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2019.5.5 『1,237m峰』  GW山旅④-③

 GWの山旅3日目は、

あらかじめ予定を立ててはいなかったのだが、

2日目に登った『御茶々岳』から見た『布部岳』の、

北側にそびえる『1,271m峰』がやけに存在感を誇って見えたので、

これに登ることに決めた。

この山は何度か登った『布部岳』の登路で、

いつも横目に見て登りたいと思っていた。

ただ、『布部岳』の往復だけで余裕がなく、

ただただスルーしてきたものだ。

 

 5日の朝6時50分、

車中泊をした富良野市の四線川河岸駐車地をスタートした。

この四線川には『富良野西岳』への旧道が刻まれている。

しばらく古い林道を歩くのだが、

以前立派だった林道は随分荒れ果てていた。

やがて林道から新富良野スキー場に出る。

広いスキー場はやはり好きな景色だ。

それが晴天となると広さに加え、

美しさも際立つ風景となる。

しかしだ、身体が辛い。

前日の『御茶々岳』の疲労がたっぷりと残っている。

急斜面に積もった新雪が融けだし、

アイゼンを装着した足元をズルズルと滑らせた。

これが効いたようだ。

念の為に「アミノバイタル」を服用してスタートしたのだが、

スキー場の登りでは何の役にも立っていないように感じた。

ところが、いつも飲んでいるスポーツドリンクを飲んだところ、

みるみる辛さが消えていった。

もうスキー場も最上部のリフト下を登る頃だったが、

内心ホッとした。

それまでは辛さの中で「北の峰でやめるかな?」、

などと考えながらゆっくり足を踏み出していた。

 

 9時ちょうど、最上部のリフト終点。

ゆっくり休んだあとは、

『富良野西岳』への夏道に沿って尾根を歩く。

この尾根歩きがまた風景良しで、歩くのが楽しい。

そして二日続けての快晴の上、

空気が澄んでいるので遠くの山々がはっきりと見える。

西の増毛山地、南には『幌尻岳』を中心とした北日高の山々。

もちろん十勝連峰や表大雪の山々が、

はっきり見えるのは言うまでもない。

 

 夏道を外して『布部岳』方面に進路を変えた時だった。

Hiromiが「やっぱり行くの? 体力に自信ないなあ」などと言い出した。

これはこれは珍しい。

私が体力面で弱音を吐くことはあっても、

Hiromiがそんなことを口にすることはめったにない。

そんなHiromiが口にしたのだから見逃せない。

予定を中止し、もう目の前に迫った『1,237m峰』を最終目的とすることにした。

この山だってなかなか存在感がある。

北から眺めると、『富良野西岳』の西側に連なる鋭角なピークだ。

私はずいぶん前だが一度このピークに登ったことがあった。

 

 10時15分、『1,237m峰』。

樹木がない頂上からは360度の展望を楽しめる。

この日予定していたなだらかな山容の『1,271m峰』が、

すぐ南側に見える。

Hiromiが「途中でやめてAmigoさん後悔しないだろうか?」と、

気遣っていたが、身の丈にあった山登りを志す私。

その時の天候や体調を重視して判断するのは当然のこと。

なぁんてねぇ、そう言えば聞こえはいいが、

Hiromiが不調の時に大事にしておかないと、

こっちが不調の時に困るからねえ。

そうでなくても不調の時がだんだん増えてきて、

いつかHiromiに殺されるんじゃないかと・・・

頂上で早い昼食のあとは、

四線川の源流部を目指して下る。

沢沿いに駐車地まで下ることにした。

渡渉箇所が何度か現れるのは承知の上。

もう下るだけだから靴中を濡らしても構わない。

まだ雪で覆われた沢を下って、

夏道の「鉱山跡」付近になると沢が開けだした。

 

雪のついた右岸、左岸と渡渉を繰り返す。

下るほどに水量が増して渡渉が難しくなる。

Hiromiに「ここ走って渡れるか?」、

「うん、何とか・・・」。

そして左岸にはっきり夏道が見て取れる最後の渡渉では、

水量、水流がHiromiの走力に勝り、

とうとう靴中に水を入れてしまった。

まあ、それも良い経験だろう。

結果、Hiromiも「ああ、面白かった!」とポツリ。

 

 12時50分、駐車地。

世の中の10連休最終日は交通渋滞が予想されるので、

この後夕張まで戻ることにして新ハイエースを走らせた。

新しいハイエースは静かでいいわあ~

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