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信用創造/打出の小槌

2014年05月24日 01時26分37秒 | 政治経済社会学
2014年5月24日-1
信用創造/打出の小槌

 天野統康『サヨナラ!操作された「お金と民主主義」』で、わたしの興味深かったところを下記に引用する。

  「銀行業が通貨を作り出すのは、融資をする時である。〔略〕
 銀行業は融資をする時に、預かった現金を貸しつけるのではない。100万円しか預かっていないのに9,000万円をいきなり貸し出すことができる。」(天野統康 2012/11/25: 34頁)。

  「通貨の増減が分かりにくい理由の一つは、中央銀行と民間銀行の二段階システムで通貨を増減させていることだ(図9参照)。
第一段階
 中央銀行は主に民間銀行が中央銀行に設けている日銀当座預金という口座との取引を通じて、通貨を増減させている。」(天野統康 2012/11/25: 36頁)。

  「第二段階
 一方、民間銀行が通貨を増減させる方法は、企業への融資や国債の購入などのように、主に一般市場を通じて行〔な〕われる。そのため、民間銀行による通貨の増減は私たちの生活に直接的な影響を与える。」(天野統康 2012/11/25: 38頁)。

  「銀行業が通貨を作るが、実は我々国民が選ぶ政府は通貨を作っていない。
 日本銀行は政府の正式な機関ではない。」(天野統康 2012/11/25: 39頁)。

  「A氏から100万円を預かった場合、A銀行は日銀の当座預金口座に100万円を預ける。そうすると預金準備率を1%とした場合、その99倍の9900万円を貸し出すことが可能となる。
 なぜ、99倍なのかというと、銀行が貸し出すと同時に預金が作られるためである。日銀の当座預金口座に預けた100万円が、貸し出したときに発生する預金99900〔誤植?→9900〕万円の1%を満たすからだ。」(天野統康 2012/11/25: 41-42頁)。

  「銀行が通貨を作り出す営みを「信用創造」というが、この呼び名は現代の通貨の本質を見事に表した言葉である。預金通貨とは法律ではなく、市場の無意識的な「信用」によって創造された取引されているものなのだ。
 実は外国の憲法の多くにも通貨発行権の記載が明記されていない。そういう意味では日本国憲法は世界の常識にかなっているということもできる。しかしなぜ、日本も含めた諸国家の多くが通過発行権を政府が行〔な〕うと明記していないのだろうか?
 そこに現在の通貨システムの根深い国際的な問題が孕んでいるのである。」(天野統康 2012/11/25: 48頁)。


===http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=5053039

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2013年9月23日-2
日本政治経済支配構造関連本

[あ]
安部芳裕.2012/9/25.世界超恐慌の正体:コーポラティズム vs 国民国家の最終戦争.346pp.晋遊舎[新書 S08].[900円+税][B20121012][Rh20130505]

天野統康.2012/11/25.サヨナラ!操作された「お金と民主主義」 なるほど!「マネーの構造」がよーく分かった.333pp.成甲書房.[1700円+税][B201306??][Rh20130629]

[と]
*苫米地英人.2013.1.原発洗脳:アメリカに支配される日本の原子力.264pp.日本文芸社.[Rh20130319]

[は]
長谷川幸洋.2013/1/18.政府はこうして国民を騙す.261pp.講談社.[952円+税][B201306??][Rh20130612]