ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

トットちゃんとソウくんの戦争

2016-08-01 08:51:38 | エッセイ
黒柳徹子さんと田原総一朗さんが出版した「戦時下の幼少時の回想録」である。

80歳を超えると、あの悲惨な太平洋戦争を知るギリギリ最後の世代ということになるお二人の感想である。

1941年の日米開戦時、小学2年生だった黒柳さんは「戦争責任はするめの味」という。東京自由が丘の学校近くの駅で、出征兵士の見送りに参加すると、あぶったするめがもらえたという。それが楽しみで、万歳の声が駅から聞こえると教室を抜け出し、大きな声で「ばんざい」と叫んで兵士を見送ったと。

しかし、兵士の中には無事に戻れなかったはずと思いに至り、自分が許せなくなり、後ろめいた気持ちを背負った。

田原さんは、黒柳さんの逸話に衝撃を受けたと。戦争責任はA級、BC級の戦犯にあるとした連合国の判断で、国民は被害者と位置付けられた。しかし、黒柳さんのように小さな子供でも、罪の意識にさえなまれることがあったんですね。

黒柳さんより一つ下の田原さんは、滋賀県彦根で生まれ、「お国のために捨て石になり、名誉の戦死を遂げろ。寿命は20才までだと思え」と学校で教えられた。ところが、夏休みが終わったら、話がまるっきり正反対になり、おかしいなーと思ったと。

ユニセフ親善大使の経験から、正しい戦争は存在しないと。そして、ベトナム戦争終結からジャーナリズムと平和・政治のかかわりを語った内容のもの。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿