はる日記

「人間万事塞翁が馬」

日々の出来事を綴ってます。

『翳りゆく夏』

2017-07-31 18:43:45 | テレビ・映画・本
赤井 三尋 著

内容。

「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。週刊誌のスクープ記事をきっかけに、大手新聞社が、20年前の新生児誘拐事件の再調査を開始する。社名を受けた窓際社員の梶は、犯人の周辺、被害者、当時の担当刑事や病院関係者への取材を重ね、ついに"封印された真実"をつきとめる。第49回江戸川乱歩賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)


(´・ω・`)

新生児誘拐事件に関わった人たちの、事件後20年の物語です。

終盤で誘拐事件の全容が明かされますが、早い段階でほぼほぼ想像がつきます。なので、がっつり推理小説を求めて読む方には面白くないかもしれません。

( ̄▽ ̄;)

この話、登場人物が多く、次から次へと出てきます。

それだけの人が関わった事件ということ。この方たちの事件後の人生も様々。それなのに混乱しません。

まるで舞台を観ているような。1つの場面が終わると、場面転換して次の場面という感じです。

( ・∇・)

この話は、誰を中心にして事件を見るかで、気持ちが全然違います。梶が真相に近付いていくときの気持ちが特にそうだと思います。

「子どもを誘拐され、20年前から時間が止まってしまった人たちがいるのだから、真相を明らかにしないと」と思ったり、「真相を知って傷付く人もいるはず。もういいんじゃないか」と思ってしまったり。

(。>д<)

真相が公になった後を想像すると…。

う~ん、その後が気になります。

ですが、書かれていた3年後のエピローグは蛇足です。別に書かなくても、それは想像できます。知りたいのは、そこじゃない。

(ー_ー;)

めでたし、めでたしと心の底から言えない。何とも言えない感情が渦巻き中です。

でも、こういう話、好きです。