夏原 想の少数異見 ーすべてを疑えー

混迷する世界で「真実はこの一点にあるとまでは断定できないが、おぼろげながらこの辺にありそうだ」を自分自身の言葉で追求する

新型コロナ(COVID-19)おかしなことだらけ⑨「日本は諸外国に比べ周回遅れ!」

2020-04-15 17:01:21 | 政治
 世界の状況は、中国での感染は収束のきざしが見え、韓国、台湾、香港もピークは過ぎ、欧米でも今がピークを迎えているのではないかと報道されている。そして、その他の貧しいアジア、アフリカ、中東、中南米の国々は、これからもっと過酷な状況に陥る可能性がある。その時は、先に収束が近づき、余裕を持った国々、所謂先進国が、貧しい国々を救済する義務を負う。
 しかし、一か国だけ先進国の中で遅れている国がある。日本である。
 中国はもとより、韓国、台湾、香港、欧米は(スウェーデンなど例外的な政策をとっている国を除き)、今が最も厳しい行動制限を課しているが、いつからそれを緩めるかの議論に入っている。にもかかわらず、日本政府は「緊急事態宣言」といっても、海外メディアから多くの批判を浴びたように、未だに中途半端な行動制限しか課していない(「要請」といっても事実上の命令である)。日本政府はクルーズ船の対応の不備から始まり、野党などから「後手後手」と批判されても、それでも極めて鈍い反応しか示さない。
 コロナウイルス対策の基本は、1.広範な検査、2.医療体制の拡充、3.徹底した行動制限とそれを可能にする充分な経済的救済措置であるのは、今や世界標準とも言っていいほど、どの国の指導者(一部ブラジルのボルソナロなどを除くが)も、国により早さの違いはあったものの、その方針を選択している。しかし、日本政府だけがこの方針をとらず、三つの方針すべてに逆行している。この三つすべてが遅れている。
 しかし、いつかはこの三つの方針をとらずにはいられない。そうでなければ、収束が見えないからである。今後も、しぶしぶ検査数を拡大せざるを得ないので、未検査の感染者が確認され、じわじわと確認例は増えていくに違いない。医療現場の悲惨な状況から、医療体制の強化に思い腰を上げざるを得ない。経済的救済措置も支持率急落の恐れがあるから、少しは力を入れ、行動制限も厳しくせざるを得ない。
 だがその時は、他の先進国では、どのように収束に向かっての政策をとっていくか、議論が進んでいる頃だろう。大阪医師会会長の茂松茂人が「だらだらやっているとそれだけ収束まで長くなる。思い切りある決断が必要だ 」(毎日新聞4月14日)と言ったが、まさに日本は「だらだらとやっている」状態なのだ。日本は、諸外国に比べ、完全に周回遅れ、それも2周3周の周回遅れの状態なのだ。その分、国民は悲惨な思いが長く、かつ、とてつもなく重く続くことになる。
 因みに、コロナウイルスの「終息」は、はるかに先のことであり、当面は「収束」(物事の混乱していた状態が、一旦落ち着くこと )という言葉しか使えない。
 

コメント (1)
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