No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

マタギの町ふたたび、妄想がとまらない

2024-06-13 | 街:秋田










隠れ里の集落で写真を撮り、ついでに近くにある阿仁合の町に来た。周辺(マタギが徒歩で移動可能範囲)では最大の町だと思う。ここは慣れ親しんだ町でもあり、大体いつも通りの写真を撮った。駅前にある内陸線資料館には、クマの毛皮と剥製が展示されている。写真2枚目のクマは絨毯になっていて、自由に座ることができる。僕はこれを見ると機械人間に剥製にされた哲郎のお母さんを連想する(※銀河鉄道999)。哲郎が機械伯爵に復讐することを誓ったように、クマが人間に復讐に来ないか不安になる。万が一、僕がこれに乗ってニヤニヤしているところをクマの子供が窓からそっと見ていたら・・・。だから僕は少し触るだけにしている。大通りには人の気配はなかった。それでも大きな町である。隠れ里のマタギも熊の胆を売りに来て、そのお金で刃物を買ったり、銃弾を買ったりしたかもしれない。想定以上に高く売れた時は、町の店で酒を飲んだことだろう。若いマタギは飲み過ぎて、お金を落として叱られたりしたかもしれない。・・・。もはや写真ではなく、妄想の世界の話になってしまった。そういう妄想をさせる町こそが、良い町なのである。


さて、本来はここで終わるべきことは分かっている。でも折角の機会(?)なので、もっと壮大な妄想を記述する。要約すれば、秋田県鹿角市付近に出没する人喰い熊はツキノワグマではなく、ヒグマあるいはヒグマとの混血種ではないかという話だ。秋田県の一部でまことしやかに噂されているらしい。これは今回、阿仁の日帰り温泉に入った際、たまたま出会った爺さんから温泉に浸かりながら聞いた話である(のぼせるところだった)。どんな与太話かと思ったが、一定の説得力もあった。そして調べたところ、現代ビジネス(というのが笑)のWEBページ上に同じ内容の話が載っていた。爺さんはそれを見て喋っただけ(笑)の可能性もあるが、爺さんの話、記事の内容、そして僕の想像を合わせて記述する。以下、長いので興味ない方はスルーして下さい。

<事件の概要>
2024年5月に秋田県鹿角市の山中で熊に人が襲われ亡くなる事件があった。更に、その遺体を収容中に警察官2名が熊に襲われ、重傷を負った。顔面を激しく損傷する大怪我だったという。あまりに危険過ぎて遺体収容は困難だとし、捜索は一旦中止された。そして重機で新たな林道を切り開く緊急工事を行い、数日後にやっと遺体は回収された。熊による人身事故は毎年起きているが、今回は異例尽くしであった。

<異例と思える3つのこと>
①まず猟友会や消防も含む大人数の捜索の中、熊が襲ってきたこと。
②次に、一度は遺体収容まで辿り着きながら、危険過ぎることを理由に作業を中止。早々に林道切り開きを決めた。早すぎる決断の理由は・・・。
③その後、現場近くのワナに熊が掛かった。すぐに該当の熊ではないと発表されたこと。何故すぐに分かるのか。

<何故異例なのか>
①~②の流れをどう見るかだと思う。捜索隊のうち2名(ともに警察官)が襲撃されたことは確かにショッキングであり、その後に安全作業を優先することは理解できる。猟友会も高齢化しているし、それ以上の増員は困難だとも想像される。また人が多くいる場所で発砲することには危険も伴う。それでも重機で新たな林道を切り開くという荒業、時間もコストも掛かることなのに、それを即決する事情とは一体何だったのだろうか。そこで考えなくてはならないのは、そもそも論として、秋田県北部(鹿角市周辺)の熊は他と比べて狂暴過ぎることだ。明らかに最初から人間を餌として襲っているようにみえる。2016年に鹿角市では熊による食害事件が起こり、4人もの死者が発生した。熊のうち1頭は射殺駆除されたものの、数頭は逃げ延びている。その1頭からは胃から人間の肉片が見つかったが、もしかしたら偶然見つけた肉片を食べただけの可能性もある。本来目撃されていた熊は「赤毛の大きな個体」であったという。この赤毛の大きな個体ということは、③に繋がると思う。そう、一目で他と異なる外観を持っているのである。

<その背景にあること>
更に続けよう。2012年に秋田八幡平クマ牧場 で起きたヒグマ脱走事件を覚えている方はいるだろうか。同年4月、冬季閉鎖中のクマ牧場からヒグマ6頭が脱走。飼育係の高齢者2名が殺害捕食された。降雪により出来た雪の山を登り、檻の外に脱走したものだった。同日夕刻には全頭が射殺されたが、地元では何頭かが山奥に入り行方不明になったとの疑念が強く残る。元々この施設は廃園予定で、エサの量を制限していた。さらに事件後に行われた現場検証で、過去に死んだ熊を敷地内に無造作に埋めていることが発見されるなど、杜撰な経営体制が明らかになった(高齢者数名で飼育担当をする超零細企業だった)。熊の頭数管理も適切に行われていたのか甚だ疑わしい。つまりヒグマが何頭いたのか分かったものではない。現地を知る人はそう考える。ヒグマは野生下でも20年程度は生きると言われ、脱走した熊が(いれば)、まだ生存していても矛盾は生じない。ここで2024年の事件に戻る。

<もう一度考察>
①はヒグマの習性としての貯食行為(いわゆる土饅頭)だと考えると理解できる。貯食を奪わるとヒグマは命掛けで闘う。更に②。そこまで危険と早々に匙を投げた原因が、熊の属性にあるとすれば納得する。ヒグマではないとしても、常軌を逸する狂暴さとか、通常ではない個体なのではないか。地元では逃げ出したヒグマとツキノワグマのハイブリッドではないかとの説もあるらしい。生物学的には考え難いらしいが、そんな説が出るくらい異質の熊がいるということだ。

<結び>
いずれにしろ秋田県北部の山中は極めて危険だということは間違いない。ヒグマが生き延びているかもしれない・・・。いやいや、そんなことは信じたくはない。でも例えヒグマではないとしても、ヒグマみたいな行動をするツキノワグマがいることは間違いない。僕は何があっても鹿角の山中には入りたくない。


GRⅢ

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