(1981/ヒュー・ハドソン監督/ベン・クロス、イアン・チャールソン、イアン・ホルム、ナイジェル・ヘイヴァース、ナイジェル・ダヴェンポート、シェリル・キャンベル、アリス・クリーグ、デニス・クリストファー、ブラッド・デイヴィス/124分)
もう25年前の映画になるんですなぁ。イイ映画だったという記憶はあるんだが、覚えているのはオープニングの浜辺をランニングしているスローモーション・シーンとヴァンゲリスのテーマ曲「タイトルズ」。
数十年ぶりの鑑賞では、流麗なカメラワークと美しい構図と色彩の映像はやはり見応えがあったものの、ドラマの広がりや深みはそうでもなかった。
1924年、パリで行われた第8回オリンピックで活躍したイギリス代表選手の話だ。ケンブリッジ大学の負けず嫌いのユダヤ人新入生ハロルド・エイブラハムと、スコットランド人宣教師でラブビーの名ウィング、エリック・リデルのエピソードが主で、エイブラハムはユダヤ人故の偏見に苦しみ、リデルは信仰と国家への忠誠心との間で悩む。どちらも、陸上短距離走の選手だ。
ハロルドは何が何でも勝ちたい為に、アメリカ人のプロのトレーナーに師事し、ケンブリッジ大学の教授連からアマチュア精神に欠けると非難される。一方ハロルドの方は勝つために努力しないのはオカシイと自分の意見を曲げない。教授達に呼ばれて、トレーナーを外すか大学を辞めるかと選択を迫られるシーンが印象深い。権威主義的であり、ユダヤ人等に対する排他的なイギリス紳士の対応が時代を映して面白かった。
リデルはプロテスタントの宣教師で、同じく布教活動をする妹には走るのを辞めて布教に専念するように言われる。いざオリンピックに出場となった時も、100m走の予選が日曜日に予定され、『神の安息日である日曜日には走れない。』と悩む。ここでも、イギリス代表団の国家優先の圧力がかかるが、「神よりも国王を重んじたために戦争になった。」という一人のイギリス代表団役員の常識的な意見が面白かった。リデルは、チームメイトの機転で日曜日以外の種目に出場することになり、そのレースがクライマックスに結びつく。
この年のアカデミー賞では、作品賞他7部門でノミネートされ、作品賞、脚本賞など4部門で受賞した。
監督賞にノミネートされたヒュー・ハドソンはコレがデビュー作とのこと。しかし、これ以降の話題作は聞きません。助演男優賞にノミネートのイアン・ホルムは「エイリアン」や「フィフス・エレメント」、「ロード・オブ・ザ・リング」でお馴染みですな。
さて、これは実話が元になっているとのことだったので、パリ大会について調べてみた。
第8回パリ・オリンピックは、1924年5月4日から7月27日まで、フランスのパリで行われたとのこと。実に3ヶ月弱の期間です。参加国・参加地域は44。参加人数は2972人。実施種目は19競技、126種目だったそうです。
日本も参加していて、この時はレスリング・フリースタイルフェザー級に出場した内藤克俊選手が銅メダルを獲得したそうです。
尚、この作品のプロデューサーはデヴィッド・パットナム。「小さな恋のメロディ(1971)」「ダウンタウン物語(1976)」「ミッドナイト・エクスプレス(1978)」「キリング・フィールド(1984)」などの話題作がありました。
ヒュー・ハドソンは、「ミッドナイト・エクスプレス」にスタッフとして参加していたようですが、そういえばアノ映画の主人公を演じたブラッド・デイヴィスがこの映画にもアメリカ選手として出ていましたな。
もう25年前の映画になるんですなぁ。イイ映画だったという記憶はあるんだが、覚えているのはオープニングの浜辺をランニングしているスローモーション・シーンとヴァンゲリスのテーマ曲「タイトルズ」。
数十年ぶりの鑑賞では、流麗なカメラワークと美しい構図と色彩の映像はやはり見応えがあったものの、ドラマの広がりや深みはそうでもなかった。
1924年、パリで行われた第8回オリンピックで活躍したイギリス代表選手の話だ。ケンブリッジ大学の負けず嫌いのユダヤ人新入生ハロルド・エイブラハムと、スコットランド人宣教師でラブビーの名ウィング、エリック・リデルのエピソードが主で、エイブラハムはユダヤ人故の偏見に苦しみ、リデルは信仰と国家への忠誠心との間で悩む。どちらも、陸上短距離走の選手だ。
ハロルドは何が何でも勝ちたい為に、アメリカ人のプロのトレーナーに師事し、ケンブリッジ大学の教授連からアマチュア精神に欠けると非難される。一方ハロルドの方は勝つために努力しないのはオカシイと自分の意見を曲げない。教授達に呼ばれて、トレーナーを外すか大学を辞めるかと選択を迫られるシーンが印象深い。権威主義的であり、ユダヤ人等に対する排他的なイギリス紳士の対応が時代を映して面白かった。
リデルはプロテスタントの宣教師で、同じく布教活動をする妹には走るのを辞めて布教に専念するように言われる。いざオリンピックに出場となった時も、100m走の予選が日曜日に予定され、『神の安息日である日曜日には走れない。』と悩む。ここでも、イギリス代表団の国家優先の圧力がかかるが、「神よりも国王を重んじたために戦争になった。」という一人のイギリス代表団役員の常識的な意見が面白かった。リデルは、チームメイトの機転で日曜日以外の種目に出場することになり、そのレースがクライマックスに結びつく。
この年のアカデミー賞では、作品賞他7部門でノミネートされ、作品賞、脚本賞など4部門で受賞した。
監督賞にノミネートされたヒュー・ハドソンはコレがデビュー作とのこと。しかし、これ以降の話題作は聞きません。助演男優賞にノミネートのイアン・ホルムは「エイリアン」や「フィフス・エレメント」、「ロード・オブ・ザ・リング」でお馴染みですな。
さて、これは実話が元になっているとのことだったので、パリ大会について調べてみた。
第8回パリ・オリンピックは、1924年5月4日から7月27日まで、フランスのパリで行われたとのこと。実に3ヶ月弱の期間です。参加国・参加地域は44。参加人数は2972人。実施種目は19競技、126種目だったそうです。
日本も参加していて、この時はレスリング・フリースタイルフェザー級に出場した内藤克俊選手が銅メダルを獲得したそうです。
尚、この作品のプロデューサーはデヴィッド・パットナム。「小さな恋のメロディ(1971)」「ダウンタウン物語(1976)」「ミッドナイト・エクスプレス(1978)」「キリング・フィールド(1984)」などの話題作がありました。
ヒュー・ハドソンは、「ミッドナイト・エクスプレス」にスタッフとして参加していたようですが、そういえばアノ映画の主人公を演じたブラッド・デイヴィスがこの映画にもアメリカ選手として出ていましたな。
・お薦め度【★★★=一度は見ましょう】
それはそれは、銅メダルが金メダル級の喜びをもたらしたに違いありませんね。
>最初と最後のランニングシーンと音楽ですね。
こういう時期ですから、聴きたくなりました
このパリオリンピックの一年前に、日本では関東大震災が起こっていたとのこと。地震にも負けずに選手を送り出し、そしてその期待に応えるように銅メダル獲得。
きっと、日本中が沸き立ったでしょうね。
マーク・ライデルの「黄昏」は結局観てないんですよね。
フォンダ親子の実人生も彷彿とさせる話のようで、とても観たい映画でした。
デイヴィッド・ワトキン。
フィルモグラフィーを見ると、「ボーイ・フレンド」も撮ってるし、英国の香りを出せる良いカメラマンのようですね。
確かに、この「炎のランナー」も素晴らしかったのに(ノンノミネートは)不可解です。
リンクの件、よろしいも何も、大歓迎でございます!
今後とも宜しくお願いします。
あらためてこの年の作品賞候補のリストを見ると、やはりこの作品が受賞でおかしくはなかったのかなと思いなおしました。
好き嫌いで言うと「黄昏」の方が好きですが。
私の好きなカメラのデイヴィッド・ワトキンが候補にもあがってなかったのが、少々意外な。
お早うございます。もう25年前になりますか。立川の映画館でロードショー見ましたねぇ。懐かしいなぁ。
ミッドナイト・エクスプレスともスタッフ/キャストがずいぶんつながっているようで驚きです。こちらも大好きな映画で、もうじきアップする予定です。
ところで、こちらのブログからリンクさせていただきましたがよろしかったですかね?
なんですか?知らなかった~。
トレーシー・ハイド可愛かったなぁ。
これの脚本を書いたアラン・パーカーも映画デビュー作だったんですよね。
パーカーは今もバリバリやっているようですが、パットナムは最近はあまり話題になりませんな。
なのに、本編は見ていないですよ、今度絶対に見なきゃ!プロデューサーのデビット・パットナムはなかなか良い映画を送り出していましたが、最近どうなんでしょうね??
「小さな恋のメロディ」は彼の自伝的な作品らしいですね