テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ヴァーティゴ【映画用語】

2011-10-17 | 十瑠の見方

 「ジョーズ」再見記事で、なんと呼ぶのか知らない印象的なショットについて書きましたが(↓)、このたび「ヴァーティゴ(Vertigo)」というのだと知りました。

<何十年経っても忘れない、とても印象的なショットもありました。
 ブロディ署長や海洋学者フーパーの言うことを聞かない市長が無理矢理に海開きをして、最初の犠牲者が出るシーンです。

 事故が気になるブロディは非番にも関わらず砂浜で監視をしている。妻も二人の息子を連れて浜辺に来ている。大勢の海水浴客が泳いでいて、先ずは海に投げ込まれた木切れを取りに行った黒い犬が姿を消す。そして、一人で板状の浮き輪に乗っていた少年が突然襲われる。

 この少年が襲われるのを目撃したブロディの青ざめていく顔を捉えたショットが強烈でしたね。
 カメラはブロディをバスト・ショットで正面から捉えていて、事故が起こった瞬間に何故か背景だけがグ~ンと遠ざかっていく。するとカメラがブロディに寄っているわけではないのに、ズームアップしているような効果がある。観てると、ブロディの血の気が引いていってる感じがあるんですよね。(撮影:ビル・バトラー)
 このショット、珍しい手法だと思うんですが、どこか専門的な説明をしているサイトはないですかねぇ>

*

 アマゾンで買った「映画技法完全レファレンス」という本に載っていました。

 「ドリー・ズーム」とも呼ばれるらしく、ズームアウトしながらカメラを前方に移動したり、ズームインしながらカメラを後退させる手法で、いずれも画面の中央にあるフォーカスされたもの或いは人物のサイズは変わらないんです。
 目眩、混乱、恍惚、退屈、驚きなどの効果を狙って使われるとの事でした。

 因みに、【Vertigo】は、ヒッチコックの「めまい」の原題で、その他ジム・キャリー主演の「マスク」やデ・ニーロの「グッド・フェローズ」なんかにも使われているそうです。

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