テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

「終身犯」 備忘メモ

2012-01-27 | ドラマ
 未見の方には“ネタバレ注意”ですが、映画「終身犯」で割愛した記憶をメモっておきます。後で思い出しての追記もあるかも。

 鳥を飼い始めて、(カール・マルデンと交代でやってきた)新刑務所長にランディの車引きの芸当を見せてストラウドは鳥の飼育の許可を貰うが、他の囚人も彼に倣って小鳥を飼い始める。ほとんどが美しい声で鳴くカナリアで、隣室のテリー・サヴァラスも早速飼うんだが、何故か他の鳥のように鳴かない。病気だと思ってストラウドに見せたら、実はそのカナリアはメスだったというオチがつく。ストラウド曰く、メスのカナリアは鳴かないんだとか。
 サヴァラスのメスのカナリアを預かったせいで、ストラウドのところにカナリアのつがいが出来、あっという間に卵が生まれてしまう。一つ、二つ、三つ・・・五つも!
 卵から雛がかえるシーンは、まるで文部科学省製作のドキュメンタリーみたいで、見守っているストラウドのリアクションのショットもありませんでした。このシーンは、映画のリズムが部分的に変わったという悪い意味で印象に残りました。

 十代で刑務所に入ったストラウドを、刑務所長のシューメイカー(マルデンの役名です)は周りの看守達よりは温かい目で見ているが、二人目の殺人を刑務所内で犯した後は厳しく対処していく。鳥との関わりと同じくらいに重要なストーリーの軸で、確かにこのシューメイカーは(考え出すと)結構複雑な人格の持ち主のように感じる。
 いずれにしても役人の描き方はネビル・ブランド以外は一方的に敵役でありました。「ショーシャンク」と似たような時代だろうからあんなもんなんでしょうか。鳥の研究のために壁をぶち抜いて二つの部屋を与えてもらうなんて、ストラウドはかなり優遇されていたように思うけど・・・。
 どなたかのブログにも書いてあったけど、ストラウドが自身の罪について省みるシーンが無かったのが気にはなりますな。

 終盤のアルカトラズでは、あまりに酷い待遇からか囚人による暴動が起きるが、拳銃2丁しかない囚人側に勝ち目は無く、あっさりと鎮圧される。腹を撃たれた囚人をストラウドが手当てして、傷は浅いから病院に行けば直ぐに治ると説明するも、その若者は生きていてもしょうがないと息絶える。生きる気力さえも奪っていると刑務所側を非難しているわけです。
 ラストシーンは、暴動に関わらなかったとしてストラウドはアルカトラズを出て行くことになり、船で本土にやってくる彼をこの物語の原作者が迎えて握手をしハグをする。

 ウィキペディアによると、ロバート・フランクリン・ストラウドは恩赦を受けることも無く、この映画の公開の翌年、イリノイ州スプリングフィールド連邦刑務所メディカルセンターにて73歳で獄中死したとの事でした。

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2 コメント

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結構好きな作品 (宵乃)
2012-01-27 12:55:10
だったんですけど、詳細は忘れてしまいました。あの時代の刑務所でもあんなことができるのかと驚いたのと、鳥と一緒に居る穏やかな彼の印象しか残ってませんね~。
終身犯というタイトルなのに、犯罪者だという事を忘れてしまいそうです。確かに、自分の罪がどうとかより鳥に熱中してる姿しか思い出せないかも。
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宵乃さん、いらっしゃいませ (十瑠)
2012-01-28 00:16:26
>鳥と一緒に居る穏やかな彼の印象しか残ってませんね~

数十年前の記憶は僕もそうでしたね。
刑務所長も意地悪だったことは覚えてましたが。
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