夏原 想の少数異見 ーすべてを疑えー

混迷する世界で「真実はこの一点にあるとまでは断定できないが、おぼろげながらこの辺にありそうだ」を自分自身の言葉で追求する

安倍国葬「日本型ネオ・ファシズム確立へ、また一歩進む」

2022-07-27 11:44:00 | 社会

 7月22日、日本政府は8日に殺害された安倍晋三元首相の国葬を正式に決定した。国葬の開催基準や方法など明確な指針がない中で、「歴代最長の期間、総理大臣の重責を担い、内政・外交で大きな実績を残した」などを理由に挙げている。「大きな実績」というが、その評価は人によって異なり、また「歴代最長」なら、なぜ国葬なのか、まったく説明のないまま、早々と決定したのである。
 当然のことながら、賛否両論があり、南日本新聞のアンケート調査では、反対が72%に上るなど(7月25日)、かなり多くの人が反対しているのが実情である。
 そもそも国葬とは、宮間純一・中央大教授(日本近代史)によると、戦前の国葬は天皇の裁可、勅令の「国葬令」に基づき「国家に偉功ある者」が対象となった。それは、天皇を中心に功臣を弔うことで国民を統合する機能を持った。例えば1943年に戦死した連合艦隊司令長官の山本五十六の国葬が執り行われたが、宮間氏は「国民人気が高かった山本の国葬を営むことで、山本の遺志なるものを継いで戦争に協力するよう国民に促した」 (以上、毎日新聞7月22日)という。戦後は、吉田茂が国葬となったが、その時も反対意見が続出しているという。
 以上のように、歴史的経緯を見ても分かるように、要するに、日本では、国葬は政府が政治的目的をもって行うものなのである。
 その政治的目的を、毎日新聞は、「国葬の開催に踏み切ることで、国際社会での影響力を高め、安倍氏を支えた保守支持層を引き寄せる 」(7月22日)ことだとしているが、直接的な狙いはそこにあるとしても、反対意見もある中で国葬を強行することは、単なる儀式などではなく、安倍晋三は国葬に値するほどの「偉人」であり、「良いことをした人」だという政治宣伝という意味をもつ。安倍晋三が最も力を入れて推し進めてきた、国家権力の強化と軍事力の拡大を目指す改憲の動きを、国葬に値するほど「内政・外交で大きな実績」と宣伝しているのである。その「偉人」の功績を継ぐのが、自公政権だと宣伝しているのである。

 マスメディアの報道姿勢
 殺害当初は、遊説中の事件だったこともあり、「民主主義の脅威」とする報道が多かったが、容疑者の母が信者だった旧統一教会が、自ら会見を開いたことから、「特定の宗教団体」として宗教団体名すら、分かっていながら隠していたマスメディアは、旧統一教会がやってきたことに、言及せざるを得なくなった。旧統一教会に家庭を破壊された容疑者がそれを恨み、旧統一教会と関係が深く、かつ大きな政治力を持つ安倍晋三を同様に恨み、殺害したのが動機であることが判明したからである。
 かねてから、旧統一教会の時事上の「献金」の強要は問題視されており、あまりに悪質であることから、1980年代頃は新聞・テレビは、その問題を追及する報道を繰り返していた。しかし、旧統一教会の「献金」強要は、その後も続いていたにもかかわらず、マスメディアは一切追求することを辞めたのである。それは、「クレーム対応や訴訟への発展を恐れた」(鈴木エイト「週刊金曜日」)からでもあるが、何よりも、この旧統一教会が、政治的には、反共を掲げる極右集団であるからである。宗教団体としての極右団体は、旧統一教会以外にも、日本会議の中核構成メンバーの神社本庁など自民党を筆頭とする日本の右派勢力と強い繋がりをもっている。勿論それは、極右というイデオロギーの同一性からくるものである。だから、イデオロギー的同一性から旧統一教会関連団体にメッセージを寄せた安倍晋三という極右政治家と強く結びつくのである。そしてこの勢力は、政権党という権力側にいるのである。ここに、マスメディアが、旧統一教会の問題追及を辞めた理由がある。旧統一教会を追求することは、権力側にいる政治勢力を追求することに繋がる。そんなことは、マスメディアの経営上、できれば避けたい。それが、マスメディアの実態なのである。

テレビ局のディレンマ
 容疑者の「恨み」が判明した後は、テレビ、特にワイドショーでは、霊感商法弁護団をも出演させ、旧統一教会の好意の悪質性を報道するようになった。それは、1980年代に、「占い商法」「印鑑販売」「壺売り」「高麗人参売り」、そして1992年の桜田淳子ら有名人が参加した「合同結婚式」 などありとあらゆるカネ集めと人権無視を繰り返す旧統一教会をテレビがワイドショーを中心に報道してたことを彷彿とさせるが、その時と異なるのは、安倍晋三が殺害されたことから、しぶしぶ、この旧統一教会と政治家との繋がりにも言及せざるを得ない点である。
 勿論、この旧統一教会ネタをワイドショーでやるのは、視聴率が取れるからである。しかし、ここにテレビ局のディレンマがある。旧統一教会の行為が悪質なら、選挙活動支援を受けるなど、繋がりを持った政治家にも責任があるのではないか、安倍晋三もその一人で、その人物が国葬などというのは、少なくてもこの点に関しては大いに疑問が残る、という論理展開にならざるを得ない。これは、1足す1は2,というようなもので、誰が考えても分かる論理である。しかし、それでは、政府を敵に回すことになり、そんな報道の仕方はしたくない。高視聴率は欲しいが、政府に睨まれたくはない。う~ん、困った。それが、テレビ局の本音だろう。
 そこでテレビ局は、ワイドショーの自民党応援コメンテーターに、政治家との繋がりをごまかす、安倍晋三への直接批判は決してしない方向にもっていかせようと努めさせることにした。吉川美代子に「共産党の旧統一教会追及はパフォーマンス」と言わせ、八代永輝は「(山上容疑者は)非常に幼稚なんだな、精神構造が 」と容疑者だけに問題があるように発言し、野村修也は「(旧統一教会の選挙支援を)やっている活動自体はそれほど、普通の団体がやっていることと違わない。日弁連だってロビー運動やってますからね。だから当然のごとく議員会館に入って、みんな主義主張を述べていて、それを悪い行為だって言っている人は誰もいない」 などと、批判の矛先を自民党に向かわせまいと必死な発言を繰り返し放送することにしたのである。
 もとより、内容が視聴率に大きく影響することのない夕方、夜のニュース番組では、山上容疑者の足取りや武器製造等は詳しく報じ、旧統一教会関連は控え目に報道している。このように、テレビ局全体の放送としては、旧統一教会と政治家との繋がりは少な目にするという工夫が随所に見られるのである。
 新聞は、と言えば、読売、産経、日経といった政権応援団は当然のように、自民党に都合が悪い報道は控え目であるが、自民党にすり寄る姿勢が明白な朝日新聞も、旧統一教会と政治家との繋がりについては、ほとんど記事にしておらず、毎日、東京がいくらか記事にしているという状況である。(7月28日になって、さすがに朝日新聞もいくらなんでもひどすぎる報道ぶりに、新聞社内部で問題になったのか、「論壇時評」に東大院教授林香理にマスメディアの報道姿勢を批判する論考を載せている。)

強行される国葬
 安倍晋三の国葬に、政党では、立憲、共産、れいわ、社民が反対を表明しているが、何と言っても、議席数3分1以下の少数派であり、国葬決定を覆すほどの力はない。結局、国葬は強行される。政府が「国民に喪に服すよう強制する考えはない 」と言ったところで、その時は、テレビ、新聞は国葬一色となり、安倍晋三を批判するのは、「死者に鞭打つような」良くないことという空気が醸し出され、安倍晋三賛美に終始するという状況が生まれるのは間違いない。
 国葬に反対な人には、諦めが生まれ、どちらともつかいない人には、やはり安倍晋三は「いいことをした」、「偉人」なのではないか、という意識が住みつくのである。

 日本型「近似」ファシズムとマスメディア
 権威主義と批判されるロシアでは、政府に批判的な報道にはあからさまな弾圧があるが、日本では、その必要はない。政府に批判的な報道は控えるという忖度をマスメディアが自らしているからである。政府は、せいぜい政府批判を「偏向報道」と文句をつければいいだけである。その異なるやり方でも、ロシアも日本も、政府に批判的な報道は少ないという結果は変わらない。
 人びとは、何が世の中起きているのかを知るのは、マスメディアによってしかない。SNSも、所詮、マスメディアが報道したことに、尾ひれをつけてなされるだけである。ロシアのウクライナ侵攻を、ウクライナからのSNSで初めて知ったなどという日本人は、ウクライナ在住の者だけだろう。日本に住んでいれば、すべて、最初はマスメディアの報道から知るのである。そして、マスメディアの報道の仕方によって、何が起きているかの印象は大きく左右される。だから、ロシアでは、マスメディアを政府統制下に置くのである。
 「マスメディアは、『何を伝え、何を伝えないか』という情報の選択を通じて、人びとの現状認識を構成する効果を持つ」(稲増一憲「マスメディアとは何か」)。そして、そのことは、政権を支持するか否かに大きく関わる社会的意識を左右する。マスメディアが政府に都合のいい記事ばかり報道し、都合の悪い記事を報道しなければ、その分、政府は選挙で有利となる。それが、日本のマスメディアがやっていることなのである。日本のマスメディアが、時事上の自民党一党支配化を後押ししているのである。
 日本は、世界中稀に見る政権交代がない国である。日本以外の国は、権威主義と呼ばれ、(例えば、政権交代のない人民行動党政権のシンガポールは、「開発独裁」と呼ばれる。)政治制度に疑問が持たれる。その見方からすれば、日本の民主主義は極めて疑わしい。ファシズムそのものだとは言わないが、ネオがいくつかつく、日本型「近似」ファシズムだと言うのは、言いすぎではないだろう。
 
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コロナ対策「日本政府には、アホしかおらんのか」

2022-07-22 11:08:17 | 社会

 今年も夏になって、コロナ感染者が急増している。昨年も同じことが起きたのは、誰でも記憶していることだ。オミクロン株は、今年の冬にも急拡大した。コロナウイルスは、夏冬の人びとの移動する時期になると急拡大するのである。恐らくは、専門家も指摘しているとおり、冬も夏も窓を締切るので、換気が悪くなり、空気感染が増えることが最大の原因なのだろう。
 
 そして、何故か日本は欧米等に比べ、2週間程度遅れて急拡大するのである。今年の冬もヨーロッパでは、昨年12月初旬から急拡大が始まり、日本では12月末になって拡大し始めた。今年の夏も、ヨーロッパでは、6月初旬から拡大し始め、日本では、6月下旬である。
 
Our Word in Data 感染確認数1週間平均推移 EU 日本の比較

 上記のグラフで見ても、実際に起きているのは、欧州の感染拡大から2週間程度遅れて日本では拡大し、4,5週間でピークを迎え、その後減少するということである。その急拡大の要因は、世界的には比較的医療体制が整備されている地域で、感染が空気感染が主と考えれば、人びとが集まるイベントが多い夏、冬には換気が悪化すること、そして欧州は夏、冬の温度変化が日本より2,3週間早いということから説明がつく。
 
 いずれにしても、夏になれば感染が拡大するのは「サルでも」予想がつく。専門家が何と言おうと、コロナに関しては当たったためしがないAI予測が何と言おうと、現実には、夏になれば感染が拡大するのである。にもかかわらず、政府が予定していたのは「全国旅行支援」という「感染拡大支援」策である。さすがに延期したとはいえ、「日本政府には、アホしかおらんのか」である。
 そもそも、多くの人は旅行に行きたくてうずうずしており、少々カネがかかろうと、安全ならば、つまり感染拡大防止策が徹底されていれば、旅行に行くのである。それを、防止策よりカネを配って旅行に行かせるという発想は、としか言いようがない。(恐らく、「マイナポイント」同様に、「支援」策にかかわる政府御用達のデジタル業者を儲けさせようという算段なのだろうが……)
 
ワクチン接種の推進以外にできることはない 
 コロナ対策は世界的に、第一に医療体制の整備、第二に行動制限、第三にワクチンであるのは、疑う余地がない。日本では、第一の医療体制整備は、欧米と比べると惨憺たるものだが、その根本原因は、欧米の医療機関は公的大・中規模病院が半分以上だが、日本では小規模民間病院が圧倒的に多数を占めていることに起因する。大規模病院は、コロナ外来を他の疾患者と分離して診療することができるが、市中の小規模クリニックで、コロナ外来とそれ以外を同時に扱うことは極めて難しい。小さなクリニックで、コロナ感染者の隣で他の疾患の患者を待合室で同席させることなど、コロナはインフルエンザと同じだと言わない限り、不可能なのだ。つまり、医療体制を根本的に変革しない限りできる話しではない。その方向に変革するのには、社会主義的要素を含む、医療の公的化という反市場主義、反新自由主義という方針転換が必要であり、自公政権ではその方向性は不可能である。結局、マスメディアがどんなに医療の逼迫と大騒ぎしようと、できないものは、できないのである。
 第二の行動制限は、中国のような強権で臨むことはできないので、もはや、人びとの同意を得るのは困難で、事実上不可能である。したがって、政府のやるべきこと、できることは、ワクチン接種の推進以外にない。特に、欧米より4分の1しか累計感染者がいない日本(日本だけでなく、東アジア全域で同様。2022年7月18日100万当り累計感染確認数EU347千人、日本83千人Our World inData)では、自然免疫を持つ人が少なく、ワクチン接種で免疫力を高めるしかないのである。
 
 そもそもコロナワクチンは、免疫力を高めることによって、ウイルスの増殖を抑制する効果をもつ。日本のメディアに登場する専門家は、奇妙なことに、既に置き換わったBA.5には、ワクチンは重症化を防ぐ効果が減少することを強調するが、減少は効果がゼロになったという意味ではない。上昌弘氏は、イスラエルの研究チームが、米『ニューイングランド医学誌』に「 60歳以上の高齢者に対して、4回目接種を行った。3回接種群と比べ、接種後7~30日間の感染リスクは45%、入院リスクは68%、死亡リスクは74%低下した」と発表したと指摘している。さらに、「英国の研究チームが、4回目接種を受けた166人を対象に抗体価や細胞性免疫を評価し、いずれも上昇していた 」と英『ランセット感染症版』に報告 しとことを指摘している。また、ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏も、「ファイザー社製ワクチンの3回接種を終え4か月以上が経過した医療従事者約1000名が対象で、このうち154名(平均59.0歳)がファイザー社製ワクチンの4回目接種を、120名(平均55.1歳)がモデルナ社製ワクチンの4回目接種を受けた。3回目接種のみと比べた4回目接種効果は、感染予防効果がファイザー社製が30%、モデルナ社製が11%であった。発症の予防効果はそれぞれ43%と31%であった 」(The New England Journal of Medecine誌)という論文を紹介している。(その詳細は政府分科会「本日の論点」でも詳述されている。)https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/69107/69107_20220513174703-1.pdf
 
 このように、ワクチンは、重症化も、発症も、入院するほどの症状悪化も減少させることは間違いないのである。そして重要なのは、重要を減少させる効果は「6週間減衰しなかった」が、感染予防効果は接種4週間後以降は、持続しなかったことが報告されていることである。つまり、感染拡大後でなく、感染拡大前に接種すれば、その分だけ感染拡大を減少させることができたはずなのである。

 ワクチン接種は、7月20日でも4回目の高齢者は31%しか進んでいない。医療従事者・高齢施設等従事者について、当初対象外とし、接種対象にする方針に変えたのは7月14日である。どう考えても、夏の感染拡大を予想すれば、遅すぎるのである。まとまな発想があれば、夏の前に、高齢者は3回目5ヶ月経過後を短縮し、3回目接種を受けていない世代に接種を推進する対策を行うべきだったのである。
 政府は、ワクチンの重要性だけは認識しているのか、ただ「ワクチンを打ちましょう」というインパクトのない寝ぼけたようなテレビCMを流してきた。コロナ対策予算を77兆円も組んでいるのに、あのような工夫もなく、誰も見向きもしない「アホな」CMを流しているのである。ワクチン接種に前向きな者は、ジャニーズにも一人ぐらいはいるだろう。「飛ぶ鳥を落とす勢いの」ジャニーズをCMに起用し、CMディレクターに作らせれば、感染拡大が著しい若年層のワクチン3回目接種は、確実に今より進むだろう。そのような発想が、なぜ政府にないのか? やはり、「日本政府には、アホしかおらん」のだろう。

 
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安倍氏殺害「自民党機関紙と化した、右傾化が著しい朝日新聞」

2022-07-18 09:53:52 | 社会
  朝日新聞の自民党へのすり寄りが止まらない。

 近年、じわりじわりと右傾化している朝日新聞だが、安倍氏殺害事件に関しては、一層の自民党へのすり寄りを見せている。7月18日の朝刊でも、一面に「民主主義の敗北」などという東大の宇野重規則の著しく的外れな意見を載せている。
 そもそも、この事件は、事実上の「献金」を強要する極右宗教団体によって、容疑者家族が家庭を破壊され、この宗教団体最高幹部の殺害を狙ったが、それが困難なことから、この宗教団体との強い結びつきが考えられる自民党内でも右派に属する政治家の安倍晋三を銃撃して殺害したというものである。したがって、選挙活動の妨害を狙った「民主主義の敗北」に繋がる言論封殺とは、別な次元の事件であるのは明白である。
 それにもかかわらず、朝日新聞は、この宗教団体、旧統一教会がどのような組織であるのか、また、政治家との結びつきはどのようなものなのかについては、一切記事にしていない。記事にしているのは、警察発表のこと細かな容疑者の武器製造など、容疑者の旧統一教会への恨みなどだけである。そして、「民主主義の敗北」などという体のいい、的外れな意見である。まるで、一見、自民党の機関紙ではないかと思わせるほど、安倍晋三が「民主主義の守護神」であり、その人物が殺害された、というような口ぶりで書かれている。
 かねてから、この旧統一教会は、全国霊感商法対策弁護士連絡会が明らかにしているように、「不安や恐怖をあおる不当な方法」(2020年東京地裁判決) よって、家庭破壊を起こすほどの献金を要求している団体である。また、「合同結婚式」のように著しい人権破壊も繰り返している。
 そして、この宗教団体が反共を基軸とし、政治的には極右であることから、自民党内の右派勢力との結びつきは、過去から現在まで数多く指摘されている。
 このような背景については、朝日新聞は一切報じていない。上記の全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見については、デジタル版で僅かに触れただけであり、岩手県の達増知事が、世界平和統一家庭連合、旧統一教会と自民党との関係性がこれまでの選挙結果に影響を与えてきたのではないかと問題視したが、これについても無視している(自民党応援団の読売新聞ですら報道している)。
アメリカのワシントン・ポストは、「統一教会と日本の政治家との結びつき」という記事を載せているが、EXPLAINER: The Unification Church's ties to Japan's politics朝日新聞等の日本の新聞と、大違いである。

 民主主義を問題にするなら、この事件で百田尚樹などの安倍晋三に近い思想の持ち主たちが、政治的立場による安倍晋三政治批判が殺害に結びついているかのような暴論の方が言論封殺であり、何よりも国葬とすることで、安倍晋三を英雄視し、改憲に突き進もうとする自公政府の姿勢の方が「民主主義の敗北」を招く。また、与党幹部の活動に対する警備強化が進むのは間違いなく、政府方針に反対する市民の不当逮捕も危ぶまれる。
 
 ロシアのウクライな侵略では、朝日新聞はアメリカ政府機関と防衛省防衛研究所の研究員のからの情報・意見を大量に載せ、ここでもあたかも自民党機関紙と見間違うばかりだった。また、反中国姿勢も明確にしている。 朝日新聞は、このままの傾向で自民党にすり寄れば、恐らく数年後には、読売、産経よりもさらに極右のメディアになるだろう。そしてその時は、自公維による看板だけ「自由民主主義」という日本型ファシズム体制が確立しているに違いない。
 
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