テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

TVドラマ「娘の結婚」」を観る

2018-01-10 | つぶやきメモ
 8日の夜、「youは何しに日本へ」の後、チャンネルをそのままにしていたらドラマが始まった。「娘の結婚」。中井貴一が主演らしい。
 午後8時からスタートというのも珍しいなと思いながら、雰囲気が良かったのでそのまま観ていたら、その辺の映画を観るより面白かったので思い出にちょっと書いておこうと思う。

 妻が若くして亡くなった後、16年間男手一つで一人娘を育てて来た男に初めての試練がやって来る。それが「娘の結婚」。
 まさに小津の世界なんですが、それを佐田啓二の息子が主演しているというのも感慨深いですな。
 ネットで調べると2003年にも「娘の結婚」というTVドラマがあって、これは完全に「晩春」のリメイク(監督は市川崑)だったみたいですが、今回のテレQのドラマは小路 幸也(しょうじ ゆきや)という北海道の小説家による原作があるようです。

 9歳の時に母親を亡くした娘は父親と二人暮らし。父は幼い娘の為に朝食をこしらえ、学校へ送り出し、家事をやる。年頃になって働きだした娘にも、やはり朝食を作り弁当を持たせる。そんなふうに、手塩にかけて育てた娘が最近料理のレシピなんぞを聞いてくる。
 デパートの人事部に籍を置く父親は人一倍人の変化に敏感なのか、娘の変化にある予想を立てる。
 彼氏が出来たか?

 『あのね。お父さんに会ってもらいたい人がいるの』
 おずおずという感じで娘が話し出す。

 聞くと、以前亡き妻がまだ元気だった頃、親子三人で暮らしていたマンションで隣室だった家族の男の子だった。確かに娘とそんなに年の離れていない子だったが、その男の子が大きくなって娘と付き合っていたなんて・・・。
 再会は偶然だったらしい。仕事の関連で会ったら、彼だったという事。

 父親は娘には言ってなかったが、その彼の家族には一つ気掛かりなことがあった。
 マンションから今の一軒家に引っ越した後、そのマンションの住人と名乗る人物から一通の手紙が届き、そのマンションで飛び降り自殺があったこと、その原因が娘の彼の母親であるという内容だった。その母親がいわゆるモンスター住人で、マンションの中のヒエラルキーの頂点に立っており、パワハラによる自殺だったというのだ。その件は週刊誌ネタにもなっていた。

 成長した彼の事は知らないが、父親にとって何より気掛かりなのはその母親だった・・・。

*

 てな内容でね。
 またいつか再放送があるかも知れないし、DVDになるかも知れないのでストーリーはここまでにしておきましょう。

 父親、國枝孝彦には中井貴一。
 娘、実希には波瑠。
 亡くなっている母親、佳実は奥貫薫。
 美男美女揃いの癒し系の家族って感じですな。細やかな気配りができて家事もそつなくこなす父親って、今なら中井貴一か役所広司くらいかなぁ、演じれるのは。

 娘の幼馴染の彼氏、古市真には満島真之介。
 その父親、古市敏之には光石研。
 問題の母親、景子はキムラ緑子。うーん、いい配役。

 その他、國枝のやもめの友人柴山善郎に段田安則が扮し、大学時代の恋人で今は熟年離婚して独り身の女性片岡綾乃には原田美枝子も出ておりました。

 結論から言えば、娘は無事に結婚し、父親の危惧もそれなりに解消されるわけなんだけど、小津の「晩春」と同じように結婚式のシーンが無いっていうのも気に入ったね。
 エンドロールで、その披露宴の様子がスチール写真になって紹介されるのも、本物の披露宴の録画DVDの一コマみたいでしみじみするし、そのBGMに流れていたのが竹内まりや本人の「♪人生の扉」というのも泣かせるなぁ。




 ※見逃した方、今ならこちらで全編観れるようです。

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