つれづれすけっち

ワタシらしく。 ワタシなりに。

ゲキ×シネ「SHIROH」鑑賞記

2005-11-22 22:53:47 | 感激!観劇!
11月21日 梅田ブルク7 19:10~
まず、言わせて欲しい。
ゲキ×シネ「SHIROH」最高!!!
舞台は生が命なんだからそれが映像になったものって面白いの?映像になった時点で魅力は半減してしまうのでは?なんて心配は全く不要だ。
これは単なる舞台録画ではなく、「舞台と映画の融合体」なのだ。ゲキ×シネの素晴らしいところは、まず、生ものである舞台でしか表現できない迫力が、映画という大スクリーンを使うことでそれを(それほど)損なうことなく感じられること。そして、実際客席だと限られた固定位置からの鑑賞になるが、様々なカメラアングルから物語を見ることが可能になること。時には最前列からキャストを見上げるように、そして後方センター付近から舞台全体を俯瞰することも、またある時は演じているキャストのすぐ横に立って見ているかのようなアングルもあって、生の鑑賞では不可能な、不思議な体験ができる。舞台映像ではタブーとされる、スローモーションや映像加工が施されているのも、この映画をより一層面白いものにしていると思う。編集により映像の流れが固定されてしまう難点があるが、それはより面白く鑑賞するための「おすすめ」だと思えば悪くないのではないか。
それと、音響の素晴らしさも忘れてはいけない。バンドの演奏と調和の取れたコーラス。迫力ある最高の音響で、家のDVDでの音声とは全くの別物だった。素晴らしい音響に+映像が2000円で楽しめるなんてすごいぞ!

オープニング、暗闇から一人出てくる頭巾姿の山田寿庵(高橋由美子さん)の姿が忘れられない。この場面を見ただけで「この映像はすごいぞ!」と思わせるものがあった。ピンと張り詰めたような重厚な雰囲気のある映像で、う~ん何と言ったらいいんだろう?舞台でもなく、単なる映画でもなく、一種のドキュメンタリーを見ているような感じ。だからごく自然にキャストの立場に立って見てしまうことができるのだ。益田四郎の立場、シローの立場、お密、そして松平伊豆守の立場・・・
大画面の映像だと、今までどれだけ最前列でも見ることが出来ないところまで見えてしまうところがまた面白い。上川隆也さんのアイライン(あんなにくっきり入れてるのね!)とか衣装についているチャック。そしてほどんどの場面を宙づりになっていたリオ(大塚ちひろさん)の表情。あんなに泣いてたんだ!とビックリ!途中、途中で登場するだけなのにあれだけ泣けるというのはすごい。あと、ラストでシローがリオにキスされて蘇るところ。アップになった大塚さんの口元に中川さんの汗がついていたから「あぁ本当にキスしてたんだぁ」とかアホなことまで考えてしまった・・・

今回は前から4列目のほぼど真ん中での鑑賞だった。かなり前は観づらいのでは?と思ったが、座席の傾き具合が最高でとても楽に観ることが出来た。迫力ある映像に圧倒されて、1幕はあっという間だった。2幕は、ちょっと長いなと思ったところもあったがエンディングに近づくにつれてグイグイ引き込まれていった。
1月に客席から観たのは1回だけ、しかも3階席からだったから舞台が遠くて細かい演技がよく分からなかったし、正直なところ忘れていた部分が多かった。ただライブCDをかなりの聴きこんでいたため主要な歌は前回と違ってバッチリ。その点からするとかなり鑑賞に余裕があり、前回より何倍も楽しめた!
映画ではあるのだが、開演前、休憩、そして終演と3度も中川晃教さんのアナウンスが入って演劇のような雰囲気があり、サービス一杯なところも楽しかった。最後は拍手までしてしまった。やはりこれは映画じゃない!

興奮冷めやらぬ私は、帰宅後ついにDVDを開封!数時間前に観て来たばかりなのにまたDVDで観てしまった。内容はゲキ×シネと(ほぼ)同じようで、あの感動を再び味わったのでした。画面は小さいし、音もあまりよくなかったけど、また泣いてしまった。実は今日も休みだったので、特典映像を見たり音声解説を聞いたりして「SHIROH」浸けの1日だった。

色んなミュージカル、演劇でもこういうゲキ×シネを採用してほしい。
次は「メタルマクベス」のゲキ×シネを期待しよう!