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素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーエグゼイド 第29話「We’re俺!?」

2017-04-30 22:30:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
ゲーマーMに豹変した永夢は、飛彩、大我の前で仮面ライダーパラドクスに変身。ブレイブ、スナイプを圧倒し「ドクターを辞める」と言い捨て姿を消してしまう。永夢はなぜパラドクスに変身したのか? 永夢の身体から分離したパラドは混乱する永夢に説明する。 「いつだって、俺とお前の心はつながっていた」ついに明かされる永夢とパラドの関係、その驚愕の真実とは・・・。


OP後の提供テロップの両サイドに今回の簡単な紹介文が流れてきて、
この文章のセンスがどうも苦手なんですけれども
(とは言え、「バイクが人になります!本当です!」とかは子供に大好評だった)
今回の「このあとエグゼイドの秘密、全部言います」は、本気と書いてマジだったので
「ははぁ!まいりましたぁ!」と頭をさげております。

というわけで。永夢の謎が全て解き明かされました。
今話冒頭の「俺、もうドクター辞めるから」というパラドin永夢のセリフで
19話「知るかよ患者のことなんて」という永夢の言葉を思い出したんですが、
ビンゴだった。19話の永夢がパラドだった。

言われてみたら本当にそう! いやもうどうして気づかなかったんだよ!
っていうレベルで、ヒント転がりまくりだったよね!
あの時の永夢、待機中はずーっとゲームやってた。パラドそのままじゃんか!

「パラド!私がお前をぶっ倒してやる!
「いいぜ。6年ぶりに。・・・また遊ぼうな」


ニコちゃんのことも、ちゃんと記憶していた。
ていうか、6年前にニコちゃんに投げたセリフ(「楽しかったよ。また遊ぼう」
そのままなんですよ!(16話) うわぁ鳥肌。

つまり、永夢の体内で増殖を続けていたバグスターウィルス(パラド)は
10年かけてに宿主を侵食し、最終的に永夢の主人格となり変わっていた。
ところが財前美智彦氏の手によりバグスター切除手術が行われ、
パラドは永夢の体から分離させられてしまう。

ここで永夢の体の主導権は本来の永夢に戻ったが、
天才ゲーマーMとしての人格(パラドのかけら)も僅かながら残り、存在し続けていた。
23話「どこかで見覚えがあるはずだ」という飛彩の言葉に
「そういえばこどもの頃」と記憶を手繰り寄せたのがグリーンの「永夢」で、
「そうなのか」と他人事のように相槌をうつのがオレンジの「M」、というシーンがあったんですが、
Mは切除手術後の記憶しかないんだ。それ以前の記憶は、全部パラドが持っていってしまったから。

推測してた「19話永夢=ゲーム病発症前の永夢」は正解だったんだけど、それが既にパラドだったとはな。
「19話永夢が本体で、永夢&Mがバグスター」という推測が、真逆でしたよ。
「発症:6年前」っていう前提が間違ってたんですよ、そこ既に分離完了してた。

とりあえず、研修医永夢は人間だったんだね。良かったね。
私の推測全滅だけど(苦笑)それは本当に良かったね。

そして。

「俺がお前の命をコンティニューしてやったんだよ」

19話。永夢消滅の危機を救ったのが、パラドだった。
「ああ、やっぱり不便な生き物だな、人間っていうのは」23話)などと言いながらも、
永夢の主人格が過度なストレスを受けずに事実を受け入れられるようになるまで、体をコントロールしていた。

しかし。「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」がエグゼイドのキャッチコピーにもなってるわけで
まぁ人間ですからコンティニューできないのも当然だし、それを最後まで貫くんだろうなと思っていたら
まさかの中盤でコンティニュー使ってたし、しかも敵のライフ使ったようなもんですよねこれ。
うわぁ・・・だよ。攻めてくるよな製作陣。

「だから俺たちは、戦う運命にあるって言ってるんだよ」

本来であれば、宿主を精神的に追い詰め、身体をのっとるのがバグスターの使命なんですが、
永夢と戦うために生まれたパラドは、そのために、永夢を消滅から守らなければならない。
矛盾だなぁ。打倒MのParadoxか。

とはいえ。今回は永夢にがんがんストレス与えまくってきましたね。

「せっかく俺がお前と遊ぶために、仮面ライダークロニクルをスタートさせたんだぜ?
 はぁ、何が『ノーコンティニューで命を救う』、だよ。
 人間どもが消滅したのも、お前の願望が招いた運命だろ。
 お前が殺したんだよ」


そこまで挑発しないと永夢が遊んでくれないせいですが、
挑発てストレスを与えたら、ゲーム病の影響で永夢の体に負担がかかる。
なので。真実を暴露した今は、必要に応じてパラドが永夢の身体に入って
永夢が消滅しないよう適度にコントロールする、と。

面倒くさいっすね!永夢と戦うためのアレコレ、すごく面倒くさいっすね!

劇場版、永夢がWマイティに変身したのも、「永夢の命を守るために」パラドが入っていたとか
なんか胸熱だし、「劇場版では最後にちょっと顔出しただけ」と言ってたけど
すごい、すごい活躍してたよパラドさん(ただし、ガワのみ)

13話、本編で初めてWマイティになったときも
パラドがなんらかの形でアシストしてたんだろうな。
考えてみると、最初はWマイティに変身するたびに激しい頭痛に襲われていた永夢ですが、
19話を超えたら(パラドと一度、完全に融合してから)頭痛が収まったんだよな。そういえば。

今回は永夢が本気になってパラドにリプログラミングをかけ
(マキシマムじゃなくても使えるんですね)
身体を共有した状態でリプログラミングされたパラドは、人間に近い存在になる。

この状態がちょっと解せませんけれども。
とりあえず「Lv.50の時点ではなかったライダーゲージ(HP)が、Lv.maxにはある」という話に驚いたりしてる。
Lv.50のデータ(不死)からLv.maxの人間になるとか、逆に弱体化してない?

あと。パラドは永夢の体に戻ってWマイティ(オレンジ)になり、その状態で再構築された訳ですが、
M人格(永夢と一緒に戦っていたゲーマー人格)も、おそらく吸収して再構築してるよね?
Mはパラドから派生した人格で、その本質部分は同一だし、すんなり吸収されたと思うんだけど。
(つまり、今後は永夢がWマイティとして敵と戦う展開はないんだよな。少なくとも、当面の間は)

でも、Mはパラドと離れてからの6年間、永夢のサブ人格として生きてきており、
単なるゲーマーとしてではなく、「俺がやってるのはゲームじゃない、患者のオペだ!」14話)と
叫ぶような人格へ、単なるゲーマーではなく人の命を救う医師へと、成長を遂げているわけですよ。
そんな、(おそらく)パラドの一部として吸収・再構築されてしまったM人格の奮起に、期待したい。激しく期待したい。

話を19話に戻して。ラストでパラドが「おかえり、『永夢』」と呼んでいたのも、今となれば納得。
ていうか、細かいことを言うなら、パラドから永夢への呼びかけは全て「永夢」であるはずでは?
「M」って、パラド自身じゃないのかなぁ。

あと。19話で格上のバグスター相手にアイテム駆使して勝利してたのが、パラドだったわけで
そんなエグゼイドの行動に影響され、アイテムを利用することで生身でもガットン倒した飛彩だけど、
あれ、パラドだったよ! 飛彩の戦い方を進化させたの、パラドだったよ!!!
ていう。気持ちの問題だけど「ぅおい!」って思ってる。いまごろ。

さておき。事態がすっきりクリアになりました。
研修医のバグスターウィルスを切除できないなぁと思っていたら、とっくに切除済みだった。
あとはパラドを倒せば永夢のゲーム病は完治!良かったね!って話ですが、
やっぱりそう簡単にはいかないよね。

言ってみたら、全てのバグスターウィルスの親玉だったわけですからね、パラド。
10年かけてじっくり培養されてきてるから、
他のバグスター達とは存在の強さが違う。つか長老レベルだよね。

そんな現状を打破する鍵が、ポッピーの記憶の中に。

「ねぇ、すごいと思わない? 僕が考えたゲームが、世界中の人を夢中にさせるんだ!
 バグスターを扱うのはリスクも大きいけど、ちゃんと感染対策も考えてあるし」


これも、ポッピーがリプログラミング(初期化)されたことで、
ポッピーの中にあるデータが整理され、過去データへのアクセスが容易になったおかげだと思うと、
ポッピーの闇落ち展開にも意味があるのだよ、すげぇな。

OPで「壇黎斗(子供時代)」とあったので「!!!?」ってなったんですが、
意外なことに!黎斗は、感染対策までしてた。
しかも、ちゃんと実用できる形(ガシャット)にまで完成してる。
つまり早くても6年前、「まだ新しい」というポッピーの言葉から、作られたのはわりと最近・・・?

しかし、自分が致死レベルにまで感染しておきながら、プレイヤーのために感染対策も用意してたんですね。
ウィルスの感染対策ってなんだ、脳みそが残念なので「マスク?手洗いうがい?」レベルしか思いつかないけど、
かつて貴利矢の残した処方箋が、貴利矢を殺したゲンムを倒すための秘策となったように、
今また黎斗の残した手がかりが、黎斗を殺したパラドを倒すための秘策に・・・なる?
こういう辿る巡る展開、胸熱だよな!

あと、ツイッターでは「ポッピーの寄生主=壇黎斗の母親」説が多いですね。
そっか、ゲンムの社員さんかな?とか軽く考えてましたが、
自分の母親を乗っ取ったバグスターに対して「ポッピー」とにこやかに応対していたとか
もう気持ちのやり場に困っている。勝手に。

今回、地味にツボだったのが、公園でのバードウォッチングに夢中で
背後でWマイティが戦ってるのに気づかず、背中にぶつかって初めて気づいた鈍感夫婦。
静かな公園だと、走る音だけでもけっこう響いたと思うよ、気づいて!

あと、その夫妻の通報を受けたと思われる飛彩の「はい、電脳救命センター」っていう応答。
ほかのメンバーは「CR」って略してるのに、ちゃんと言うんだ。
さすがは常に「ポッピーピポパポ」と律儀に呼ぶ人である。
いま気づいたんだが、鈍感夫婦のおかげで永夢は助かったのか。通報ありがとう。

エグゼイドは2周目も美味しい作品ですね。
全てが終わったら、また最初からじっくり見直したい。

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仮面ライダーエグゼイド 第28話「Identityを超えて」

2017-04-23 22:30:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
ポッピーの笑顔をみた永夢は、ポッピーにはまだ良心が残っているのではと期待する。ライドプレイヤーを救うために仮面ライダーポッピーと戦ったエグゼイドは、ポッピーの遺伝子のリプログラミングに成功。しかし戸惑うポッピーをパラドは強引に連れ去ってしまう。一方、「ポッピーは人間を犠牲にして生まれたバグスターなんだぞ」という飛彩の言葉に、反論できない永夢だったが・・・。


パラド= 永夢でした。

OPでも二人を対比するような見せ方してたし、やっぱりなぁ、という気持ちが半分と、
じゃあ永夢(研修医)とM(天才ゲーマー)と永夢(19話のチャラ男)とパラドの関係性は???、
という気持ちが半分と。

衝撃の真実公開で、絡み合った現状がすっきりするどころか
よけい「どどどどういうこと???」という混乱状態に陥っています。

とりあえず思いつくのは、小さい頃のイマジナリーフレンド(Wikipedia参照)かな?とか。
一人で過ごすことが多かった少年時代、ゲームの相手になったり、
新しいゲームのアイデアを出し合ったりした、空想上の友人。

これ自体はさほど珍しいことでもなく、こどもの発達に良い影響も与えると読んだ記憶もあるんですが、
Wikipediaによると、悪くすれば解離性同一性障害(多重人格障害)のきっかけになる場合もあるとか。
だとすれば、研修医、天才ゲーマー、バグスターとしての「永夢」が存在するのは当然の流れとも言えるかと。

バグスターが完全体になると、元の人間は消滅する(おそらく質量保存の法則とか、錬金術の等価交換的な原理)
のがお約束なんですが、オリジナルである永夢については、その法則を無視できるのか。
バグスターウィルスの力を借りて、自己の中に生まれた複数の人格を
パラドやWマイティの姿を使って具現化できるってことかな。本来の自分の体を残したままで。

さて。パラド=永夢が確定いたしまして。23話の感想で書いてたんですけど、
黎斗が天才(永夢)に対抗して作り上げた最高傑作「仮面ライダークロニクル」が
完成目前にしてその天才の分身に横取りされ、改変され完成させられるとか。
パラド=永夢だったら報われないよなぁ・・・とか思ってたのが事実だったという。
笑える。いや笑えない。

そのほかにも。永夢を穢れを知らぬ愚かな天才とあざ笑いながらも、
彼の分身たるバグスターをその手元に置き、遊び場を提供し、専用のガシャットを作ってあげてたとか
もうね、もう、そんな黎斗の心情を思うだけで、白飯をお茶碗3杯、軽くあけられる気分です。
妄想で、心が踊るな!

さて本編。ポッピーピポパポ編。

ナビゲーターであるポッピーには、違反した仮面ライダーの変身強制解除の権限があるんですね。
この機能、何気に最強じゃないっすか!?
・・・と思ったけど、バグスターサイドはあくまでルールに法ってゲームを進行するので、
便利だからって好き勝手に使ったりはしないんだろうな。
このあたり、敵が黎斗だった頃に比べると、プレイヤーに優しくなってる気もする(苦笑)

そして久々にリプログラミング発動。
バグスターにリプログラミングかけたらどうなるのかと思いましたが、
完全体なので、単純に初期化されるだけ、らしいです。

「リプログラミングの力か」
「はい。ポッピーの悪い遺伝子を書き換えれば、元のポッピーに戻れるはずって思って」


まぁ、CRにいた頃のデータは削除されちゃってるんですけど、
「元のポッピー」が出荷時の状況であると定義するなら、確かに元のポッピー。

序盤の「変身」の声が低いトーンだったのに対し、後半のそれはいつものポッピーの声で、
24話で「洗脳」という単語が使われていたんですけど、
ナビゲーター役のポッピーは、初期化された後にプログラムを改ざんされてたってことか。
なんかどこかで見たような設定だなと思ったら、ベイマックスだ(ベイマックスは初期化されてないけど)

まったく反撃する様子のないポッピー相手に全力で攻撃しまくるニコちゃん、大我、飛彩。

クロニクルの攻略を最優先する大我ペアと、患者の治療を最優先する飛彩は
たとえ相手が無抵抗でも、倒さなければいけない理由がある。
あるんですが、完全に一方的な暴行すぎて、絵面が辛い。

・・・辛いとか言いながらも
「でも完全体のバグスターは死んでもまた復活できるし、
 とりあえず患者を治すために一回倒すしかないよね」と子供達に説明していた鬼母な私です。
だって死んでも復活できるのがバグスターの強みじゃん?

クライマックスシーンのポッピーの悲痛な叫びと
「・・・だったら、俺と戦え」という永夢の姿、最高でした。すごく良かった。

しかし、この永夢は「俺」なんだよ。天才ゲーマーなんだよ。
正直、永夢の中身がどこからどこまでバグスターなのかわからない状態で
(もしかすると研修医も天才ゲーマーもバグスターかもしれないわけで)
「人間を攻略したいんだろ? やれよ!」と叫ぶ彼自身がバグスターかもしれないっていう
しかも、バグスターである人格はそれを自覚しつつ、ドクターとして、人間として戦ってるという。
もうね、そのあたりを考えると、いろいろ「ふぉおおおおお」ってなりますね。辛い。勝手に辛くなってる。

・・・いや、ちょっと待て。
19話ラストでパラドが「おかえり、永夢」と言っていたので、
永夢(研修医)はバグスターではなく、永夢自身、ということか。
分身であるパラドの発言なので、間違いないはず。

そして、彼が遊び相手として指名している「M」も、永夢本人だろうし、
高校生チャラ男永夢は、ゲーム病発症前の人格なので、これも本人だろう。
つまり、これらはみんな永夢の中にもともと存在していた人格であって、
この中にバグスターは存在しない?
ウィルスの力で、曖昧に存在していた人格たちがきっちり区別され顕在化したってことなのか?

もっと踏み込んで、バグスターウィルスの効果が「なりたい自分になれる」だとしたら
いまのグラファイトは、「飛彩を支えられるほどに強くありたい」と願った小姫ちゃんの夢だったり
ポッピーは「みんなと仲良く遊びたい」と願った誰かの夢なのかもしれない。
テレビゲームとはそもそも、「なりたい自分を疑似体験できる」システムとしての側面もあるわけだし、
夢が覚めたとき、消えた人々は元の世界に戻って来られるのかもしれない。

とは言いつつも。
27話で飛彩が「ありえない! 人の命が取り戻せるなど、絶対に・・・」と言っていたように、
やっぱり消滅した人間が復活したら、エグゼイドでそれやったら残念だなって気もします。

「みんなで仲良く、ドレミファビートがしたいよ!」
「・・・やろうぜ、一緒に」


もうさ、ここでさ、ミュージカルのごとく突然ダンサブルな音楽が流れ出し、
永夢・ポッピー・飛彩・大我・ニコの五人が突如フォーメーション組んでカメラ目線になり
完璧な踊りを披露して、決めポーズをとったところで「ゲームクリア!」ってやって欲しかった。
どんだけ不自然でもいいからそれが見たかった。そこだけが無念である。まぁ尺もなかったけど。

ともあれ。ポッピーが「人間みたいな存在になった」とか「人間の味方になった」じゃなく、
あくまで「みんなと楽しくゲームがしたい」という、ゲームキャラの姿勢を貫いていたのが
なんか、すごく良かったです。「バグスターとして」存在することが認められたっていうのがさ。

やっぱりゲームキャラは、敵じゃないし、
決着をつける方法も、物理攻撃とか殺し合いだけじゃない。
楽しくプレイすることも可能なんだよ。

一方で、あくまで永夢と「ゲームすること」に固執するパラドもやっぱりバグスターというか、
ひとつの目的のためだけに生まれた存在だから、それ以外の方法では満たされないっていう、
それはそれで不器用というか、代わりの何かでは満たされない、切ない生き物でもある。

ていうか、永夢が遊んであげたらそれで世界が救われるんじゃね?って感じでしたね。今回。

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仮面ライダーエグゼイド 第27話「勝者に捧ぐlove&peace!」

2017-04-16 22:30:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
ゲーム病となった人を救うため、永夢と飛彩はライダーに変身。そんな2人の前でニコがライドプレイヤーに変身し、エグゼイドらの制止を振り切りバグスターを倒してしまう。しかしニコはゲーム病を発症。怒る大我はニコからガシャットを取り上げようするが・・・。


こんにちは。「全日本イケメンは水に浸けろ」の会、会員です。
今回はフィーバー回でしたね!永久保存版でしたね!!!
ただ、撮影は2月〜3月頃だったんじゃないのかなぁと
ずぶ濡れの皆さんの体調が心配。

ともあれ。予告では「誰か死ぬんじゃないのか」くらいの緊迫感あったんですが、
本編見たら「きゃー!」だった。リアルに「きゃー!」って叫んだ。
もうマジ、俺のハートがときめきでクライシスでオーバーキルだった。死んだのは俺だった。
供給過多にもほどがある。お二人さん、お幸せにな!!!

さてさて。今回はともかく、ニコちゃんのセリフ達が全て愛おしかった。

「私の主治医気取ってるくせに、Mのこともぶっ倒してくんないし!
 なんで私と一緒にいるんだよお前!」

「わかってるよ! わかってるけど、
 なんで私だけ、あいつの気持ちを理解しなきゃいけないわけ!?
 意味わかんない!不公平!」


(大丈夫かと助け起こした大我を振り払い)
「うっさいな!おまえのせいだ、黙れ!」

言ってることは支離滅裂なんですよ。
支離滅裂なんだけど、彼女の中ではいろいろ考えて考えて、筋の通った理屈であって、
でも途中経過がまるっと抜けちゃってるから、ぱっと見「言ってることがむちゃくちゃだ」って感じになってる。

この、「敢えて支離滅裂な感じに作ったセリフ」のさじ加減が、なんかもうたまらんよね。
自分から押しかけてきたくせに「なんで私と一緒にいるんだよお前」って言わせちゃうとか、
脚本がもう本当にすごいよな。今回のニコちゃんのセリフ、本当に素晴らしい。大好き。

もちろん、もちろん大我先生のセリフとか言わずもがな、ですよ。

「別に好かれたくて戦ってるわけじゃない。
 人にはそれぞれ未来がある。だから、失うものがない俺だけが戦えばいい。
 どんなに苦しくても、誰に恨まれようと、俺だけならって・・・。
 でもお前は、免許のないこんな俺を、主治医だと言ってくれた。嬉しかった。
 ゲームができなきゃストレスだって言うんなら、もう止めはしねぇよ。
 ただし、俺のそばから離れるな」


もう最初の2行くらいで私のキャパをオーバーしちゃって、
後半はひたすら口開けて「ふぉおおおお」って呻いてたんだけど、
こころを落ち着かせて二回目見たら、やっぱり破壊力すごくて、すごくて、すごいな。

そして最後にさくっと「仮面ライダークロニクルは、俺『たち』が攻略する」とかトドメ刺された。
あの大我が!「俺たち」とか!

もうさー、ラブリカあたりがオシャレに恋愛を楽しみましょうよ♪みたいなテンションなのに
大我みたいな無骨な男がこんなセリフ吐くとか、
そりゃもう子供の喧嘩に大人が割って入るようなもんだぜ、
竹刀で戦ってるところに真剣持ち出されたようなもんだぜ、卑怯だよ大好き。

飛彩。

「なぜ彼女をちゃんと見ておかなかった」

いやぁあんなじゃじゃ馬、見張っておけるもんじゃないだろ?とか思いますが。
小姫ちゃんを「ちゃんと見ていなかった」ために失ってしまった飛彩だからこそ、その言葉には重みがあり、
それを知ってるから、「お前には関係ねぇだろ」という反論にも力が入らない大我。
あーもう本当に、すごいよね脚本!

「愛想をつかされて当然だな、
 彼女の意思をないがしろにして本音で向き合おうとしない、そんな態度では」


ニコちゃんに対してのみならず、永夢や飛彩に対しても同じ態度とってるわけで、
彼女の意見を代弁しているようで実は自分の気持ちをぶつけているのも同然っていう、
そういうとこも、なんかニヤニヤしてしまう。あの飛彩ですら、大我の態度に不満を感じてたのか、
「俺たちと、もっと本音で向き合えよ」と言いたかったのかーとか。ふふふ。

ニコちゃん。

「はぁ?この私がゲームオーバーになるわけないし」

「治療とかいいから。私が自分で治す」


その言い分は、前回までのライドプレイヤー達と同じで若干不安になったんですが、
さすが天才ゲーマー、さすが年収一億円。

ニコちゃんの戦い方を見てると本当に「ゲームをプレイしてる」という感じで、
例えばプレイヤーが乗り物に乗れば、敵もそれにあわせてプレイしてくれるし
そのエリアのルールで戦えば、別に物理攻撃じゃなくても敵を倒すことができるわけで。
「物理攻撃≠相手の被ダメージ」っていうのは、エグゼイドの面白いところですね。

さて、本当にニコちゃんsupported by 大我でクロニクル攻略する展開なんでしょうか。
ボス13体。いまから1話1体でいけば40話辺りでラスボスに当たりますが、
・・・そういう流れにはならない予感だな。

仮面ライダークロニクル。

「しかしそれは、スリリングなゲームを楽しんでいただくための
 一時的な演出であって、商品の欠陥ではありません」


人間を消しておいて「ゲームを楽しむための演出」で済ませるところがすげぇな。

最後には天ヶ崎社長自身が仮面ライダークロニクルのスタートボタンを押し
ライドプレイヤーに変身するというパフォーマンス付き。
なるほど見た人は、「社長本人すらプレイするんだから、安全は保証されてるんだろう」とか思いそうである。
(まぁ彼自身がバグスターなので、変身したところで副作用の恐れもないんですけど)

ラスボス撃破のボーナスが提示されてないのは疑問だったんですが
(でも今時のゲームは「アイテムコンプリート」自体が報酬である場合も多いよね)
主催者が「消滅したプレイヤーの復活」を提示したのならば、それは真実だろう。
ゲームキャラにとっては、ルールこそが正義だから。

たーだーし。ラスボスがゾンビである可能性は強く推したい。
報酬は真実でも、クリアが無理ゲーっていうのは十分に有り得る。

「人間にとって、一番の宝は『命』だ」

と笑うパラド。悔しいけれど、正解。
今まではユーザーが気軽にスタートボタンを押し、娯楽を求めてプレイしていたけれど、
これからは、大事な誰かを失った人たちが覚悟を持ってスタートボタンを押す。
そして、消えた人を救うために芋づる式にプレイヤーが増えるんだろうし、
既に世の中に出回っているガシャットは、裏ルートで流通し続けるんだろう。

衛生省が販売停止命令を出せば事態は収束するかと思ってたんだけど、
これは止まる気がしない。

「消滅したプレイヤーを復活させるなんて、本当でしょうか?」
「ありえない! 人の命が取り戻せるなど、絶対に・・・」


天ヶ崎の言葉に疑心暗鬼な永夢と飛彩ですが、
その「消滅したプレイヤー」の対象に貴利矢が含まれるのか、ということは、
おそらく永夢の頭をかすめただろうし、
もし小姫ちゃんの復活が約束されるならば飛彩ですら、立ち止まるだろう。

「絶対に・・・」と言って口を閉じた彼の表情からは、
ありえない、ありえないけれど、もしそれが本当だとしたら・・・という逡巡を読み取れそうな気もした。
常に正しい道を歩き続ける彼ですら、そのためには、悪魔に魂を売るかもしれない。

ラブリカ。
天ヶ崎社長の声が変わるのは何だろうと思ってましたが、
完全に人間になりすましている時は普通の声で、
バグスターとしての本性を見せるときは、元の声(吹き替え)になるって感じですね。

「僕はラブリカ! ときめきクライシスは自分を魅力的にアピールし
 異性からの好感度をあげてハートを射止めるゲーム」


ときメモだろ!?(思っててもそれは言わないお約束)
でも、だとしたら具現化したバグスターは藤崎詩織のような、優等生お嬢様キャラであるべきでは?
プレイヤーはステータスを上げまくって、相手をときめかせ、口説き落とすことができればゲームクリアだし、
ぶっちゃけ、今回の大我は完全にラブリカを攻略できてたはず。なぜ効かない!?

暴力を嫌うラブリカには物理攻撃がまったく効かず、
ニコちゃんの罵倒だけがヒットしてたんですが、
なんだろうなぁ、悪口言えば良いってわけじゃないよね? 乙女ゲー? 女性にしか倒せないのか?
(いや、それではクロニクルに参加してる男性プレイヤーにはクリアできない)
(そもそもラブリカはクロニクルのボスキャラじゃないのか?)

ニコちゃんにダメージ受けたあとの、復帰するまでのバグってる感じがとても良かったです。
想定外のイベントを処理するまでにタイムラグがあるとことか、さすがはデータだよなっていう。

ともあれ。今回はニヤニヤ回だった。
永夢がいいとこなしのダメダメだったのも楽しかった。
もしかして、これはギャグ回カウント?

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仮面ライダーエグゼイド 第26話「生存を賭けたplayers」

2017-04-09 23:00:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
「仮面ライダークロニクル」は大ヒット。しかしプレイヤーの身の危険を案じた衛生省は、ゲームの回収と使用禁止を通達する。永夢らはCR待機を命じられるが、ゲーム病患者のテンマは自分の身は自分で治すと言い放ち、永夢の制止を聞かずCRを飛び出してしまう。テンマを止めようとする永夢。そこへポッピーピポパポが現れ仮面ライダーポッピーに変身し、エグゼイドに襲い掛かる!


「悔しいけど、僕一人の力じゃ、全ての命は救えない。
 それでも戦う!一人でも多く、目の前の患者を救うために
 一人でも多く、笑顔を取り戻すために」


初期の頃とは別人のような、力強い目で誓う永夢。

「バグスターをぶっ潰すのは俺たちだ」
「目の前の命を救う、そのために、俺たちはいるんだ」


「ライダーは俺一人でいい」「他人の力などノーサンキューだ」と言い放っていた天才達が
今は迷いなく「俺たち」と断言する。
そんな彼らの決意表明の背景で、日向審議官が胸を張って叫ぶ。

「しかし、諦めることはありません!
 我々にはゲーム病と戦う、優秀なドクター達がついています!」


これが、これこそが「仮面ライダーエグゼイド」ですよ。むーちゃーくーちゃーかっけぇ!!!!!

という訳で。なんかもう、なんかもうこのシーンだけでエグゼイドの全てを語り尽くした感があります。
いやもう本当に、これって46話くらいで見るようなシーンですよ。
47−48話でラスボス倒して最終回っていう感じの。もう!本当に!素晴らしい!!!

と、このシーンだけで200点な今回でしたが、
当然他にも語りたいシーンはあったわけで。羅列。

「患者は俺たちドクターを信じない」

前回、「これはもはや、オペじゃない!」と叫んで早々に戦線離脱し、
今回も衛生省の指示を受けてCRで待機している飛彩。
この飛彩の姿勢は、14話、患者への執刀を望む永夢への、彼の返答を彷彿とさせます。

「患者がオペを望んでいないのに、
 ドクターが勝手にオペの是非を判断するなどありえない」


それがドクターとしての常識的な判断だと思うし、
患者の考えを無視して一方的に走り出す永夢こそ、研修医らしい短絡思考なわけですよ。

だからこそ、その短絡的なまでにまっすぐな思考に、
自らのドクターとしての経験や常識を揺らがされた結果、
そういったもの全てを放り投げて、自分なりのドクターとしての在り方を貫く決意をした
飛彩さんすげぇ、すげぇ!!!ってなりました。

ポッピーピポパポ。
いや初見から「なんだこの変な名前」とか思ってたんですが、
こうやって堂々と敵キャラになると、みんなが真面目な顔してフルネームで呼ぶのが
シリアスなシーンだから余計笑えてくるし、
いや笑っちゃいけないんだけど、すごくニヤニヤしてる。シリアスなシーンなのに。

さて彼女は「洗脳されて敵に回っただけで、本当はCRの仲間だよね!!!」と強く信じていたのですが。

「無駄だって。彼女のセーブデータ、つまり記憶はリセットされてるからな。
 あいつがお前らCRに協力してたのも、データ収集のためにゲンムがプログラムした一時的な役割にすぎない。
 仮面ライダークロニクルが完成したいま、ポッピーピポパポは、バグスターとして本来の姿に戻る」


あぁ!あぁ、だからバグスターなのに衛生省で働いていたのか!
音ゲーキャラだし、おそらく遊んで暮らすキリギリスキャラであるはずの彼女が
スーツに身を包んで衛生省の職員なんて似合わないことやってたのは、プログラムのせいだったのか!
って、今になってガッテンガッテンしてます。ですよねー!

んで。リセットされちゃったのか。
あぁもう、どっちがポッピーの本性とかいう問題じゃなかったよ。消されちゃってるよ。
・・・とは言え、いずれCRのポッピーに戻る展開に強く期待してる。
さらに付け加えると、「戻った直後に死ぬ(消える)」展開は心がもたないので、
お願いですからそれだけはやめてください(真顔)

「仮面ライダーはレアキャラなんだから、プレイヤーと戦わなきゃ、だめでしょ?」

この「だめでしょ?」の言い方が好き。ここはポッピーとも明日那とも違う、知らないキャラな言い方。
って、初期化されてるから「知らないキャラ」なんだよな・・・。

「退場」を宣告したので強制退場を執行できるのかと思ったんですが、
そこまでの権限はないらしい。ポッピーも所詮はプレイヤーの一人っつーことで。
あれ?仮面ライダークロニクルにもゲームマスターって存在する・・・んだよね?
パラドってことで良いのかな? 現状、ゲームをコントロールしてるのはパラドだし。

ポッピーは音ゲーキャラなので、ドレミファビート的なポップな攻撃してくるのかなと楽しみにしてましたが、
意外と普通に格闘系だった。
つか、ポッピーの使うガシャット「ときめきクライシス」は恋愛ゲーム(ときメモ)だなんですね。
いや恋愛ゲームで格闘してくるのもどうかって話ですけど。

クリティカルクルセイド。クルセイドと言えば十字軍の意味だそうですが(いまググった)
画面上の表記は「crews aid」なんだよね。仲間を助ける、みたいな意味? バグスターのサポート?
エグゼイド(Ex−aid)に似てるんですが、そこは深読みしなくても良いのかな。

ライドプレイヤー達。
パラドが仮面ライダークロニクルの世界を横取りしたせいで、仮面ライダーになれなかった彼らですが、
「プレイヤー募集」「みんなで一緒に戦おう」「自分の身体は自分で治すしかない」と、
自分達の命を、存在を守るために考え、決意し、行動する。
テンマの呼びかけに集まったプレイヤー達が、無言のままお互いに視線を交わして頷きあい、
変身してプレイエリア向かって走り出す、その姿は、
奇しくも黎斗が作ろうとしていた「仮面ライダークロニクル」そのものじゃないかと。

自分の力量も知らず、虫ケラ同然に潰されて消えゆく運命だと気づかぬまま、敵に立ち向かうその姿は
死に急ぐだけの愚かな存在だとパラドは嘲笑うだろうけれど。
あの、坂を駆け上がって敵に挑む姿の格好良すぎる描写は、まさしくヒーローのものであったし、
黎斗に見せたかったなと思うのでした。人間は、強い。

グラファイト。

「仮面ライダークロニクルを攻略してみせろ、俺のレベルまで勝ち上がってこい。
 そのとき、俺と勝負だ」


仮面ライダークロニクルを「プレイする」という発想がなかったところへの、
まさかの「参戦の誘い」ですよ。仮面ライダーもプレイヤーになれるのか。
(いや本来はそうだったんですけども)

ということはなんだ、今後は大我もボスを倒す方向で、ゲームに参加するのか。

「仮面ライダークロニクルは、俺が攻略する」

飛彩だけに敢えての宣言。
大我ひとりで決着をつけるつもりなんだろうな。少なくとも、飛彩は巻き込まずに。
だがしかし、そういう展開もグラファイト(というよりパラド)の計画のうちって感じがあるので
飛彩が気づいたときには既に大我は・・・とかいう不吉な予感しかしません。

パラド。

「お前やっぱ最高だな、M」

意味ありげに動く、パラドの口元。
あぁ、パラドは永夢の分身じゃねーの?とずっと思ってきましたが、
そうじゃなくて、むしろ、高校生時代の永夢が2年連続で優勝した大会の、
あのアクションゲームから生まれたバグスターかもしれない。

永夢のゲーム画面上の分身として、彼と共に戦い、無敵の王者の座を勝ち取った
そのキャラクターが、パラドなのかもしれないよね。(言うだけならなんでもあり)

さて。今回も戦闘シーンよかったですね。
とくに、ブレイブの攻撃でスライド前進してたのとか(どうやって撮ったんだ)
スナイプのクリティカルストライク、反動で思いっきり後ろに滑るのとか、すごかった。

あとレベルマックス、脱皮できるんですね、ダブル攻撃可能なんですね。無人で動くの怖いよ。
目からビームが出てる。あの、「僕の考えた必殺技コンテスト」のアレですよね!



うちにもあった。まさか本当に実装されるとは(笑)

レベルマックスのリプログラミング。あれならばゲーム病患者を一撃で治したり
バグスターを一撃で消去したりできるものだと思ってましたが、どうやら違うっぽいなぁ。
いまいち能力がわからない。

「レアキャラ扱いされている俺たち仮面ライダーが現場に行けば、
 プレイヤーの射幸心を煽るだけだ」


射幸心! 字幕付きで見てるからわかったけど、ナシだったら「シャコウシン?」ってなってたと思う(苦笑)
これに限らず、今回は「リコール」という単語も当然のように説明なしで使われていました。
エグゼイドで幼児向けに用語説明があったのは「レベルフィフティ?」「あ?50だよ」くらいじゃないかな。

うちには仮面ライダーのメイン顧客であろう小1&年中男児がいるんですが(進級しました)
考えてみれば彼らは、射幸心やリコールどころか、内科、外科、緊急搬送、CR、ストレスなどの意味を
おそらく正確には理解できてないと思う。「研修医」にいたっては悪口の一つだと認識していたし(笑)

つまるところ、幼児にとって100%理解できる番組なんて、アンパンマンかEテレの幼児番組程度じゃないかな?
「リコールという言葉を使うなら、意味を説明しないと」なんて思うのは大人の考えであって、
彼らには、ストレスもリコールも「意味わかんないけどなんか大変そう」程度の言葉なんですよ。

「ちっちゃい子でも、人間ドラマはけっこうわかるんですよ。
 両親の複雑な感情を読んでたりするので、こいつは危ないやつというのは伝わると思ってるんです。
 子供を無視しようとか、大人扱いしたものを作ろうという気持ちはなくて、
 子供の理解力はこれくらいだろうと想定した作り方ですかね」


というのは龍騎について語った靖子にゃんの言葉ですが(「語れ!平成仮面ライダー」より引用)
やっぱりそういう平成1期(それも前半)の思想を強く受け継いでる印象はあります。

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仮面ライダーエグゼイド 第25話「New game起動!」

2017-04-04 17:00:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
新作ゲーム「仮面ライダークロニクル」が幻夢コーポレーションから発売され、一般の人々がライドプレイヤーという戦士に変身しバグスターと戦い始めた。しかしゲームに参加したプレイヤーはゲーム病を発症、永夢らは対応に追われる。仮面ライダーを倒せば、ゲーム攻略に役立つレアアイテムがゲットできると説明を受けたライドプレイヤーたちは、エグゼイドらを倒そうと向かってきて・・・。


「オープニングがある・・・だと!?」と冒頭から衝撃を受ける25話。
まぁいま春映画やってるからね、告知映像とか流さないとね、とか思ってたら
ビタイチ!ビタイチ流さないんですね!
まぁ春映画の告知やるんだったら、先週からだよね。

そんな感じで、唐突に始まる一般人同士のバトル風景と
久しぶりに流れるOPから、驚愕の新章スタートです。

いままで「病気を治して患者の笑顔を取り戻す」ために働いてきた永夢の前に
続々と現れる新しいゲーム病患者達。
ゲーム病の危険も知らず、みずからバグスターウィルスにその身を晒し
永夢から差し出される治療の手を軽く払いのける。

「ゲームクリアすりゃいいってことっすよね?
 大丈夫ですよ、俺、ゲーム得意なんで」


そして次々に起動される仮面ライダークロニクル。
響く起動音は「Enter the GAME , Riding the END」、まさしく死の宣告。

いや、でもプレイする人たちの気持ち、よくわかるんですよね。
有名メーカーが自信を持って送り出したゲームとか、プレイしてみたいし。
それが例えばスマホアプリだったら、説明の文章なんて適当に読み飛ばして
ダウンロードできたらすぐ起動するし。
「このゲームどうやってプレイすんだよ、チュートリアルとかねぇのかよ」って言っちゃうし。

もう、知らないアプリを気軽に実行できないよ。
ネットの世界にはウィルスとかマジに存在するしな。

「このゲームは、プレイヤーがライドプレイヤーと呼ばれるヒーローにへんしんして
 現実の世界でバグスターと戦うゲーム!
 バグスターは初級から上級まで、ぜんぶで13体。
 全部のバグスターを倒して、ゲームクリアの証を集めると
 この世界に存在する究極のバグスター、つまり、ラスボスへの扉が開かれる!
 ヒーローになるのは、君だ!」


耳慣れた感じの、よくあるゲーム説明。
でも実際にプレイしている人たちの様子を見ると、なんか微妙な違和感が。
こういう多人数参加型オンラインゲームはプレイしたことないんですけど、
とにかくプレイヤーが雑魚すぎる。敵を倒せる感じが全くしない。

そこへ現れたパラドの言葉で、違和感の正体がはっきりします。

「仮面ライダークロニクルは人間がバグスターを攻略するゲームじゃない、
 バグスターが人間を攻略して、人類を滅亡させるゲームだ。
 たっぷり味わえよ、ゲームで攻略される側の気分をな」


なんか、存在が透明っていうか、ピュアできれいだよなって思いますパラド。
そして「ゲームを楽しんでるかい?M」と呼びかける言い方は、
同じバグスター仲間に向けたような印象が。

初級の攻略相手であろうソルティーにすら
たいしたダメージを与えることができないライドプレイヤー。
(おそらくなんらかの形でレベルアップして能力強化できる設定だと思いますが)
もし一度倒せたとしても、次はよりレベルアップした状態でフィールドに現れる。

対するライドプレイヤーは、HPがなくなったら即消滅。コンティニュー不可。
ゲームが進行するに従い、おそらくライドプレイヤーとバグスターの力の差はひらく一方で
ラスボスまでたどり着けるものが果たして現れるかどうか。

かと言って。一度スタートボタンを押せばゲーム病が発症してしまうため、
プレイせず放置していても、いずれ消滅は免れない。
もはや「戦って消滅するか、戦わずに消滅するか」の二択しか残されていない状況。

「戦わなければ生き残れない」でお馴染み、龍騎の設定を彷彿とさせますが、
あちらは、それでも「命を賭けても叶えたい願いがある」という13名だけが選ばれ、
「プレイヤー同士で殺し合うゲームだ」ということが、事前に告知されていた。
しかしクロニクルはゲーム参加の敷居がグッと下げられ、ガシャットさえあれば誰でも参加できるし
命の危険については一言も知らされてないわけですから。これはタチが悪い。

さらに。

「ゲームのフィールド内にはバグスターのほかに
 レアキャラの仮面ライダーも出現するよ!
 仮面ライダーはゲームの攻略に役立つゲーマドライバーやガシャット、
 それにガシャコンウェポンを隠し持っているよ!
 見つけ次第ぶっ倒して、レアアイテムをゲットしよう!」


という形で、永夢たち仮面ライダーの介入を妨害する極悪設定。極悪。うまいな。
プレイヤーを救いたいという永夢たちの行動が、ここでは邪魔扱いされ
見つけ次第最優先で攻撃すべき対象と認識されているうえに、
永夢たちからは、プレイヤーを攻撃すること=患者を消滅させること、であり
文字通り、手も足も出せない状態。

「これはもはや、オペじゃない!」

とっさに戦場を離脱した飛彩はさすがの判断です。
このあたり、「治療を希望しない患者を放置することの是非」と言った
倫理的な問題も出てきそうな気配。

さて仮面ライダークロニクル。開発者である黎斗は
「人間は誰しもヒーローである、そのことを思い出し、強く生きて欲しい」
という願いを込めていた。つまり、そもそも人類のために作られたものであったはず。
(演者である岩永さんのブログ参照)
そして「全ての人間が仮面ライダーになって戦うゲーム」であったはずなのに、
今のクロニクルでは「仮面ライダーはレアキャラ」であって、
ライドプレイヤーは仮面ライダーではない、んですよね。

黎斗がテストプレイヤーとして設定した仮面ライダー(エグゼイド達)は
それなりの装備があり、黎斗の用意した公式設定でもレベル5までの進化は用意されていたのに、
それはクロニクルのプレイヤーには適用されないとか。
これでは黎斗も浮かばれない・・・。

「パラド、このゲームを奪うために、ゲンムを殺したのか?」
「そういうこと」


だがしかし、このセリフは

「ゲームだと・・・? 人の命を危険にさらすゲームだなんて、
 そんなことのために貴利矢さんを犠牲にしたのか!?」
「フッ、多少の犠牲はやむを得ないさ」


という21話の黎斗自身のセリフの繰り返しであり
うん・・・自業自得感がな・・・。

このように、黎斗が作りたかったもの、パラドが作ったものは目的が全然違うんですが、
パラドが最初からこれを目指していたのかと言うと・・・どうなんだろう。
ジュージューバーガーの一件(17話)で決別してからは、明らかに黎斗と目指すところを違えた感じですが、
それまでは、黎斗が作ろうとするものを素直に応援してたんじゃないかな?と思う。
黎斗がもし純粋にゲームを愛し、ゲームキャラを愛していたら
人間に倒される敵キャラとして、喜んでその生き方を全うしてたんじゃないかな。

ところで、このゲームに設定されている「13体のバグスター」と「ラスボス」は誰なんだろう。
既存キャラでその枠が埋まるとすれば、
黎斗の用意した10体のバグスター+パラド、天ヶ崎恋、バガモン、かな。

バガモンがフィールドに出てくるなら、この殺伐とした設定でも
なんかこう、心温まるハートウォーミング系の展開が期待できるんじゃないか?
意外と!意外とバガモンがキーパーソンだったりするかもよ!? ネタキャラだと思ってたけど!

ラスボスはゲンムかも? バクヴァイザーにデータ取られてたし。
ラスボスが死なないゾンビとか、えげつない設定だよね!やりそうだよね!
でも、第2クールで倒した敵が最後に再び現れるとか、素晴らしく美しい構造だよなと。
最後に「黎斗さんの笑顔が取り戻せた・・・」とか、想像するだけで涙が出てきます。

今後の展望。とりあえす、永夢はマキシマムマイティで
リプログラミングかけまくるべきだと思った。
まぁウィルス浄化したところで、プレイヤーはまたスタートボタン押すだろうし
いたちごっこになるけれど

現場はそれでプレイヤーの消滅をしのぎつつ、
その間に、衛生省から幻夢コーポレーションに販売停止と回収の命令。
各メディアを通してクロニクルの危険と警告を報道すれば
多少は被害が緩和されると思う。

それでも(そのことで一層)プレイ希望者が続出して
闇でガシャットか流通して、より人気が出ちゃう可能性もあるけど、
それはもう自己責任って言うか、現時点でそこまで救いきれない。
少なくとも、命の危険に知らずにプレイしちゃう被害者だけでも止めたい。

リプログラミングのシステムは、例えば医療機器なんかに転用できないんですかね?
エグゼイド一人では処理できる人数に限界があるけど、
リプログラミングを誰にでも使えるシステムとして多くの病院に設置できれば、
事態を解決させるのは、そう困難でもない気がします。

しかし一方。
「人類を滅亡させるのが目的」というからには、おそらくこれは第一段階に過ぎず
パラドも次のシナリオは準備してるはず。怖いな。

その他感想。

エグゼイドでは敵ボスキャラが基本10形態なんですけど、
それはそれで、使いまわしてる感もなく、愛着も出てくるあたり、うまい使い方してますよね。

オープニングでニコちゃんがライドプレイヤーに変身してる件。
あれは、一般人が変身するよ~という意味合いととらえたい。
ニコちゃんが、少なくとも自らライドプレイヤーにはならないよね? ね?(願望)(切望)

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