goo blog サービス終了のお知らせ 

かりんとうの小部屋Z

このブログでは趣味や仕事や生活について、まったりと語っています。

私が一番おそれていること

2006年02月21日 21時24分46秒 | むかしばなし
僕が一番こわいのは、ひとの輪からおいだされることです。
今でも怖いです。いつでも、自分は捨てられるのではないかと思っています。
捨てられる恐怖、というのは捨てられた人にしかわかりません。


今日はあまり楽しいことが書けません。いつも見てくれている人、ありがとう。
ごめんなさい。明日はきっといい日です。
私にとってもあなたにとっても。 

茨木のり子さん

2006年02月21日 20時49分50秒 | BOOK
私が一番きれいだったとき

私が一番きれいだったとき 街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて きれいな眼差しだけを残し皆発っていった

わたしが一番きれいだったとき わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか ブラウスの腕をまくり卑屈な街をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき わたしはとってもふしあわせ
わたしはとってもとんちんかん わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように 




そんな馬鹿なことってあるものか のところでいつも泣いてしまいます。
今日もリンガーハットでちゃんぽんを食べながら泣いてしまいました。

とてもさびしいですね。