検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

原発ゼロでも電力は大丈夫、政府も認める

2013年09月10日 | 検証・電力システム
 原子力発電が稼動しなくても必要電力はまかなえる。これは政府も言っていることです。
 例えば、今年(2013年)4月26日、政府は2013年度夏季の電力需給対策を発表しました。これは「電力需給に関する検討会合」のとりまとめを受けてのものです。
 この発表の前、電力需給検証小委員会が「2012年度冬季の需給検証」結果を発表しています。「いずれの電力会社管内においても、最大需要日において、瞬間的な需要変動に対応するために必要とされる予備率3%を超えており、需給ひっ迫に至ることはなかった」という結果でした。
 予備率とはピーク需要電力量に対して供給力(発電出力)の余裕割合です。
要するに、原子力発電が稼動していない中で、冬のピーク需要はまかなえたということです。
 さて、今年夏の電力需給はどうだったのでしょか。
その予測を分析したのは「電力需給に関する検討会合」です。2013年4月26日に「2013年度夏季の需給検証に当たっての基本的な考え方」を発表しました。

 この中で供給見積もりをしていますが再生可能エネルギー(太陽光、風力)については、下記のように見積もりました。
○太陽光発電は、固定価格買取制度による導入増を考慮しつつ、確実に見込める出力を評価。
○風力発電は風況によりピーク時に出力がゼロになることがあり、供給 力として計上しない。
 
 注・太陽光発電の2012 年度夏季実績は121 万kW でした。2013 年度夏季の太陽光発電の供給力の見込みは、9 電力の合計で119 万kWです。2013年度の見込みが少ないのは2012年度の日射量は予想より多かったこと。2013年度は日射量が少なくなることもあるのでリスクを考慮して供給力を減らしたと説明しています。
 風力発電を供給力に計上しないのは、 「ピーク時に供給力の実績がほとんど出ない場合も相当数あるため、ピーク時に確実に見込める供給力として評価することは困難である。したがって、風力発電については、2013 年度夏季のピーク時の供給力としては見込まない」と判断したからだと言っています。

 その上で、2013年度夏季の電力需給見通しは「2010年度夏季並の猛暑となるリスクや直近の経済成長の伸びなどを織り込んだ上で、いずれの電力会社管内でも瞬間的な需要変動に対応するために必要とされる予備率3%以上を確保できる見通し」と判断。
 その見通しを各社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、北陸電力、中国電力、四国電力及び九州電力)ごとにみたのが下記の表です。
電力需給検証小委員会報告書(案)について(概要)(平成25年4月)
   関西電力だけが原子力発電2機稼動しての見通しですが他の電力会社の原子力発電は稼動ゼロです。そしてこの夏、猛暑でしたが「計画停電」も「電力使用停止命令」も発することなく、夏は過ぎ去りました。
 政府が予想した通り、原発はなくても電力は間に合ったのです。
 そして気になることは太陽光発電、風力発電です。実際はどうだったのでしょうか。 政府はほとんど評価していません。無視しているように感じます。





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