生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

美術修行2010年7月14日(水)

2010年07月15日 00時53分22秒 | 美術/絵画
2010年7月15日-1
美術修行2010年7月14日(水)

  水の惑星に、雨が降る。
  ふるふる。

当たり前じゃん。

  どうしてこのようにあたし、雨は降るのか……

      (鯉杉光敏詩集/小説『幻想』第三部より)


 土砂降り(プチ・ゲリラ豪雨?)の合間をねらって、出かけた。

■ 印象派とモダンアート/サントリーミュージアム[天保山]/1000円。

 展示目録あり。音声ガイド500円(ガイド目録は無し)。図録2000円。一時間毎に10分ほどのスライドによる紹介をしている。
 ピサロ「モンフーコーの冬の池、雪の効果」、いいね。つまりは、雪景色が好きだから。
 モネも数点。しかし、ピンとこない。
 ルドンはなぜ、くすんだ色使いなのか。
 ワイエスは、ガッシュでもすごい。この迫力は緻密さだけでは出てこないだろう。

■ HUBBLE 3D -ハッブル宇宙望遠鏡-/40分/IMAXシアター/1000円。

 展覧会と一緒に買えば、1600円。15時から見た。
 次回のゴッホの予告編では、縦20m幅28mの馬鹿でかいスクリーンに、絵が映されて、圧倒的。
 3Dなので、スクリーンから10数m離れていても、「シーモンスター 3D」予告編では、たとえばサメみたいなのが当方の0.5m手前まで迫ってくる。「アバター」3Dと同様、不自然で、反って現実感が無い。この3Dは左右に二重になっているのを眼鏡で立体的に見る方式だった。
 ハッブル宇宙望遠鏡、ということで期待したが、内容は普通。星団も、2Dのほうがきれいに見えたのでは、と思った。

 3D映像を見、食事をしてから、印象派とモダンアート、へと戻る。
 「第3章 色と形の実験 ー20世紀美術の新しい表現」が目当て。とりわけ、フォンタナ。
 ヴァシリィ・カンディンスキー1925「一つの斑点(褐色上の赤)」は、てっきり、クレーだと思った。影響し合っていた頃だからかも。

 フォンタナ(フォンターナ)作品が5つ並べられた凹んだ一角があった。いずれも初めて見た。大満足。
 左から順に、

85. 1960 空間概念    100x80cm  愛知県美術館所蔵 〔灰黒色、3本切り裂き〕
88. 1964 空間概念    80.5x64.5cm サントリー美術館所蔵 〔金色、丸穴〕
87. 1962 空間概念    129x97cm  豊田市美術館所蔵 〔桃色、縦細穴〕
86. 1961 空間概念 期待 81x100cm  東京国立近代美術館所蔵 〔黄緑色、5本切り裂き〕
89. 不明 空間概念 期待 72.5x60cm  サントリー美術館所蔵 〔青色(cerulean blue?)、4本切り裂き〕

と展示されている。いずれも、前面にガラスか透明アクリルがあって、反射して見づらい。いろいろと、見る距離と角度を変えて見る。

 黄緑色のは、図録よりも少し緑濃くて鮮やか。慣れてくると、なかなか良い。青色とともに少なくとも1.5m離れれば、布目は見えなくなって、きれいに見える。
 86と89は、どちらがより良いかあるいは好きかは、甲乙つけがたい。この二つは特に良い。わたしなら、左から、

  87、88、、86、85、89

と並べる。87と88は別の一角にしたい。要は、

  黄緑色、灰黒色、青色

と、真ん中に灰黒色(色無し)を置いて、左右に黄緑と青を対照させる。

 かねてから、切り裂いた後ろは黒いのだが、どうなっているのか、部屋の係の人を通して学芸員さんに訊いてもらった。すると、黒い布を貼付けているとのこと(thanks)。そこで、もう一度見ると、3点とも、切り裂かれた筋のところに確かに細かい布目が確認できた。穴状の2点では、2cmほど離れた板に黒く塗っているようである。

 Lucio Fontanaの作品は、他にこれまで、東京で2点(縦長楕円=「神の終焉」、と青)、軽井沢で数点、大阪で1点見た。
 滋賀県立近代美術館に1962年作があるなど、国内所蔵で見ていないのが10点くらいありそうだ。

ルーチョ・フォンタナの経歴と作品:
http://www.b-sou.com/palm-Fontana.htm


 歩いて、

■ 現代美術インディペンデントCASO展 2010/海岸通ギャラリー・CASO/無料
http://www5a.biglobe.ne.jp/~caso/lib/100630independent.htm

へ。
 小畑亮平作品が良い。正方形のパネルを4行4列に隙間ないように配置。大理石のような図柄。なかなか気品がある。斜めからの方向になるが、椅子に腰掛けて見るとまた、違った印象になる。これが全面的に動的になると面白いかも。あるいはそれは、なじまない?
 しわしわがうまくできているが、技法はわからない。わずかな隙間から推定すると、黄、緑、の上に青?、灰色?などの絵具を、ゆるゆるにしたものを面を平らにして、したたらせたのではないか。
 小畑亮平websiteは、
http://ryoheiobata.com/
 『抽象へのいざない展』2010.9.28[Tue]-10.5[Tue] ギャラリー菊 大阪市北区西天満4-9-2、を見る算段をしよう。


 風間虹樹作品は、照明が異なるのか、数日前に見たときはくすんだ感じだったが、そのときよりも銀と青が鮮やか。龍形は、特に下方はもっとばらけて、律動的にすべき。最上に振りかけた白墨をかなり削ったそうだが、まったく振りかけたままにするか、あるいはまったく振りかけなかったほうがよかったのではないか。偉大なる失敗作。


左から、間絵里、石田克、風間虹樹の作品。