テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

僕が映画を2回以上観るわけ

2012-11-27 | 十瑠の見方
 映画は2回観ることにしている。DVDレンタルがあっている今の時代だけではない。40年前の十代の頃から自然とそうしていたのだ。
 映画は2本同時上映が常識の昔から、2本目を観た後には、レコードでいえばA面に当たる作品は、どうしても最初の方がおさらいしたくなって、結局最後まで観てしまうことが多かった。「風と共に去りぬ」や「アラビアのロレンス」、「ウエストサイド物語」、「屋根の上のバイオリン弾き」などの長尺モノは単独上映で、これらを観る時は正に至福の一日、朝から夕方までスクリーンを見つめ続けたわけである。

 子供の頃は映画雑誌である程度事前情報を得てから観る事が多かったが、最近は出演者や監督の情報は知っていても内容は知らずに観る事が多い。その場合、大抵は一度目よりも2度目の方が印象がよくなることが多い。作品への純粋な理解度が増すのでそういう結果になるんだと思う。
 事前情報を何も持っていない場合(又は少し持っていても)観客としては一度目の鑑賞にはストーリーの流れに対する予測や期待が生まれ、それが外れた場合の残念な思いとか、そんなアレコレが作品の印象にも影響を与えてしまう。そういうのって、作品を正確に評価するのに不必要な部分だと思うんだな。
 そういう初めて見た時の印象というのも、それぞれの作品に1回しかないものだから貴重なモノだとは思うが、やはり作品の真の評価というか、正確な把握というのは2回目以降の方が当たっていると思う。

 映画としての体を成していないような呆れた作品は2度目を観ることはないが、作り手の意図が表出しているような作品はこれからも2回以上観るだろう。
 子供の頃には映画雑誌を観ながら、映画についてアレコレ書くのが面白そうに思ったもんだが、こうして2回以上観なければ書けないならば、とてもじゃないが新作を見て次々と批評を書くなんて事は僕には出来なかったな。



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