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平衡共同体下でのニッチ

2010年09月10日 23時22分01秒 | 生態学
2010年9月10日-3
平衡共同体下でのニッチ

 1. 基本的出発点

  a. 平衡共同体においては、同一のニッチを占める二種は無い。

 問題点
  1. ニッチを解釈して、具体的な指示物と観測概念に変換すること。
  2. 生活するのは種ではなく、生物体である。
   種の生活とは、或る種に属する生物体の生活を観測して、それらに共通して観測される生活様式を抽出したもの。
   「二種」を、「二種に属する生物体」に変換すること。
  3. 平衡共同体をどう定義し、具体的にどう判断するのか。
   ここにも程度の問題がある。平衡とは何かの性質についての、時間的変化についての形容または述語である。
   →自然の均衡 the balance of natureという概念は、たとえば個体数動態の論争においては(当然ながら(しかし論理必然的ではなく))動的な捉え方になったために、表立っては廃れたように思うが(違うかもしれない)、(自然界の)異常気象という現象について、システムのメカニズム的に本質的なことは、均衡や平衡の問題である。→正または負のフィードバックが生じるメカニズム。


 2. 予測する事項

  1. 生物地理学的問題(おそらく生態学的問題でもあり、進化学的問題でもあるが、さしあたって)

 (地球上の[とりあえず諸惑星のなかでも、この地球に限定する])或る(抽象的な意味ではなく、地理的な=具体的な)場所に、(或る種タクソンに属する)(或る時点で(通常観測時点で)生きている)或る生物体が、いるかどうか。

  個体数動態(と個体群動態)
  the ecology of a population
   「或る個体群」という言い方をした場合、なんらかの収集体collection(⊂構築体)ないしはまとまり an organized entity(一つ以上の結合的性質によって編制された存在者)として捉えている。
  たとえば、或る自治体の境界内の人口を母集団として、それを推定する場合。それはしかし人為的に設定した地理的範囲として定まっている(むろん、どちらの自治体に所属するかで係争中のものとかある。飛び地は、ただ空間的に連続していないだけてある。その場合は、上空で接続していると考えればよい。)

 →個体群は、まとまりのある存在者かどうかの議論。時間スケールで見ると、結局、或る種に属する生物体としてしか、空間的には無い。或る個体群の空間的広がりを定めることはできない。実際の調査では、或る空間を定めて(標本抽出 sampling)或るタクソンに属する生物体のたとえば数(つまり個体数)や重量を測定している。ほとんどの場合、まとまりとしての母集団は明記されていない。それでも、仕事は進むのである。