2010年5月29日-3
ニッチ概念の分類2
分類基準
さて、本題。分類作業は、分類基準によって異なる結果となる。
Whittakerほか(1973)は、おそらく、それまでに提案されたニッチ概念をうまくまとめようとしたようで、定めた基準を単純に適用していない。複合的、あるいはむしろ錯綜的である。
(a) は機能的概念だとしている。
(b) は生息場所的または場所的ニッチ概念だとしている。
ここには、機能的か非機能的か、生息場所的か非生息場所的かという二つの基準がある。したがって、或る概念が、
1. 機能的で生息場所的
2. 機能的で非生息場所的
3. 非機能的で生息場所的
4. 非機能的で非生息場所的
という分類カテゴリーが生成される(分割表)。
同定すれば、
(c) は、1。
(a) は、2。役割という語の(メカニズム参照的)解釈次第で、1。
(b) は、3。もしかして、共同体内要因と共同体間要因の解釈次第で、 1。
結局、4というカテゴリーに納まる概念は、Whittakerほか 1973の分類においては、無い。なぜ、無いのか。
(b)では、「或る種がどう分布するかという関係」という文言がある。関係だとしているが、両者の性質から構成されるものなのか、両者の性質の間の関係なのかが、あるいは両方を場合に応じて使い分けるのかが、不明である。
また、「(b) では「ニッチ」は「生息場所」と同義となる」というのも、問題の焦点(の一つ)である。
次に、異なる視点からの分類基準を検討しよう。それは、何についてのものかという、定義がもとづく主体(主語)の問題である。
ニッチ概念の分類2
分類基準
さて、本題。分類作業は、分類基準によって異なる結果となる。
Whittakerほか(1973)は、おそらく、それまでに提案されたニッチ概念をうまくまとめようとしたようで、定めた基準を単純に適用していない。複合的、あるいはむしろ錯綜的である。
(a) は機能的概念だとしている。
(b) は生息場所的または場所的ニッチ概念だとしている。
ここには、機能的か非機能的か、生息場所的か非生息場所的かという二つの基準がある。したがって、或る概念が、
1. 機能的で生息場所的
2. 機能的で非生息場所的
3. 非機能的で生息場所的
4. 非機能的で非生息場所的
という分類カテゴリーが生成される(分割表)。
同定すれば、
(c) は、1。
(a) は、2。役割という語の(メカニズム参照的)解釈次第で、1。
(b) は、3。もしかして、共同体内要因と共同体間要因の解釈次第で、 1。
結局、4というカテゴリーに納まる概念は、Whittakerほか 1973の分類においては、無い。なぜ、無いのか。
(b)では、「或る種がどう分布するかという関係」という文言がある。関係だとしているが、両者の性質から構成されるものなのか、両者の性質の間の関係なのかが、あるいは両方を場合に応じて使い分けるのかが、不明である。
また、「(b) では「ニッチ」は「生息場所」と同義となる」というのも、問題の焦点(の一つ)である。
次に、異なる視点からの分類基準を検討しよう。それは、何についてのものかという、定義がもとづく主体(主語)の問題である。