中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

宇宙エレベーター

2005年09月13日 | 日常
アメリカにおいて「宇宙エレベーター」のテスト運用認可、の報道。
俄かには信じ難く、慌ててリンクをたどってみるとどうも本当の話みたいだ。何より驚いたのは、すでにこの建築物構築を目的とした会社も設立されている。驚きだ。

SFの世界では既におなじみの「宇宙エレベーター」。簡単に解説すると、地上から大気圏を突き抜け、宇宙まで直接登れてしまうエレベーターのこと。確かアーサー・C・クラークが小説でこのアイディアを導入してから有名になったものだと記憶する。

概要を聞く限り実に荒唐無稽な話に思えるかもしれないが、大気圏という大きな障害がある限り、SFに描かれるように、地上と宇宙を自由頻繁に往来するというは現実的に不可能に近く(コストの面で)、またSFで「あたりまえの」反重力の推進機構、というのも物理学の常識が根本から覆るような何かが起こらない限りありえないこと。そう意味において、実はこの宇宙エレベーターという案、意外に現実的な選択肢なのだ。そのように巨大な構造物を人類が構築することさえ叶うならば。

建築技術に全く疎くても、5万Kmにわたる建築物なんて「ありえない」と普通思うところなのだけれど(個人的にはあくまでもアイディア上の遊び、だとずっと信じていた)、それを実現に向けて動き出した人がいる、というのだから本当に世の中わからない。

この壮大なアイディアを実現に移そうと動き出したのはアメリカのLifeport社。あくまでも今回の話は、テストを実施する許可を得ただけであり、宇宙エレベータ実現の目処がついたわけではない。にもかかわらず同社ウェブサイトには既に、プロジェクト達成時期を設定(2018年)、サイト上でカウントダウンまで行っている(この理由については彼らもサイト内で説明している)。日本人の感覚からすると目処もたたないのにいい加減な、と思う向きあるかもしれないけれど、彼らの行動力についてはやはり素直に感心せざるを得ない。否定するだけでは何も生まれない、の典型ではないだろうか。無謀であろうが、とにかく実現に向け動き始めた事、個人的には素直に評価したい。

ニュース報道でのLifeportの社長の言葉「今後も我が社は、不可能に思えるような任務をもこなすべく、一歩一歩前進していく」。なんだか聞いているこちらにまで勇気の湧いてくる言葉だ。

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