つれづれすけっち

ワタシらしく。 ワタシなりに。

「ジャージの二人」 鑑賞記(その2)

2008-08-31 22:20:38 | 堺雅人さん
その1からの続きです。

父の鮎川誠さん。
ロックバンド「シーナ&ロケッツ」のギターリストで、
俳優が本業ではない方ですが、以前にもドラマ出演をされているようです。
不思議な雰囲気で訥々と話すさまは、なんとも言えませんね。
巧いのか、下手なのか、そのギリギリのところをいっている感じでした。
堺さんがとてもいい演技をされているので、
その演技の受け手(父)が違う俳優さんだったら、
また違う味が出ていたんじゃないかなぁ、と思ってしまいます。
悪いわけではないんですが、
この映画はそういう演技のできる二人が水面下でやりとりするところを
見せる必要があると思うので、父親役のキャスティングに関しては
ちょっと残念な気もします。
鮎川さんがダメ!と言っているわけではないんです。
雰囲気に味がある稀有な方だと思うので。

この映画を観ていて、私たちっていつの間にか
「携帯」なくしては生きていけなくなってるんだな、とつくづく思いました。
もう、依存症と言ってもいいぐらい。
ちょっと悲しいですね。
電話ではダメなんですね。山荘に電話はあるけれど、
固定電話は携帯の代わりにならないんです。

息子は唯一アンテナが3本入る穴場を知り、何度か足を運ぶんです。
妻からの電話やメールを受けるために。
既に心が離れてしまっているのに、どうして?と思うのですが、
きっと3本アンテナ=かろうじて残っている唯一の「絆」なんでしょうね。
だから、妻とアンテナスポット付近を歩いても
あえて「アンテナが3本立つ唯一の場所」であることを教えないんですね。
妻と浮気相手との「絆」を断ち切りたいから。

面と向かうと分かり合えなくて、というか
分かり合おうとせず、非常に希薄な関係なのに
携帯の電波だけでもつながっていたいと思うのは矛盾してるようですが、
これは現代の私たちの人間関係そのものですよね。

何もない日常の裏には、色んな気持ちが渦巻いている。
この映画ではそれをセリフで表現するのではなく、セリフ以外のもので
描こうとしていたところが、とても面白く感じたし
深いなぁと思いました。
でも、万人受けする映画ではないかな・・・と。

土曜日のお昼に観に行きましたが、思った以上に空席がありましたね。
ちょっと残念。
一人で観に行ったので、同じような方が何人かいて、正直ホッとしました。
土日は友人&カップル連ればかりかと思っていたので。
リピーターと思われる方もいました。
来週末から上映時間が朝1回のみになってしまうようです。
ちょっと早くないですか?
集客状況にもよるでしょうから、仕方がないことかもしれません。
東京ではかなり観客動員数稼いでいると聞いていたのですが、
もしかすると関西人にはウケないのかな??

まだの方はお早めに!!

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