カツオ節を挟んで握るものがあります。芽ネギ、子持ち昆布などです。削りたての香りがいいのでこんな風に削って引き出しに溜め、そこにシャリを軽く押しつけてから握ります。
お浸しの上にそっとのせる場合もあります。
お浸しで思い出しました。以前お浸しにはマグロ節の糸がきを使っていました。店を始めて三~四年の間でしょうか。
ある日、主人は削り器とカツオ節を買ってきました。特に深い意味はなく、変えてみたくなったのだそうです。
カツオ節は買ったらまずサッと表面を水洗いし吸水ペーパーに包んで冷蔵庫に一晩置いてから削り出すのだと専門店の方から聞いてきてすぐにやっていました。削り器は道具屋さんおすすめのものが二つあり、刃物屋さんが作った『切れ味は最高だけれど箱の部分は普通』というものと木箱の細工を得意とする道具屋さんが作った『引き出し部分などは最高だけれど刃物は普通』のどちらを選ぶかということで、主人は刃物が最高の方を選んできました。
お吸い物の出汁やポン酢作りには同じ本枯れ節を使いますが、この削り器で削ったものではなく専門店の機械で均等に薄く削ったものをふんだんに用います。