初めてトゥールーズのMetro(地下鉄)に乗ってみた。ヨーロッパの一部の国では既に主流になりつつあるPark&Ride(パーク・アンド・ライド)というコンセプトを体験してみようと思ったのだ。
パーク・アンド・ライドというのは、市内中心部まで車で乗り入れるのではなく、まず郊外にある駅まで車で行き、駅にある駐車場に車を停めて、そこからは公共交通機関を利用して市内中心部へ足を踏み入れる新しい移動の仕方だ。簡単に言えば、自家用車と公共交通機関のハイブリッド型移動手段ということになる。
このパーク・アンド・ライドのメリットは、①環境への負荷の軽減と②市内中心部の混雑緩和の2点にあると言われている。メトロ(地下鉄)やトラム(路面電車)というのは、乗客一人当たりを運ぶのに必要なエネルギー量や二酸化炭素の排出量が、自家用車に比べて格段に低い。ガラガラで走るどこかの国の地方公共交通は別として、多くの人がメトロやトラムを利用すればするほど、その社会は地球にやさしい社会だということになる。
加えて、市内中心部を走る車の数そのものを減らすことで交通渋滞を緩和し、歩行者にとって歩きやすい町を実現することもできる。さらには、渋滞時のアイドリングで発生するムダなエネルギー消費さえも削減してくれる、一粒で何度もおいしい政策なのだ。
環境先進国と言われているドイツやオランダでは、すでにパーク・アンド・ライドが法制化されている市や町もあるらしい。これらの場所では、原則自家用車で市内中心部に乗り入れることができず、町中が歩行者天国のようになっているのだ。もちろん、環境に負荷を与えない自転車での乗り入れはOKだ。
僕の住むフランスのToulouse(トゥールーズ)では、このパーク・アンド・ライドはまだメジャーにはなっていない。そもそも、フランスという国は環境意識の高いヨーロッパにありながら、原子力発電の無限のエネルギーに頼りきっていて、環境にやさしい行動をしよう!という意識が低いと僕は思う。ゴミの分別にしたって日本よりはるかに大雑把で“ラク”だ。ヨーロッパの人は皆環境にやさしい、と考えている人がいたら、それは間違いだと思ったほうがよい。ドイツやオランダや北欧諸国での話だと思ってほしい。
僕は今日パーク・アンド・ライドというコンセプトを実践してみて、これは本当に素晴らしい社会システムだと実感した。あらゆる地域に公共交通網を張り巡らせるには莫大なコストがかかるし、社会資本のムダ使いだと思う。しかし、地域の核となる郊外の町の駅に大規模な駐車場を作り、皆がその駅から市内中心部まではメトロやトラムを使ってアクセスすることにすれば、路線数は少なく、かつ、安定した大量のトラフィックが発生する社会交通システムを作りあげることができる。これは、現在は赤字覚悟でメトロやトラムを運営することを強いられている地方自治体にとって非常に魅力的な話だと思う。経営が安定するのだ。
皆さんも一度パーク・アンド・ライドを実行してみてください。不便さとラクさが絶妙にミックスされていて、とてもいい感じです。
(写真はトゥールーズに新しく開通したメトロのホーム)
パーク・アンド・ライドというのは、市内中心部まで車で乗り入れるのではなく、まず郊外にある駅まで車で行き、駅にある駐車場に車を停めて、そこからは公共交通機関を利用して市内中心部へ足を踏み入れる新しい移動の仕方だ。簡単に言えば、自家用車と公共交通機関のハイブリッド型移動手段ということになる。
このパーク・アンド・ライドのメリットは、①環境への負荷の軽減と②市内中心部の混雑緩和の2点にあると言われている。メトロ(地下鉄)やトラム(路面電車)というのは、乗客一人当たりを運ぶのに必要なエネルギー量や二酸化炭素の排出量が、自家用車に比べて格段に低い。ガラガラで走るどこかの国の地方公共交通は別として、多くの人がメトロやトラムを利用すればするほど、その社会は地球にやさしい社会だということになる。
加えて、市内中心部を走る車の数そのものを減らすことで交通渋滞を緩和し、歩行者にとって歩きやすい町を実現することもできる。さらには、渋滞時のアイドリングで発生するムダなエネルギー消費さえも削減してくれる、一粒で何度もおいしい政策なのだ。
環境先進国と言われているドイツやオランダでは、すでにパーク・アンド・ライドが法制化されている市や町もあるらしい。これらの場所では、原則自家用車で市内中心部に乗り入れることができず、町中が歩行者天国のようになっているのだ。もちろん、環境に負荷を与えない自転車での乗り入れはOKだ。
僕の住むフランスのToulouse(トゥールーズ)では、このパーク・アンド・ライドはまだメジャーにはなっていない。そもそも、フランスという国は環境意識の高いヨーロッパにありながら、原子力発電の無限のエネルギーに頼りきっていて、環境にやさしい行動をしよう!という意識が低いと僕は思う。ゴミの分別にしたって日本よりはるかに大雑把で“ラク”だ。ヨーロッパの人は皆環境にやさしい、と考えている人がいたら、それは間違いだと思ったほうがよい。ドイツやオランダや北欧諸国での話だと思ってほしい。
僕は今日パーク・アンド・ライドというコンセプトを実践してみて、これは本当に素晴らしい社会システムだと実感した。あらゆる地域に公共交通網を張り巡らせるには莫大なコストがかかるし、社会資本のムダ使いだと思う。しかし、地域の核となる郊外の町の駅に大規模な駐車場を作り、皆がその駅から市内中心部まではメトロやトラムを使ってアクセスすることにすれば、路線数は少なく、かつ、安定した大量のトラフィックが発生する社会交通システムを作りあげることができる。これは、現在は赤字覚悟でメトロやトラムを運営することを強いられている地方自治体にとって非常に魅力的な話だと思う。経営が安定するのだ。
皆さんも一度パーク・アンド・ライドを実行してみてください。不便さとラクさが絶妙にミックスされていて、とてもいい感じです。
(写真はトゥールーズに新しく開通したメトロのホーム)
パーク・アンド・ライドは軽井沢などで、今行われつつあります。軽井沢もお盆やゴールデンウィークに人が殺到する時期に限定で行われているようです。
4月にヨーロッパへ取材に行った際に、スイスと新しいトンネルの取材をしました。
モーダルシフトという、トラックから電車に貨物を移行させて、運搬するシステムです。
EUが広がるにつれて、スイスがヨーロッパの中心にあるので、スイスが高い関税や通過に規制をしているのです。でも自然を守るためにはしょうがないのではないかと思います。
出来ることから、始めないと。
あの由比ガ浜の駐車場はなんなんだ?
鎌倉のごみや環境の施策全般に言えることだが、
一部の環境マニアのような住民と行政だけが、
我々がこれだけ真剣に取り組んでいるのだから、
みんなもとりくむはず(べき)だ、という善意というか、
善意の押し売りというか、独り善がりで成り立っている。
なので忙しい人々には無視される・・・。
やるなら条例を作って強制しちゃうとか、平日の昼間に開催される公聴会に出てこれるような暇人だけでなく、「普通の市民」の意見を聞きながらやるとかしてほしいね。
こんなんで世界遺産登録なんて100万年早い。
コメントありがとうございます。
スイスもまた環境に配慮した国づくりを進めている国家のひとつですよね。観光産業が国家の基幹産業だけに、どうやったら持続的に美しくあり続けるかということが、国家としての死活問題なのだと思います。
そういえば、ドイツとデンマークの間では、海峡を渡るために電車がそのままフェリーに乗り込むシステムがあると聞いたことがあります。車やトラックがフェリーに乗り込むのは聞いたことがありますが電車が乗り込むなんて、一体どうやってオペレーションをしているのか実際に一度見てみたいものです。
>つ さん
コメントありがとうございます。
「つ」さんの地元鎌倉への熱い想いが伝わってきますね。観光地に住むことを選んだ宿命でしょうか。
何か新しいことを始めるときに、どうやったらそれが持続していくかをデザインすることは、とても難しいけれど大切なことだと最近感じています。まず、ハードルが高すぎてもスタートできませんが、最初の突発的な盛り上がりや、一部の人の熱い情熱に頼ったシステム作りでは決して持続しない。なので、少しづつでもよいので結果を出し続けるようなシステムを作ることのほうが、長い目で見て効果の総量は多くなる可能が高いのではなか、と思うのです。
上手なターゲットの設定の仕方やうまい関係者の巻き込み方については、今後も経験を重ねながら腕を磨いていきたい分野のひとつです。