産しましたが(しかも一卵性)両手で持てないので親にずっと世話に付いてもらっている生活を送ってます。
対応が早いのかもしれません。
レディファーストの国民性もあるのかもしれませんね。
少子化対策も、ヨーロッパは対応が早かったと思います。
日本は出遅れているかな。
女性に優しい労働環境も、少子化も、根底は同じだと思います。縦割りで考えてはいけないということですよね。
仕方がないとあきらめずに、何かしら意識を変えて自分でも社会に貢献できることを考えてみようかと思いました。
仏蘭西人は、自分たちのよいところをアピール
することが上手ですが、彼らのまずいところも
ちゃんと見てきてくださいね。
そういう思うとフランスぐらいが、バランスが取れているのかもしれないですね。
何か、聞いただけで、とぉ~ってもおもしろいことが待っていそうな気がしてしまいます・・・。
クールビズの次は、バカンス!・・・となってほしいものですね。
さて、遅れましたが、ブログ開設おめでとうございます!
>その他、私に個人的に興味のある方
という点で、対象者に含まれるので、これからもチョクチョクお邪魔します。
個人的には、フランスの食文化を報告してほしいです。待ってまーす☆
コメントありがとうございます。
そうですね、慣れてしまえばそれが当然だと思うようになるのでしょう。私達がご飯を食べるのにハシを使うのを当然だと思っているように。(マレーシア人は右手でご飯を食べますよね)
私も早く自分のニュートラルをフランス仕様に合わせたいです。
>ひ さん
いつもコメントありがとうございます。
そうですね、女性が働きやすいということと少子化は、問題として同一視すべき事項かもしれませんね。
こちらに来てラテン系の男性の女の人に対するやさしさに驚かされてます。
>つ さん
いつもコメントありがとうございます。
フランスの良くないところ、毎回講義の時に自分の意見として言うようにしてます。すると、かならず議論が始まります。絶対にゆずりませんね、彼ら。
良くないところを書くとグチブログになってしまうので最初のうちはよい意味で強烈な印象を受けたとことを中心にレポートしていこうと思います。
>つが さん
コメントありがとうございました。
たしかにスウェーデンの2年間の有給育児休暇は信じられないですよね。会社としても雇う時に相当の覚悟(絶対にこの人はいいっ!という確信)がないと、人材採用できないですねえ~。その意味でどっちがよりよいシステム化、唯一絶対の答えはないのでしょうね。
>よこだい さん
コメントありがとうございます。業界は違っても目指すものに共通点があれば我々は同士です。これからもコメントしてくださいね。楽しみにしてます。
フランスの食文化、グルメにはあまり自信がありませんが、トライしてみます。すでに果物と乳製品の安さとおいしさに感動しまくっています。