生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

美術展遁走録

2010年05月06日 01時17分24秒 | 美術/絵画
2010年5月6日-1
美術展遁走録

2010年5月4日
 CASOでのポスターによって、「かたちのちから」を知り、長堀橋へ。
 ・かたちのちから 高度成長期の美術篇 [大阪市立近代美術館コレクションを中心に] 展/大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室/500円。[撮影禁止。出品目録あり。図録は無し。]
 http://www.osaka-info.jp/jp/search/detail/event_8933.html
では、「大阪市立美術館コレクションを中心に」と「近代」が無い。出品リストでは、「近代」がある。
 上村智裕「作品」の解説文に、「作品の物理的なサイズを越えて広がっていくような、逆にいうと無限に拡がっていく絵画世界の一部を切り取って作品化したような抽象作品はこの時代に考え出された新しい方法と考えます。」とあった。この例では明るい面の外に縁のように暗い部分があるので、それほど拡がっていくようには感じられなかった。それはさておき、折角の解説文なのだから、出品目録を2頁ぐらい増やして文を収録してほしかった。
 具体美術の作者の作品が多かった。パンリアルの人のも少し。
 面白かったのが、いくつか。正延正俊「作品」は線が踊っていて心地よい。草間彌生「アキュミュレーション」は4つの縦長画面が横に並ぶが、それぞれの中央にスポット光が当てられていた。網模様だが、(灰色の作品よりも)赤いほうがいい感じ。高崎元尚「装置67」は二つのスポット光に照らされて、四角いものがめくれたようになっているためにその影が画面に投影される。

 わが課題。単純化と組み合わせ化。素材の物としての感覚、表面からの入射光の素材感という抽出体。

2010年5月5日
 長谷川等伯展は、出遅れたら80分待ちとかで、行くのを止めた。
 まず、
 ・京都市美術館コレクション展 第1期 円と方/500円。[撮影禁止。出品目録あり。モノクロだが106点すべてについて小さいが画像有り。快挙。図録は無し。]
 「円と方」という企画の着眼点が面白い。
 しかし、聖人たちの光背・後光・光輪を丸い形であることから説明するのは、こじつけだと思う。いわゆるオーラを表現したものだろう。54の観世音菩薩像では、身体全体に表面から1~数cm幅で明るくなっているではないか。
 興味を引いた館勝生《smell》は、左辺を上にしたほうが面白くなると思う。手を加えるならば、天地を逆にして、右方の要素を生かし、それがひきたつように左方の要素を工夫するするとよいだろう。
 最後の現代の近いところの展示物は、面白かった。粘土を指で押し込んだのとか。

 ・2010 Ge展/京都市美術館/500円。[無断撮影お断わり。出品目録あり。]
 小西乱土「三体夢」は、夢という字を綿布に大きく墨で描いたような(しかし拡大して印刷するNECOプリント)もので、よいのは焔のようになっている部分。それが左右にあり、まんなかはもっと迫力がほしいところ。
 藤永覚誠作品は、画像ではよく見えるだろうが、紙という薄さがそのまま出てしまっている。一部よいところがある。また、白透明のピンで留めるのではなく、目立たないようにするとよいだろう。

 京都市美術館では、他に入場無料の展示を二つ見た。

 ・マイ・フェイバリット?とある美術の検索目録/所蔵作品から/京都国立近代美術館/850円。[フラッシュなしの撮影可。出品目録なし。解説無しのモノクロに近い図録は1400円]
 収穫は李禹煥の「刻みより」。板を彫刻したもの。すでにやっていたとは。ただ作品としては美しくない。
 近代美術館の外では、箱を開けて中のものを見る方式の展示物があった。

 ・堀井克代展?草木の世界観?/ギャラリーヒルゲート/入場無料。
 色彩華やかで、形態も様々。