つれづれすけっち

ワタシらしく。 ワタシなりに。

「ジャージの二人」 鑑賞記(その1)

2008-08-30 20:39:27 | 堺雅人さん
ようやく観てまいりました!
なかなかスケジュールが合わなくて、気が付けば大阪公開日から
すでに2週間が経っておりました・・・

感想はですね。
なんかこう・・・言葉では言い表せない感じですね。
「感動した」とか「何かを学んだ」という感想を述べる種類の
映画とは一線を画しているのです。

内容は、ただ北軽井沢の山荘での日々を淡々と描いているだけなんです。
「北軽井沢」といっても田舎だし、山荘といっても豪華な別荘という
イメージからはかけ離れた、ジメジメとして虫が多発する家で、
美化することもなく、かといって卑下(?)するわけでもなく
現実を現実のまんま描いている作品なんです。

山荘での日々を淡々と過ごしている不思議な父子を
デフォルメすることなく、ありのまま描いているので
表面的に観ると、少し退屈な映画かもしれません。

でも、淡々と過ごしている父子の内面には
それぞれの悩みや苦しみがあるんですね。
それは、特殊なことではなく、私たちが胸のうちの持っている
一般的な悩みなんです。
私にも、悩みはいっぱいあります。
私だけでなく、みんなそれぞれに。
でも、だからと言ってその悩みが表面上に出てくることって
それほどないですよね。
(たまには悲壮感漂う・・・なんてこともあるかもしれませんが)
大体は悩みを内に秘めながらも、普通に暮らし、仕事し、そして笑いあう。

「ジャージの二人」での父子のたたずまいは、まさにこれなのです。
それぞれ普通に暮らしているんだけれど、内面では悩みや葛藤が渦巻いている。
それをありのままに描こうとすると、こうなるんですね。

堺雅人さんの抑えのきいた演技。すばらしいです。
あれだけニュートラルな演技をしながら、心の中に渦巻く葛藤を
影のようにまとえるのは、堺さんの演技力あってこそですね。
表面上は元気にしているけれども、
ふとすると妻のことを考えているところは観ていて切なくなりましたね。
唯一携帯の電波が入るスポットで、「掛けなおすから」と言われた
妻からの電話を延々と待っているところなんて、もう・・・
それほど感情をださない息子なのですが、
ふとした瞬間に「怒」の感情をあらわにするシーンは
普段がおとなしいだけに、ビックリしてしまいました。
ズンズン歩きながら怒りをあらわにしたり、妻が組んできた腕を
振り払うところなど。
でも、妻の携帯を勝手に見たり、手帳を探ったりするのは
絶対やっちゃいけないことでしょう!
だから浮気されるんですね、きっと。
いや、奥さんにとっては浮気じゃなくて本気なんでしょうね。

その2へ続きます。

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