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《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

歴史的制約(=自由度の種類と程度)

2010年02月10日 15時14分07秒 | 美術/絵画
歴史的制約(=自由度の種類と程度)

  「歴史とは断絶を含みつつも相互に連関した一つの過程である、というヴェルフリンの洞察は、ダントー〔Danto ダントゥ?〕の歴史観よりもおそらく歴史の実態に近い。」(小田部 2009: 242頁)。

 歴史の実態なるものは存在するのか? 「実態」で何を意味しているのか? どのようにしたら『実態』についての主張(仮説)を立てることができ、実態に照らして主張を試験 testできるのか? 
 人が脳の構築的空間において存在させるだけのことではないのか? そもそも歴史とは記述ないしは主張において仮構するにとどまるものではないのか? 批評空間では強力に言ったもの勝ち以外にはないのではないか? もし、たとえば或る絵画作品を『説明する explain』ということがあるとして、ではどのようにして説明力や説明の成功度を測定するのか?

  「ヴェルフリンはここにおいて、歴史を(複数の断絶した)単線として捉える代わりに複線として捉える可能性を示している」

 ここでの線という単位は、何を(物または事として)指しているのか? 線の絡み合い(の記述の様式または精度)によって、どんな単位とするのかも異なってくるだろう。