(2003/ティム・マッキャンリーズ監督・脚本/ロバート・デュヴァル、マイケル・ケイン、ハーレイ・ジョエル・オスメント、キラ・セジウィック/110分)
ちょっとオッサン顔になってきたハーレイ君扮するウォルター少年が、お母さんと二人でオジさん二人が一緒に住んでいるというテキサスの田舎の家へ、車で向かっているところから映画は始まる。お母さんの服装やヘアスタイル、車の格好などから50~60年代の話だと推察できる。
『お母さんは一人っ子だから僕には叔父さんはいないはずだ』
『あら、叔父さんといっても大叔父よ』
これから速記学校で勉強をするという蓮っ葉な感じの母親は、『勉強に集中するためにアンタは連れていけないの。だから、暫く叔父さんの所に預かってもらうのよ』と言う。又、この叔父さん達は大金を持っているらしいから、その辺も調べといてとも言う。
叔父さん二人に扮するのが、大ベテランのロバート・デュヴァルとマイケル・ケイン。どちらもオスカー受賞者だ。デュヴァルは31年生まれで、ケインは33年生まれ。映画でも、デュヴァルが兄貴という設定だった。
広大な敷地を持っているらしいこのオジさん二人は、いつも二人で玄関ドアの前のポーチの椅子に座っている。手には銃。ロッキングチェアではなかったようだが、西部劇にもよく出てきた風景だ。大金を持っているという噂を聞きつけて毎日のようにセールスマンがやって来るが、話を聞く前に銃をズドンとぶっ放して追い返す。弁護士をしているらしい別の甥っ子夫婦が子ども達を連れてやって来るが、将来の遺産目当てであることは見え見え。
ワンちゃんやら豚ちゃんやらがウロウロしていて、この辺の描き方も軽~いコメディタッチだった。
オジさん二人は子供の世話などしそうにない雰囲気で、やって来たウォルターに対してもつっけんどんな対応しかしない。ウォルターも、母親に説得されて渋々留まったという感じ。この辺りで、大体の筋は読めてきますな。
少年とおじいちゃん二人がどのようにして親しくなるか、別れのシーンは感動的か。こういうモノが期待されます。
2階の一部屋を与えられたウォルターは、そこで大きな錠のかかった箱を見つける。そして、鍵も偶然見つける。箱を開けてみると、中には砂。しかし、砂を軽く鋤いてみると写真が出てきた。綺麗な女性のポートレイトだ。
その夜、眠れぬウォルターは寝間着で外をうろついているデュヴァル叔父さんに気付く。何か棒のようなものを振り回して叫んでいる。声をかけようとしたが、ウォルターには気付かないようだった。夢遊病か?
あくる日、ケイン叔父さんにその事を尋ねると、デュヴァル叔父さんは昔愛した女性のことが忘れられないんだと言う。そして、ケイン叔父さんは兄弟二人の若き日の思い出話を始めるのだった・・・。
監督・脚本のティム・マッキャンリーズは、「アイアン・ジャイアント」の脚本を書いた人で、この作品が監督2作目らしい。
原題は【SECONDHAND LIONS】。“中古のライオン”です。映画でも、動物園をお払い箱になった一匹のライオンをペットにするくだりがありますが、題名は複数だし、勿論このライオンはおじいちゃん達の事ですな。
BGMには軽快なカントリー&ウェスタンが流れているが、おじいちゃん達の昔話はアフリカのモロッコの外人部隊の話で、話だけではなく、モロッコでの映像も流れてくるので、ちょっとムードの統一感が薄まってしまったのが残念だった。
おじいちゃん達と少年のやりとりも、もう少し人生案内的なシーンを期待していたけれど、それ程ではなかった。
大金を持っているというのは本当か。アフリカで大活躍したという話は本当か。この辺がラストまで興味を引くところですが、これのネタバレはやめときましょう。
▼(ネタバレ注意)
お母さんは迎えに来るが、速記学校というのは嘘っぱちで、ラスベガスで男を掴まえてくる。大叔父の大金話で吊り上げた男なので、二人してウォルターにお金の在処を確認する。叔父さん達は元銀行強盗で、隠しているのは盗んだお金だとも言う。男は力づくで聞きだそうとするが、それを助けるのがペットのライオンだ。
ラストは、成人してイラストレーターになったウォルターの所に、叔父さん二人の死を告げる電話が入る。件の男と離れられないという母親と別れて、叔父さん二人と生活をしてきたウォルターが久しぶりにその家に帰ると、叔父さん達が自分たちが作った複葉機の事故で亡くなった事が分かる。男らしい最期だったと、電話の主は話してくれた。
老衰とかではなく、アノ叔父さん達らしい亡くなり方に天晴れなものを感じるウォルターだった。
と、突然そこにヘリコプターが舞い降りてくる。降りてきたのはアフリカの族長の子孫だという親子。まあ、なんと言いましょうか、余韻の残る、もう一度観てみようかと思わせるまとめ方ではありましたな。
▲(解除)
老人の兄弟はハブ・マッキャンとガース・マッキャンという役名でしたが、監督のマッキャンリーズが書いたシナリオということで、これはモデルがいるんですかねぇ。
出だしでは間抜けなオッサン顔だったハーレイ君も、話が進むに連れて段々感情を抑えたいい表情になってきました。
ジャック・N・グリーンのカメラが描く、美しいテキサスの風景が印象的でした。

『お母さんは一人っ子だから僕には叔父さんはいないはずだ』
『あら、叔父さんといっても大叔父よ』
これから速記学校で勉強をするという蓮っ葉な感じの母親は、『勉強に集中するためにアンタは連れていけないの。だから、暫く叔父さんの所に預かってもらうのよ』と言う。又、この叔父さん達は大金を持っているらしいから、その辺も調べといてとも言う。
叔父さん二人に扮するのが、大ベテランのロバート・デュヴァルとマイケル・ケイン。どちらもオスカー受賞者だ。デュヴァルは31年生まれで、ケインは33年生まれ。映画でも、デュヴァルが兄貴という設定だった。
広大な敷地を持っているらしいこのオジさん二人は、いつも二人で玄関ドアの前のポーチの椅子に座っている。手には銃。ロッキングチェアではなかったようだが、西部劇にもよく出てきた風景だ。大金を持っているという噂を聞きつけて毎日のようにセールスマンがやって来るが、話を聞く前に銃をズドンとぶっ放して追い返す。弁護士をしているらしい別の甥っ子夫婦が子ども達を連れてやって来るが、将来の遺産目当てであることは見え見え。
ワンちゃんやら豚ちゃんやらがウロウロしていて、この辺の描き方も軽~いコメディタッチだった。
オジさん二人は子供の世話などしそうにない雰囲気で、やって来たウォルターに対してもつっけんどんな対応しかしない。ウォルターも、母親に説得されて渋々留まったという感じ。この辺りで、大体の筋は読めてきますな。
少年とおじいちゃん二人がどのようにして親しくなるか、別れのシーンは感動的か。こういうモノが期待されます。
2階の一部屋を与えられたウォルターは、そこで大きな錠のかかった箱を見つける。そして、鍵も偶然見つける。箱を開けてみると、中には砂。しかし、砂を軽く鋤いてみると写真が出てきた。綺麗な女性のポートレイトだ。
その夜、眠れぬウォルターは寝間着で外をうろついているデュヴァル叔父さんに気付く。何か棒のようなものを振り回して叫んでいる。声をかけようとしたが、ウォルターには気付かないようだった。夢遊病か?
あくる日、ケイン叔父さんにその事を尋ねると、デュヴァル叔父さんは昔愛した女性のことが忘れられないんだと言う。そして、ケイン叔父さんは兄弟二人の若き日の思い出話を始めるのだった・・・。
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監督・脚本のティム・マッキャンリーズは、「アイアン・ジャイアント」の脚本を書いた人で、この作品が監督2作目らしい。
原題は【SECONDHAND LIONS】。“中古のライオン”です。映画でも、動物園をお払い箱になった一匹のライオンをペットにするくだりがありますが、題名は複数だし、勿論このライオンはおじいちゃん達の事ですな。
BGMには軽快なカントリー&ウェスタンが流れているが、おじいちゃん達の昔話はアフリカのモロッコの外人部隊の話で、話だけではなく、モロッコでの映像も流れてくるので、ちょっとムードの統一感が薄まってしまったのが残念だった。
おじいちゃん達と少年のやりとりも、もう少し人生案内的なシーンを期待していたけれど、それ程ではなかった。
大金を持っているというのは本当か。アフリカで大活躍したという話は本当か。この辺がラストまで興味を引くところですが、これのネタバレはやめときましょう。
▼(ネタバレ注意)
お母さんは迎えに来るが、速記学校というのは嘘っぱちで、ラスベガスで男を掴まえてくる。大叔父の大金話で吊り上げた男なので、二人してウォルターにお金の在処を確認する。叔父さん達は元銀行強盗で、隠しているのは盗んだお金だとも言う。男は力づくで聞きだそうとするが、それを助けるのがペットのライオンだ。
ラストは、成人してイラストレーターになったウォルターの所に、叔父さん二人の死を告げる電話が入る。件の男と離れられないという母親と別れて、叔父さん二人と生活をしてきたウォルターが久しぶりにその家に帰ると、叔父さん達が自分たちが作った複葉機の事故で亡くなった事が分かる。男らしい最期だったと、電話の主は話してくれた。
老衰とかではなく、アノ叔父さん達らしい亡くなり方に天晴れなものを感じるウォルターだった。
と、突然そこにヘリコプターが舞い降りてくる。降りてきたのはアフリカの族長の子孫だという親子。まあ、なんと言いましょうか、余韻の残る、もう一度観てみようかと思わせるまとめ方ではありましたな。
▲(解除)
老人の兄弟はハブ・マッキャンとガース・マッキャンという役名でしたが、監督のマッキャンリーズが書いたシナリオということで、これはモデルがいるんですかねぇ。
出だしでは間抜けなオッサン顔だったハーレイ君も、話が進むに連れて段々感情を抑えたいい表情になってきました。
ジャック・N・グリーンのカメラが描く、美しいテキサスの風景が印象的でした。
・お薦め度【★★★=一見の価値有り】 

この映画は見たい映画のウェイティング・リストにのっている1本なんですよ。オチはなかなか面白そう!期待しようっと
秋の夜、汲めども尽きぬリストかな。(十瑠)
おじさんたちの話が本当やったので、何だかうれしかったです。
ドル札をあんなところに保管していて大丈夫なのか、それだけ気にかかりました(笑)
ウォルターのイラストも生き生きしていて、この思い出が彼にとってどれだけ輝かしいものなのか伝わってきました。
ラストも嬉しい驚きがあって、大好きな作品です。
えっと、その辺の記憶が無くなってますね
ラスト・シーンを観て、もう一度観たくなったはずですが、もう一度観たのかどうか。
いつか又観たい映画ですね。