goo blog サービス終了のお知らせ 

::: テアトル十瑠 :::

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

■ YouTube Selection (songs & music)


クリフハンガー

2005-03-13 | アクション・スポーツ
(1993/ レニー・ハーリン製作・監督/シルヴェスター・スタローン、ジョン・リスゴー、マイケル・ルーカー、ジャニン・ターナー、ポール・ウィンフィールド)


 またまた思い出の映画から。
 政府の公金を積んだ専用機を襲った武装集団の飛行機が雪のロッキー山脈に墜落。悪者達は、救助に来た隊員を利用して大金の入ったケースを探そうとするが、彼等の正体を知った一人の隊員が、仲間の力を借りながらそれを阻止しようとするという山岳アクション。
 見終わって考えれば、これも雪山という限られた場所で、一人の男(スタローン)が複数の悪者達に戦いを挑むという、「ダイ・ハード(1988)」「沈黙の戦艦(1992)」と同じタイプの作品でありました。

 スタローンとマイケル・ルーカーはロッキーの山岳救助隊員で、その日がオフのルーカーは、美人の彼女と一緒に山登りを楽しんでいた。険しい高所で脚を痛めたルーカーが、スタローンに救助の依頼をしたところから映画はスタートする。山登りといっても本格的なもので、高所恐怖症の人には“タマラナイ”シーンが続々と出てきます。

 ヘリコプターでやって来たスタローンは、二人の近くのへりが着陸できる広い頂に着陸。二人をそちらに移動させるべく、ロープをルーカーに渡す。この辺はお手のものなので、ルーカーに続いて彼女もロープをつたっていく。地上数千メートルの高所なので落ちたらひとたまりもない。命綱をつけた彼女がゆっくりと渡っていくが、安全ベルトの不具合から中程で宙吊りとなる。命綱はその役目を果たさず、彼女は自分自身の両腕でロープにぶら下がっている状態だ。スタローンが彼女の側まで来て何とか手を繋ぐが、握力が限界となった彼女は、スタローンの手からスローモーションのように落ちていってしまう。

 いやあ、オープニングのこのシーンは衝撃的だった。ルーカーの彼女が美人だったせいもありますが、どのように撮影したんだろうと思わせる映像でした。ピアノ線なんか使っていて、あとでCGで消したらしいんですが、ホントにスリル満点の場面でした。

 一方、悪者の方の公金強奪シーンも、飛行機から飛行機へというアクロバットのような話で、「ダイ・ハード2(1990)」でも飛行機をふんだんに使ったレニー・ハーリン監督は、いわゆる飛行機フェチなんでしょうか。
 悪玉の首領は「ガープの世界(1982)」のジョン・リスゴー。知的な冷血漢を演じています。

 さて、オープニングの事故の後、ルーカーとの仲がギクシャクしてきたスタローンは、自責の念にもかられ一人山を下りて姿を消していたのだが、しばらくぶりに荷物を取りに来たところへ、先の飛行機墜落事故が起きるわけだ。ジャニン・ターナー扮する女性救助隊員(スタローンの彼女役)にルーカーの手伝いを依頼され、彼の後を追って山に登るが、そこで悪党団に捕まり、ルーカーを人質にしてスタローンがケースを探すことになる。3個あったケースは発信器がつけてあるが、険しい山のとんでもないところに落ちていたりするので、専門家の腕が必要なのだ。
 悪者達の隙をついてスタローンは行方を眩まし、その後は彼とリスゴー達との知恵比べ、体力比べとなる。【続きはビデオでどうぞ】

 険しい雪の冬山が舞台で、一歩間違えば墜落死という状況の話なので、寒がりで高い所のダメな人間にはスリル倍増かもしれません。途中で、ハンググライダーを楽しむ少年も出てきます。

 悪者達との戦いの中で、スタローンとルーカーの仲が修復されていくというのは、おきまりの流れですな。

 スタローンはマイケル・フランスと一緒に脚本も書いていて、<元々は“ランボー・シリーズとして企画されたという噂あり>と映画サイトで書かれていましたが、総合プロデューサーが「ランボー」のマリオ・カザールなので本当なのかも。

 フィンランド出身のレニー・ハーリン監督。「ディープ・ブルー(1999)」もマアマア面白い映画でしたが、この3作以外の評判はあまりよくないようですな。

 厳つい顔のマイケル・ルーカーは「JFK(1991)」にも検事役で出ていました。

・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて、アクションファンなら】 テアトル十瑠

沈黙の戦艦

2005-03-07 | アクション・スポーツ
(1992/アンドリュー・デイヴィス監督/スティーヴン・セガール、トミー・リー・ジョーンズ、ゲイリー・ビューシイ、エリカ・エレニアック、パトリック・オニール)


 前回の「ダイ・ハード」と同じ様なシチュエーションの映画ということで思い出したのがコレ。スティーヴン・セガールの製作(共同)で、彼の強さを見せつける一連の作品群のひとつだが、閉ざされた空間の中で、多勢に無勢の孤軍奮闘ぶりが“ダイ・ハード”に似ていて、しかも敵役のトミー・リー・ジョーンズのあくの強さもアクセントとなって面白い映画でした。

 監督はアンドリュー・デイヴィス。この後にT・L・ジョーンズを使って作った「逃亡者(1993)」も、まあまあ面白かった。デイヴィス監督もヤ・デ・ポンと同じくカメラマン出身の演出家らしいです。

 セガール主演の“沈黙シリーズはこの後7作程作られているようですが、今作品と同じ元CIAのケイシー・ラインバックが出てくるのは「沈黙シリーズ第3弾/暴走特急(1995)」だけで、ハッキリ申しまして、ラインバック以外の“沈黙”ものはセガールファンにしか受けないと思います。私も一部しか見てないですが。

 戦艦ミズーリが武装テロ集団にシー・ジャックされ、マクレーンと同じくたまたま難を逃れた、元CIAの強者で今は戦艦のコックをしているというラインバックが、テロリスト達をカッコいい空手と、爆弾操作、ハイテク技術を使ってやっつけるというお話。強すぎるという感もありますが、娯楽映画ですから負けときましょう。空手もケンカ空手で、噛みついたり、肉を引き千切ったりする。クールなセガールがやると格好いいが、割と強烈でした。

 船員の慰問にきたロック歌手というのが、実は軍内部の人間と繋がったテロリスト(これも元CIAのようです)で、更にこやつらが政治を匂わせながら、ホントは核兵器を東側に売ろうとしている金の亡者だったというのは、アイデアとしてはダイ・ハードと同じでしたな。
 この慰問団に付いてきたピン・アップ・ガールがこの映画唯一のお色気場面を引き受ける。若い軍人との絡みもあるが、ほんのおつまみ程度なので気にならずにすみました。

 最後は解放された船員達と力を合わせて、逃げる悪者に大砲をドカンと撃つ。痛快でした。

 先に紹介したお色気美女(E・エレニアック)は、<あの「E.T」でエリオット少年に無理矢理キスされてた少女>との事です。ウーン、覚えてないなあ。

・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて、アクションファンなら】 テアトル十瑠

ダイ・ハード

2005-03-06 | アクション・スポーツ
(1988/ジョン・マクティアナン監督/ブルース・ウィリス、アラン・リックマン、ボニー・ベデリア、レジナルド・ヴェルジョンソン、アレクサンダー・ゴドノフ、ウィリアム・アザートン)


 新作を観る時間がないので、思い出の作品について・・・って、どうしても単純明快なストーリーのものになりますな。
 人気抜群のこの映画ですが、これもTVで流れるとつい覗いてしまう映画です。特にクリスマスが近づくと。

 ニューヨークの刑事、ジョン・マクレーンは別居中の妻に会いに、米大陸の反対側西海岸ロサンゼルスに向かう。飛行機嫌いの彼は、隣の男性から、素足で・・・ええーっとなんでしたっけ、なんか飛行機が嫌いにならないおまじないみたいな事を聞くんですよね。裸足になればいいと。で、あとで妻の会社についた後、部屋で裸足になるんですが、これが後々ストーリーの中で利いてくる。
 うん、この映画は単純明快な話なんだが、割と細かな伏線が張ってあって、あとで分かって妙に嬉しくなる映画です。

 奥さんはキャリア・ウーマンを目指しているので、子供を連れて別居しているんだが、勤めている日系企業が自社ビルを建て、その完成披露パーティーにあわせて、ジョンを呼んだらしい。クリスマスでもあるので、ジョンは子ども達にお土産も持ってきている。
 そのビルに向かうジョンと平行して、同じようにビルに向かう一団がある。これが、アラン・リックマン率いるテロリスト達。この辺のカットバックは小気味よくて、わけが分からないのに、ワクワク気分にさせてくれます。

 「ハリー・ポッター」のアラン・リックマンは、ひげ面でいかにもという感じなので、私も最初は政治テロリストかと思ってましたが、すぐに金庫目当ての泥棒とわかります。話は勧善懲悪モードになっていくので、後は気楽に娯楽映画としてみればいいし、安心です。

 その後、コンピューター専門家も含めた悪党団はビルを占拠するが、運良く隠れていたジョンが、たった一人でこいつらと戦うこととなる。

 もう、その後のストーリーは省きましょう。有名ですから。

 最初に見たときは面白くてたまりませんでした。次から次と事件は起こるし、黒人警官や事件記者など、脇役もメイン・ストーリーに絡んできて、これも伏線のようになっているので、一粒で二度おいしい映画となっています。

 小道具では、トランシーバーがいい使われ方をしてましたな。勿論、ガラスもね。

 ラストのリックマンとの決着は、ちょっとあんなにうまくいくかなあ、という感想はもちました。

 ジョン・マクティアナンはこの後「レッド・オクトーバーを追え!(1990)」でも上手いところを見せてくれましたが、その後はぱっとしませんな。“ダイ・ハード”シリーズもレニ・ハーリンの「ダイ・ハード2(1990)」までで、マクティアナンの「ダイ・ハード3(1995)」は出来としては少し劣る。
 そういえば、4が出来たとか出来るとかいう話があったが、どうだったっけ。

 ブルース・ウィリスは、昔NHKでやってた「こちらブルームーン探偵社」で知った俳優だが、あの番組も面白かったので毎週観ていた。そういえば、シビル・シェパードはどうしたんだろう?
 彼のその後はどうしても“ジョン・マクレーン”のイメージから抜けきれないような感じがしますな。「ジャッカル(1997)」で悪役になったりと頑張ってるけど・・・“ジョン・マクレーン”のイメージというか、ブルース・ウィリスの個性が強すぎるのかも知れないな。リュック・ベッソンの「フィフス・エレメント(1997)」は成功だった。

 ボニー・ベデリアの名前を最初に知ったのは、シドニー・ポラックの「ひとりぼっちの青春(1969)」だが、この映画はだいぶ後になって観たので、ボニーは名前を知っているだけだった。ただ、69年から知っていたので、「ダイ・ハード」に出ていると分かったとき、年は幾つなんだろうと思ったもんだ。90年のアラン・J・パクラ推定無罪」も面白い映画だった。
 「ホーム・アローン(1990)」などのマコーレ・カルキンは甥っ子に当たるそうです。

 ダイ・ハード。なかなか死なないヤツって意味でしたっけ。最後のクレジット・ロールで流れる、フランク・シナトラが最高ですな。

 忘れてました。この映画のカメラはヤン・デ・ボンです。そう、「スピード(1994)」の監督。「レッド・オクトーバーを追え!」も彼の撮影らしいです。

・お薦め度【★★★★★=アクションファンは、大いに見るべし!】 テアトル十瑠

ダーティハリー

2005-02-28 | アクション・スポーツ
(1971/ドン・シーゲル製作・監督/クリント・イーストウッド、ハリー・ガーディノ、アンディ・ロビンソン、ジョン・ヴァーノン、レニ・サントーニ、ジョン・ラーチ)


 他人様のブログにコメントばっかり入れて、我が別荘の手入れを忘れてしまっています。昨年も、後半は新規登録が少なかったですもんね。なんか見たとは思うんですが、要するに映画らしい映画は見てないと言うことでしょう。

 第77回米国アカデミー賞の発表があって、「ミリオンダラー・ベイビー」が作品賞と監督賞、主演女優賞、助演男優賞を獲ったそうです。クリント・イーストウッド2度目の監督賞、ということで、今回は彼の師匠ドン・シーゲルの(私が勝手に思ってる)代表作「ダーティハリー」について書いてみます。

 この作品が公開されたのが1971年。実は、この年には同じ刑事物の、ウィリアム・フリードキンの「フレンチ・コネクション」も公開されて、コチラがアカデミー賞の作品・監督・主演男優賞なんかを獲り、「ダ-ティハリー」の方が好きだった私は残念な思いをしました。
 「フレンチ・コネクション」では、電車と車との高架橋下での追っかけが話題になり、ピーター・イェーツの「ブリット」ではサンフランシスコの坂道でのカーチェイスに若者の血が騒いで話題になりました。私には『そんなもん、一瞬だろう』という気がしましたけどネ。

 ドン・シーゲルは殆どの作品が男性的な作風で、イーストウッドと組んだ“ハリー”以前の作品には「真昼の死闘(1969)」という西部劇と、「マンハッタン無宿(1968)」という刑事物があります。後者は“ハリー”の原型のような作品で、未見の方は是非ご覧になって下さい。その他、リチャード・ウィドマーク主演の「刑事マディガン(1967)」も面白かったし、E・ヘミングウェイの短編を膨らました「殺人者たち(1964)」では、リー・マービンがニヒルな殺し屋を演じました。「突撃隊(1961)」はマックィーン主演の戦争映画で、それまで見た事のないタイプの戦争物だったので印象深いです。底辺に流れる、男性的な反骨精神のようなモノに独特の感じがするのがシーゲル映画であります。

*

 サンフランシスコの街を上の方からカメラが撮っているシーンから、「ダーティハリー」は始まる。とあるビルの屋上にプールがあって、若い女性がのんびりと泳いでいる。望遠鏡をつけた銃が彼女を狙い、そして、撃つ。と、まあ、いきなりの殺人シーンから始まるわけですが、コイツが<スコーピオン(さそり)>と名乗る変態で、無差別に一般市民を殺す代わりに、身代金を市長に要求するわけですな。
 お金の要求は実際問題として現実的ではないんだが、その為に無差別に殺人を犯そうとしているところが、一種の変態で、演じているアンディ・ロビンソンは元々舞台役者だとのことですが、イーストウッドに充分対抗できる異常性が表現できてました。

 “ダーティ”ハリーですが、スタイルはかっこよかったです。生地の良さそうなジャケットと先細りのタイトなスラックス。この辺は、マックィーンに相通ずる、トラディショナルな雰囲気があります。肩からかけるガンホルダー、足首に隠すナイフなど、この手の映画が好きな男共にはたまらんですな。

 序盤で、サンドウィッチを頬張りながら、銀行強盗らをマグナム44でやっつける。足を撃たれて倒れた黒人のチンピラが、足元の銃を取ろうとすると、マグナムで牽制しながらハリーが言う。
 『お前、考えてるな。このマグナムにまだタマがあるかどうか。実は俺にもわからん。取れるものなら取ってみろ、この腰抜けやろう』
  黒人はあきらめる。そいつの銃を拾い、立ち去ろうとするハリーに、チンピラが『どうなんだ?』と尋ねる。ハリーはそいつに向けて、マグナムの引き金を引く。カチッ。悔しがる犯人。
 かっこいい。
 そして、このシーンがラストにもう一度、“さそり”との間で交わされるんですな。

 “さそり”は常にビルの屋上から人間を狙っていて、サンフランシスコを俯瞰で撮影しているのが、映像に立体感をもたせていてイイです。ビルの屋上での銃撃戦。身代金を公衆電話を繋いでの運搬ゲーム。途中で、ゲイの連中が出てきたりして、風俗の点描も忘れてないのがいい。

 そして、ラストのバスジャック。採石場みたいなところでの銃撃戦も、面白かった。

 一応ラストで、体制批判的なメッセージは残しているんですが、この作品の評価にはあんまり関係なかったようです。

 ネットで作品データを調べたら、共同脚本者にジョン・ミリアス(サーフィン場面が素晴らしい「ビッグ・ウェンズデー(1978)」の監督)がいました。音楽は、「燃えよドラゴン(1973)」が有名なラロ・シフリン。“ハリー”でも、特に終盤のバスジャックあたりの緊迫感はよく出てたと思うな。
 カメラのブルース・サーティース。どこかで聞いた名前だなと思ったら、ロバート・サーティースの息子でした。ロバート・サーティースは「ベン・ハー(1959)」「コレクター(1965)」「逃亡地帯(1966)」「卒業(1967)」「スイート・チャリティ(1969)」「おもいでの夏(1970)」「ラスト・ショー(1971)」「スティング(1973)」「華麗なるヒコーキ野郎(1975)」などの錚々たる作品群の大カメラマン。
 いいスタッフだったんですなあ。

 尚、ドン・シーゲル作品では77年の「テレフォン」が未見の中でも是非とも見たい作品です。主演チャールズ・ブロンソンブロンソンの追悼記事でもふれた、ピーター・ハイアムズスターリング・シリファント共同脚本の、米ソ冷戦下のアメリカでのソ連人スパイのテロ・サスペンス。音楽も"ハリー"と同じラロ・シフリン。ねっ、見たくなったでしょう。

 余談ですが、「突撃隊」にはボビー・ダーリンが出てました。ケヴィン・スペイシーが監督・主演する、伝説のエンターティナーの伝記映画の主人公。元奥さんのサンドラ・ディーは今月20日に63歳で亡くなりました。





・お薦め度【★★★★★=大いに見るべし!】 テアトル十瑠

オールド・ルーキー

2003-09-24 | アクション・スポーツ
(2002/ジョン・リー・ハンコック監督/デニス・クエイド、レイチェル・グリフィス)


 1999年に35歳にしてメジャーデビューを果たしたジム・モリス選手の話。"シューレス・ジョー"まではいかなくとも、いわゆる伝説の人かなと思っていたら、なんと数年前の人だった。1999年といえば、佐々木が渡米する前の年だ。その年の9月、レギュラー・シーズンの終盤にマイナーから昇格して(チームはタンパベイ・デビルレイズ)、次の年のシーズン終了後に(肘を痛めていた為)解雇される。次の年にはLAドジャースと契約したが、この年のシーズン途中で引退したらしい。35歳と言えば、今の野茂や長谷川の年齢だ。

 メジャーに挑戦する前はテキサスの高校教師だった。学校の先生が大リーグに行くなんて、日本で言えば"智乃花"みたいなもの。"智乃花"も凄いけど、このアメリカ人も大したもんだ。

 野球が好きなジム少年だったが、厳格な軍人の父親は転勤が多く、野球にも興味がない男だったため息子とは疎遠な感じの親として映画では表現されている。最後の転勤となったテキサスでジムは大人になる。一度はプロとなり、マイナーリーグで投げていたが、肩を壊してメジャーを断念。地元の高校で化学を教えながら、野球チームの監督をする生活。

 弱小チームに活を入れようと『夢をもってがんばれ!』と言った言葉に対し、監督の投げるボールの凄さを感じていた生徒達は、『自分たちは地区優勝をめざして頑張るから、もしも優勝したら、コーチもメジャーに挑戦してくれ』と約束させる。

 ジム監督のチームは奇跡的に優勝し、約束通り入団テストを受けに行く。どうせ受かるはずがないと思っていたジムは、マイナー時代を知っている妻には内緒にして、子供のおもりをしながらテストの順番を待っている。そこにはかつて一緒にプレーしていた男が、スカウトマンとして来ていたりする。

 ジムの番。スピードガンは97マイル(156㎞)を表示する。何回投げても97から98マイルの凄いボール。「後で連絡するから」とスカウトマンに言われ、受けていたキャッチャーにも「凄いよ!」と言われるが、半信半疑のジムだった。

 ジムと子供達が家に帰り着く前に、先に帰って留守電に入った球団からの伝言を聞いた奥さんは全てを理解する。最初は反対するが、高校チームの練習をいつも見学していた長男(超可愛い!)に、メジャーの父親を見せてあげたいと思うようになり、プロ野球選手への転職を許す。

 まずはマイナー契約で、2A、そして3Aで戦う日々。移動が多くて大変だったろうと描かれている。家計も逼迫(ひっぱく)してきて、3ヶ月目には奥さんに「家に帰る」と電話するが、奥さんはもう少し辛抱して、と思いとどまらせる。マイナーは大した給料ではないらしいことが分かる。

 それからしばらくして念願のメジャー昇格が言い渡される。デビュー戦がジムの地元、テキサス・レンジャーズのホーム球場、ボールパーク・イン・アーリントンだ。家族は勿論、ジムの町の人々、そして生徒達が大勢で見に来る。この辺りが感動モノで、思わずウルウルしてしまいます。映画はここで終わり。2シーズンを戦って彼は引退したと字幕が流れ、高校の校舎に飾られたメジャーのユニホームが映し出される。

 メジャーに入ってからの話が色々あるかなと思っていたら、メジャーに行くまでのストーリーが淡々と、美しい映像と軽快なC&Wをバックに語られていく作品だった。40代後半のデニス・クエイドの35歳にはちょっと無理が見えたが、その分マイナーでのつらそうな姿には説得力があった。

 ジム・モリス本人の原作本がヒットした上での映画化。

 ちなみに、メジャーデビュー戦の時のキャッチャーは、今はヤンキースのジョン・フラハティ。3Aからメジャーに一緒に上がったスティーヴ・コックスは今年は横浜ベイスターズに在籍した。

・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

トゥーム・レイダー

2002-07-26 | アクション・スポーツ
 「トゥーム・レイダー(tomb raider)」。直訳すると「お墓乗っ取り屋」となる。
 ビデオ屋でパッケージ写真だけをみていて、「ダーク・エンジェル」と似ているので、薄ぼんやりと劇場版が「トゥーム・・・」で、TV版が「ダーク・・・」と思っていた。で、「ダーク・・・」は先日より始まって何回か見たんですが、今回「トゥーム・・・」を見て、全然違うことに初めて気が付きました。

 主演のアンジェリーナ・ジョリーは先日来日していましたよね。なんとジョン・ボイトの娘です。ジョン・ボイト。懐かしいですね。私なんか「真夜中のカーボーイ」からですからね。あの時はダスティン・ホフマンと一緒にダブルでアカデミー賞にノミネートされたんでした。「帰郷」、ジェーン・フォンダ共演。ちょっと前には「アナコンダ」ですか。「MI」にも悪役で。もっと色々あるんでしょうが、「チャンプ」がやっぱり一番有名でしょうね。

 ところで、この作品「インディ・ジョーンズ」みたいに、連作になるんでしょうかねえ。ちょっと作る姿勢が似てます。登場人物にしても説明が少ないし、ストーリーの伏線も端折ってる感じ。父親の影響で今の仕事をしているってのも「インディ・・・」と似ているし、商売がたきの性格もそっくり。そういうのを承知でみれば、アンジョリーナのスタイルやアクションもかっこいいし、楽しめる作品です。CGを使った、超自然的なシーンもそれなりに面白いです。そ、はっきり言っときましょう。これは「インディ・ジョーンズ」の女性版です。但し、「インディ・・・」の時代設定が古いのに対して、これは現代の話みたいです。ここがちょっと雰囲気が違う要因でしょう。

 アクション好きの人におすすめ。
 おっと、主人公の父親役に、本当の父親ジョン・ボイトが出演していました。エエゾ、エエゾ。

・お薦め度【★★=アンジーファンには、悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

■ YouTube Selection (予告編)


■ Information&Addition

※gooさんからの告知です:<「トラックバック機能」について、ご利用者数の減少およびスパム利用が多いことから、送受信ともに2017年11月27日(月)にて機能の提供を終了させていただきます>[2017.11.12]
*
●映画の紹介、感想、関連コラム、その他諸々綴っています。
●2007年10月にブログ名を「SCREEN」から「テアトル十瑠」に変えました。
●2021年8月にブログ名を「テアトル十瑠」から「テアトル十瑠 neo」に暫定的に変えました。姉妹ブログ「つれづる十瑠」に綴っていた日々の雑感をこちらで継続することにしたからです。
●2025年2月にブログ名を「テアトル十瑠」から「::: テアトル十瑠 :::」に変えました。
●コメントは大歓迎。但し、記事に関係ないモノ、不適切と判断したモノは予告無しに削除させていただきます。
*
◆【管理人について】  HNの十瑠(ジュール)は、あるサイトに登録したペンネーム「鈴木十瑠」の名前部分をとったもの。由来は少年時代に沢山の愛読書を提供してくれたフランスの作家「ジュール・ヴェルヌ」を捩ったものです。
◆【著作権について】  当ブログにおける私の著作権の範囲はテキスト部分についてのみで、また他サイト等からの引用については原則< >で囲んでおります。
*
テアトル十瑠★ バナー作りました。リンク用に御使用下さい。時々色が変わります。(2009.02.15)