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TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

雨の屋久島、宮之浦岳その1

2014年05月22日 | Weblog

5月の第3週は僕らのゴールデンウイークです。
かねてから計画していた九州屋久島宮之浦岳の縦走に出掛けました。
屋久島はやっぱり弾丸登山というより、ゆっくり登りたいという気持ちになります。その話を登山仲間にちょっと話したら、あっという間に4人集まりました。一人もいいけど、たまには気の合う仲間達と出掛けるのも楽しいものです。
まるで旅行気分で出発した屋久島。
僕以外のメンバーは1日早く現地入りし、買い物やヤクスギランドへの観光を済ませていました。
連休初日の月曜日、朝一番の鹿児島行きの飛行機に乗り、乗り継ぎをして屋久島空港に向かいます。
その後、迎えのタクシーで淀川の登山口に行き、仲間達のあとを追うことになっています。
天候はあいにくの雨。鹿児島までは雲多目ながらも陸地が見える状況でした。屋久島が近づいてくるにつれて、雲が厚くなり屋久島自体を上空から確認出来ない状態になりました。
いよいよ着陸体制に入り、厚い雲を抜けると、わずかに海面が見えてきました。機体が大きく揺れます。だいぶ降下した瞬間、エンジン音が大きくなり機首が持ち上がりました。
えっ?
そうです。着陸出来ませんでした。
その後、30分かけて島の上空で待機し、再度侵入を試みましたが屋久島空港を視認することが出来ないということで、鹿児島空港に戻ることになりました。
周りを見渡すと、一心不乱に手を合わせて拝むご婦人が目に入りました。気持ちは良く分かりますが、拝んでもだめなものはだめ。
やがて鹿児島空港が見えてきました。その間すでに1時間以上のロス。さてどうしたものか…。
着陸体制に入りましたが、なんと車輪に異常を示す信号が出たということで、再度上昇。さらに15分ほど飛行したあげく、やっと着陸できました。
鹿児島空港では、その後の対応に追われています。まず、高速船で島に渡る方法を選択する人、後続の便で再度飛行機に乗る人。ですが、あいにく次の便は満席でキャンセル待ちだというのです。
船で渡るのが確実ですが、乗り場まで1時間バスで移動し、さらに船で1時間半ほどかかります。
今日中になんとか島に入れればという気持ちで、次の便に乗る手続きを始めました。荷物も受け取らず(そんな時間はないかも)キャンセル待ちの申請をします。その後我に帰った僕は、対応して下さった職員さんに荷物を受け取っておいていただきました。おそらく、満席と言えども空きは少し作ってあるはずです。
キャンセル待ち2番で、結果搭乗出来ることになりました。機内は本当に満席。これでダメだと次はさらに厳しい状況になりますし、今日中の山での動きも大きく変わってしまいます。
飛行機が飛び立ち、やがて車輪を出して着陸体制に入った瞬間、乗客に期待感と微妙な安堵感が大きくなった感じがしました。もちろん僕もその中の一人です。厚い雲の端に島が見え、はっきりと滑走路が確認できました。
そのまま屋久島空港へと機体は吸い込まれていきました。
第一関門を越えて、一度キャンセルしたタクシーを再度予約し、そのまま約1時間かけて淀川の登山口に向かいました。車内で慌ただしく出発の準備をします。外は雨が強くなったり弱くなったりと機嫌が良くなることはありません。
11時にスタート出来ると思っていたのに、13時を大きく回ってしまいました。すれ違う登山者に「ずいぶんゆっくりだね」などと声をかけられ、さらにそれが気分を切なくさせます。
確実にタイムを計測しながら、地図にあるコースタイムがどの程度のレベルなのか判断してゆきます。思っていた通り、いくらか甘いコースタイムに設定されていました。これなら一気に山頂を経由して仲間達の待つ小屋まで陽のあるうちに到着出来そうです。
幸い九州は関東と比べてだいぶ日の入りが遅いのです。たぶん19時過ぎまではライトなしで行けるはず…。
誰もいなくなった登山道は歩きやすさこの上なく、おまけに山頂が近づくにつれて太陽が姿を見せるようになりました。その神々しさは僕にだけ見せてくれた贈り物のように感じました。
時折、携帯電波が届かないとされているにもかかわらず、彼らから行動状況が届きます。それが励みとなって、一人で登っている感覚が薄らいでいきました。
無事山頂を陥れ、雲海と傾きかけた太陽の中、僕はまさに日本最南端の百名山『宮之浦岳』に、この脚で立ちはだかったのでした。
さて、アップダウンを繰り返しながらも下り基調になると、グッとスピードが上がります。特徴のある花崗岩に今これから時期を迎えようとする『屋久島シャクナゲ』が山肌を彩り、時折現れる屋久鹿が目の前を横切ります。
高度が下がってくると、再び雨が僕を襲い始めます。もう汗だくなので別にどうでも良くなっています。
そこで仲間達からの連絡を受信しました。なんと宿泊先変更です。さらに1時間先の小屋に変更すると…。
こうなると明るいうちにはたどり着く可能性はグッと低くなります。
最初に予定していた山小屋に着いた時点での日の高さでその先に進むかどうするか決めようと思いました。
実際はかなり明るい時間にたどり着くことができました。この時、再び計画を変更した仲間達が小屋の内部に居ることも知らずに…。
しばらく水場で給水したりしていました。出発の準備が整い、念のため小屋の中に仲間達がいないか確認しようとしたところ、かなりの人数の登山客でごった返していました。この人だかりをかき分けて、薄暗くなった内部での確認作業はかなり手間取ると思いました。他人の顔にヘッドライトの明かりを浴びせる訳にもいかず、僕は日没との戦いに焦りを感じてしまったのです。
さて、ヘッドライトを装備し、先に進むことにした僕はその後どういう展開が待っていたのでしょうか…。

その2へ続く。
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