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2015.8.15 『鋸岳』(約1,980m)



 盆休み三日目の朝は白金温泉近くで目覚めた。
辺りは真っ白で、濃いガスに覆われていた。



そんなときは高所に登るとガスを突き抜け、雲海を楽しめる可能性がある。
そしてその予感は的中した。



 7時20分、望岳台をスタート。
『美瑛岳』~『十勝岳』を回るつもりだった。



ところがこの日も途中で変更。
Amigo登山は常に状況判断から「変更」の連続だ。



この日の変更も、正午を堺にしての豪雨の懸念からだ。
標高が1,000mを超えても空気が温かく、湿気を含んでいる。



そんなときは必ず大気の状態が不安定となり、午後山沿いを中心に土砂降りとなる。
今回は前二日間でそれをはっきりと体験した。



 「雲の平」の長いトラバースを過ぎて「ポンピ沢」へ。
ここで登山道を離れ、ショートカットをするために、上流の「ポンピ渓谷」に向かった。



沢の水量は少なく、登山靴を濡らさずにポンポン進めるところではあるのだが、Hiromiがなかなか手こずる。
まず入渓地点で簡単な藪こぎができず、沢に下りられない。



「登山道まで戻って迂回してこい」と言ってやると、その後音沙汰がない。
どうしたものかと藪を漕いで様子を見に行くと姿がない。



「Hiromi!」の声がけに、遠くから返事が聞こえてくる。
首をかしげながら登山道に出ると、もう帰ってしまうのか? と思えるくらい遠くまで戻っていってしまっていた。



なんとも頼りない限りだ。
入渓してからも簡単な渡渉をリズムよくこなしてはいけず、テンポが上がらない。



根本的な運動神経の問題が絡むので、無理なことは言えないが。



 「ポンピ渓谷」は美しい。
林立する巨岩の奥に緑が広がる。



この風景にはHiromiも感動だ。
そして源頭から広い稜線に向かって一歩一歩高度を稼ぐ。



その最終段階は火山灰地で蟻地獄のようにぬかるみ、一歩一歩がきつく数歩登っては呼吸を整える。
しかしそう長くは続かず『十勝岳』と『美瑛岳』の間の広い稜線に飛び出す。



あとは登山道を『十勝岳』に向かって進む。
そして『鋸岳』に到着し、そのピークに立って『十勝岳』に目をやってまた気持ちが変わった。



大勢目に映る人影。
前日の『白雲岳』でけっこうな人に出会っているので、今日は勘弁、勘弁と言ったところだ。



まあ、「日本100名山」の山なのだから仕方ないが。
『鋸岳』からそのまま火口源を下ることにした。



深い火山灰地は柔らかく、下半身に優しい。
思いっきり走って下りられる。



火口の底まで走ったHiromiが、「これをしてみたかったんです!」
その時になって聞いたのだが、Hiromiは前夜の車中泊で「火山灰地を走って下ってみたい」と言っていたのだそうだ。



他人事のように言ってしまう私だが、私にはそれを聞いた記憶がない。
まあ、楽しめたんだからいいさあ・・・



 下りきったところで昼食とし、その後登山道に戻って下山した。
午後1時、望岳台着。



この日は雨に当たらずに済んだが、車を走らせラジオに耳を傾けると、前日の上川町にまた「土砂災害警戒警報」が発令された。
十勝連峰に移動してよかったぁ・・・



 十勝連峰『鋸岳』と言って即座にその山をイメージできる人は、かなりの熟達者と思われる。
国土地理院の地形図にもこの山の名はない。



従って標高はあくまでも等高線から拾ってこと。
表大雪にも同盟の山がある。



『北鎮岳』』から『比布岳』に向かう際、登山道の北側にはっきりそののこぎり型の形状を見て取れる山がある。
それが『鋸岳』(2,142m)であり、登山道から簡単に登れる。

 下山後夕張に向かって車を走らせた。


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