きっかけは数ヶ月前のことだ。尾去沢鉱山（秋田県鹿角市）近辺をウロついた時、大滝温泉という温泉街を見つけた。そんな温泉地があるなんて知らなかったが、調べれば由緒ある温泉地らしかった。少し興味を持ち、周辺の温泉などもグーグルマップで調べていた。シングルモルトのスコッチウイスキーを舐めながら、グーグルマップのストリートビューを眺めていると止まらなくなる。同じ鹿角市の湯瀬温泉周辺をストリートビューで散策して、この商店を見つけた。行きたい、行きたいと思いつつ、時間ばかりが経過していく。本格的な冬が来れば、益々行き難い。えい、もう行ったれということで弾丸ツアーを決行した。いくらストリートビューが画期的でも、最終目的は現場で五感を味わうことだ。
これは僕の今の精神状態とか、いろいろなことが影響しているのかと思うが、店のお婆ちゃんの写真は今回は遠慮した。近くの温泉ホテルを取っていたので、夜のおつまみになるものを何点か買った。お婆ちゃんは寡黙で優しそうだった。店を出るとき扉を開けてくれた。亡くなった祖母とオーバーラップして、一瞬胸が詰まりそうになった。まだ今は撮れないし、掲載することもできない。そう感じた。次に行くときは、堂々と撮れるだろうか。
X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
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