気侭に

その時々で気の向くままに

人間万事塞翁が馬

2017年09月02日 | 雑記

 

 

 GATAGフリー画像・写真素材集より


人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)

 

 この諺は、私が人生訓の一つとしているもので、中国前漢の武帝の頃に淮南王劉安が学者を集めて編纂させた『淮南子(えなんじ)』という思想書に記された一節です。

 

 

 昔、辺僑の塞(とりで)近くに住む占いの得意な翁が住んでいました。

 ある日、その翁の馬が北の地へ逃げてしまったので、周りの人々は翁を慰めました。しかし翁は「これが良い事に繋がるかもしれない」と言ったのです。

  それから数ヶ月経ったある日、何とその馬が戻ってきたのです。それも素晴らしい名馬と一緒に。周りの人々は口々に翁に祝いの言葉をかけてあげました。ところが翁は「いや、このことが禍になるやもしれぬ」と言いました。

  翁の家では次々に名馬が誕生し、翁の息子も乗馬の名手となりました。しかしある日、息子は落馬をして足を骨折する重傷を負ってしまったのです。周りの人々がお見舞いに行くと翁は「いや、こうなってしまったことが良い結果をもたらすかもしれない」と言いました。

  それから1年経った頃に戦が始まり、周りの殆どの若者たちが死んでしまいました。ところが、足が不自由になっていた息子は兵役に出ることもなかったので、命を失わずに済んだのでした。

 

 

 人は目前に起きたことに対してつい一喜一憂してしまいがちですが、人の人生は予測がつかないものです。

 大学受験に失敗すると殆どの人は落ち込むことでしょうが、そのお陰で翌年自分の人生に大きな影響を与えてくれる人とのめぐり逢いがあるかもしれませんし、自分の希望通りにならなかったといっても、それが不幸とは限らないものです。

 逆に、子どもの頃から成績が良く、一流大学を卒業して一流企業へ入社することができ、更にビジネス最前線での勤務に選出されたとしても、それが結果的に不幸に結びつくこともあります。例えば、9.11では貿易センタービル内の支店に勤めていた多くのエリートたちが一瞬のうちに命を失ってしまいましたし。

 このように、人生は希望通りに進むわけではありません。辛いことがあったとしても落ち込むことなくポジティヴに進んで行き、嬉しいことがあったとしても、油断することなく客観的に情況を見極める冷静さが、結果的に幸福をもたらしてくれるように感じます。

 

 

 



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