テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

読んではいけない、「イーオン・フラックス」未見の方

2006-04-02 | SF
 未見の方々には、ネタバレ注意です。

 前半で、イーオンのたった一人の肉親である妹が、警察によって殺される。反政府組織“モニカン”の一味だというのが理由で、妹がそうでないことを知っているイーオンの憎しみは倍増する。
 シサンドラと政府の要塞に忍び込み、トレバーに接近、後は引き金を引くだけという時に、イーオンは躊躇する。それは、『キャサリン。』というトレバーの呼びかけに反応したからだ。
 <私は彼を知っている、憎むべき政府の長としてではなく、何か別の存在として。>

 そして、トレバーから明かされる人類の秘密とは・・・。

 人類を救ったワクチンには、不妊という副作用があった。しかし、これは民衆には知らされていない。人類滅亡を防ぐために、グッドチャイルド政権は優秀と思われる人間のクローンを作成、クローン胚を若い夫婦に秘密裏に注入し、普通に妊娠したように見せかけていたのだ。つまり、2415年の人類は全てクローン人間だったのだ。

 トレバーは、不妊を改善する研究を続けていて、それはほぼ完成していた。しかも、人類は自然治癒によって、不妊の症状を解消しつつあった。

 トレバーがただの独裁者ではなく、人類の為に生きていることを知ったイーオンは暗殺を踏みとどまるが、これは“モニカン”への裏切りであり、今度はシサンドラ達から命を狙われることになる。

 そして、トレバーはイーオンの妹がクローンではない赤ん坊を妊娠していたことを明かす。
 最近起こっている、神隠し事件は、妊娠の事実が発覚するのを恐れたあるグループによる犯行だった。

 というような背景があったんですねぇ。

 クローンの情報を管理している空飛ぶ物体や、400年生きている管理者の爺ちゃんなども印象に残るネタでした。

 そういえば、「アイランド(2005)」もクローンを扱った作品のようですね。“事実は小説より奇なり”というが、ある種のSF小説が時代を先行し続けたことも事実だよなぁ。

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