「江戸の絵師・歌川広重」アマゾン電子書籍紹介。角川電子書籍・BOOK★WALKER電
「歌川広重」(1797年~1858年)江戸の後期の浮世絵師。歌川派のみならず浮世絵師を代表する風景画家(名所絵師)。安藤氏。俗称徳兵衛。定火消同心の子として八代洲河岸に生まれる。歌川豊広門人。一遊斎、一幽斎、一立斎、立斎、歌重の号を用いる。1820年代は、役者絵、武者絵、美人風俗画など種々の分野に手に染めるが大成せず1820年代末から名所絵のシリーズを発表し始める。葛飾北斎の「富嶽三十六景」とほぼ同じ頃1831年(天保2)頃に発表した「東都名所」は、俯瞰的構図にときおり極端に拡大した近景物を配し、鮮やかな色のコントラストで斬新な情趣をねらって成功した。1832年、幕府の八朔御馬進献に随行して上京。その折のスケッチを基に制作した「東海道五十三次」55枚の叙情的風景画が爆発的な売れ行きを示し、自己の洋式を確立するとともに、名所絵師の名を不動のものにした。その後は没年まで名所絵の第一人者として活躍し、日本の季節風土とそこに住む人々の織り成す詩情を細やかに表現した。とくに、雨、風、雪、月の景に優れ、「旅の絵師」の呼称も与えらえている。代表作はほかに、「近江八景」「京都名所」「江戸近郊八景」「木曾街道六十九次」などがある。晩年の1850年代には「名所江戸百景」「六十余州名所図会」など縦大判の風景画にも意欲を見せた。肉筆画も晩年に多い。広重は名所絵のほか、四条派風の花鳥魚貝版画も多数制作、詩画一体の世界を作り出し、この方面の独自の境地を開いた。名所絵と同種の趣をもつ物語絵や、清澄感のある美人画も見るべきものがある。
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