生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

社会力の分類と結合関係(Mario Bunge氏の『政治哲学』から)

2011年11月01日 14時55分31秒 | 生命生物生活哲学
2011年11月1日-1
社会力の分類と結合関係(Mario Bunge氏の『政治哲学』から)

 日本政府は、その予算つまり税金を毎年一兆円程度を温暖化対策に当てているらしい。果たしてたとえば指標となる二酸化炭素気体の、日本における排出量は減ったのであろうか? 排出量は実測しているのであろうか。あるいは、信頼できる推定値なのであろうか。あるいは、算定法に様々な問題は無いのか?
 温暖化取引詐欺にひっかかって、温暖化気体排出量低減に役立たずに税金を失う危険性(この危険性は、排出権取引下の対抗リスクに算定すべきではないか?)。この場合、詐欺による取得者が金銭によって何かを消費すれば、温暖化気体排出が増えるかもしれない(この危険性も、排出権取引下の対抗リスクとして加算すべきではないか?)。机上の計算的思考と現実世界との差。それも隠された計算のうちだが、言わないということか。

 さて、Mario Bunge (2008[published?] or 2009[copyright]: p.189)『政治哲学 Political Philosophy』から。社会力〔社会権力〕について。
 
  「最初の区別は、個人〔的〕力 personal powerと社会〔的〕力 social powerの間である。〔略〕要は、個人力は個人から個人への関係であるが、社会力〔社会権力〕はシステムから個人またはシステムへの関係である。
 社会力を、4つの異なる_種類〔類〕kind_に識別すべきである、と下記のように提案する。
  1. _生物-心理的:脅迫する、または物理的に威圧する能力 ability。いじめっ子と被害者、そして軍隊と市民の関係におけるように。
  2. 経済的:経済的資源を動員する能力。雇用するか解雇するとき、貸すか借りるとき、購買するか没収するとき、のように。
  3. 文化的:信念を変更する能力。教育したり洗脳するときのように。
  4. 政治的:人々に、或る一定のことをするように強いる force、政治的システムの力。政府が税金を課して調達する力におけるように。

 これらの類のいずれかの力は、多くの社会システムによって、行使され得る。すなわち、〔主権〕国家 state、暴力団、政党、草の根運動組織、市民軍〔民兵〕、法人、世界貿易機関 WTO〔原文のTWOは誤植であろう〕、国際通貨基金 IMF、教会、非政府組織、そしてその他である。これらの作用者 agentを、力の資源 sourceと呼ぼう。力関係の形式的複雑さに注意されたい。すなわち、作用者wは、類xの力を、個体またはシステムyに対して、zをするように、行使する、である。略して、_Pwxyz_である。ゆえに、力関係は四つ組である。しかし、種類と目標が与えられているとするならば、力は二項関係へと縮小され得る。」(マリオ・ブーンゲ『政治哲学:事実、虚構、そして展望』: p.189。20111101試訳 )。

 この本のこの後では、社会力について、資源 sourceと種類または類 kindを分けることについて議論している。