先月の国連3委員会(人権担当)での採択に引き続き、
総会でも、北朝鮮の人権状況を批難し、改善を求める
いわば、人権決議案が採択されました。
国連総会が北朝鮮人権決議案を採択
前に国連総会での人権決議案採択が確実視されるとのニュースもお伝えしましたが、
(【聯合ニュース】「北人権問題の国際刑事裁判所付託求める国連総会決議案」3年連続推進)
国連で人権関連の議題は「3委員会」で担当していますが、
3委員会である案件が採択されたら、
国連総会で議論→表決→決議案、の流れになりますので
先月の3委員会での採決で総会でも決議案が採択されるだろうという見込みが強かったんですね。
なんと12年連続で北朝鮮人権決議案が採択されていますが、
それは、12年間世界の代表の多くが
北朝鮮の人権状況が深刻だと判断し、対策を求めていることを意味します。
逆に言えば、12年間も北朝鮮はずっと言われっぱなしで、変わっていないことも意味します。。。。。
今年の決議案の意義として、3年連続で「北朝鮮人権問題のICC付託」を勧告しているという点です。
総会の決議案で勧告されたら、次は安保理に議題が移って
決議するかどうかを議論しますが、
安保理常任理事国の全会一致でないとICC付託はできません。
過去2回は、中国の反対で不発となりましたが、今年も簡単ではなさそうです。。。
でも、今年の北朝鮮人権決議案の進歩したところをまとめてみますと、
①過去の「ICC付託」勧告に加えて、「北朝鮮指導部」を付託すべき対象として触れている。
:北朝鮮内の人権侵害が「北朝鮮のリーダーシップ」の統制の下で行われていると明らかにし、
その「リーダーシップ」による人道に反する犯罪を中止および処罰すべきだとしています。
②海外の北朝鮮労働者問題に言及
:海外に送られて過酷の労働環境で働き、給料もほとんど当局に取られている北朝鮮労働者の人権問題について非難しました。
:これまでの北朝鮮核実験に対する国連制裁には抜けていた内容で、制裁の「穴」と指摘されてきた点ですが、
今回の決議案採択を機に、「人権」の観点から攻めていく動力を得たと言えます。
③大量破壊兵器と人権侵害との関連性を明確に
:私はいつも北朝鮮当局による住民の人権侵害を解決しない限り、核開発も止められないと主張してきましたが、
:今回の決議案では、その関連性を明らかにし、
:世界の安全を脅かす「北核」を解決するためにも「人権」問題の解決が必要としています。
:住民生活に当てるべき資金を核・ミサイル開発に費やし、資金が不足したら住民を搾取して資金や労働力を埋めていくためです。