テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

「電話で抱きしめて」 鑑賞後記

2006-02-02 | ドラマ
 前回記事の「電話で抱きしめて」で、ちょっと気になったことを2、3。
 基本的には“ネタバレ注意”ですね。

 メグに「たまには電話を切るのも必要よ。」とアドバイスしてくれたのは、映画の冒頭でメグが駐車場で車をバックしていてぶつけてしまった医者のお母さん。オヤジさんを入院させた後の、半分パニクっている気分の中での駐車場での事故で、医者は忙しいので、彼のお母さんが後日交渉にくる。
 イラン人の医者はマッソーが入院している病院に勤めていて、お母さんはメグがオヤジを見舞っている時に病室にやって来る。惚けたマッソーは人違いをして、その母親に失礼な事を言ってしまうが、その後のメグと医者の母親との会話の中で、前述のアドバイスの言葉が出る。
 この時、父親のことを謝ったメグに対して、『人騒がせな人って居るものよ。でも、お父さんもホメイニほどではないわ。』と言うのが面白かった。
 原作者にも脚本家にもイラン人はいないから、このセリフは実際に似たような経験を原作者がしたんでしょうな。NYのイラン人には、祖国の大統領のことをこんな風に言っている人もいますよと・・・。

 ポール・マッカートニーの「♪JUNK」の話。
 このメロディーが流れるのは、元妻を恋しがっている父親の心情を察知したメグが、昔の父親や家族の写真を眺めているときに流れる。“Junk”ってガラクタっていう意味ですよね。この時は、歌詞が分かればなぁって思いました。
 父親がガラクタみたいになっちまったと言うことでしょうか?
 それとも、他人にはガラクタみたいに見えるかも知れないけれど、自分にとっては大切なモノがあるっていう話なんでしょうか?
 この曲を知っている人、教えて下さい。

 DVDに落とすかどうか迷っていましたが、マッソーの遺作でもあるし、30代最後のメグ・ライアンは相変わらずキュートなんで、保存することにしました。
 メグの髪型は、あれは変形ボブっていうんですかね。後ろから見ると、「ペーパー・ムーン」の時のテータム・オニールを思い出しました。

 全体の流れが把握できた後に、早送りしながら幾つかのシーンを見直してみると、個別にはしみじみと味わい深い所もありましたね。

 母親が見舞いに来ないのを知っているメグは、元妻の事が気になってしょうがない父親にこう言う。『お母さんの住んでいる所で地震があったの。お母さんの家は玄関の作りが弱くて、丁度玄関にいる時に地震があったものだから・・・。』
 『死んだのか?』『・・・・。』
 メグをそばに寄せて、年老いた父親は耳元でこう囁く。『I Won.(勝ったぞ。)』

 それからしばらくして彼は亡くなる。映画ではその辺の繋がりについては触れてなかったが、関係ないとは言えんでしょうな。父親の元妻への苦しい想いを、次女は解き放ってあげたわけですが。

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