青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第三話①

2021-01-26 | 第一話〜第三話

自分の運命を変えることになる少年と、ミエは今相対していた。

飼い犬のムンクが、突然彼の前で吠えたからだ。

まるで時が止まったかのように、二人はその場から動けない。

はっ

一瞬の後、少年は我に返って立ち上がった。

突然動いた彼を見て、ミエはビクッと身を揺らす。

 

 

ゴシゴシと目元を擦った後、少年は再び動きを止めた。

暗闇の向こうに立つ人物を、そのままじっと見つめている。

 

「あ・・・」

そう小さく呟くミエのことを、少年はじっと見据えて動かない。

「・・・・」

ミエはそんな少年に向かって、何か言わなきゃと口を開いた。

「あ・・・あの・・」

「? 誰・・」

「その・・・」

その時だった。

ワンッ! 「あっ!?ムンク!!また?!

目にも止まらぬ早さで、ムンクは少年の元へと走って行く。

「ぎゃっ!ムンクアンタ何してんのっ!やめなさい!

「こっちおいで!」

「やめなっ!」

ミエは大声で叫びながら、ムンクをパッと抱き上げた。

 

 

「ごめんねっ!びっくりしたでしょ?!」

突然、二人の間合いがゼロに近くなった。

少年はただ目を見開いて少女を見る。

ミエはポカンと口を開けたまま、至近距離で少年のことをじっと見ていた。

そしてふと、口を開く。

「あ・・」

「あ・・どうも・・お・・お久しぶり・・お久しぶり?」

[ミエはとりあえず挨拶しなきゃと思った]  らしい。

そのままたどたどしい様子で会話を続けるミエ。

「私達前にほら・・私のこと知ってるよね?わ・・私君のこと知ってて、君もゴミ捨て・・」

そう会話を続ける最中にも、(本当に中学生?怖いくらいデカい 首痛っ)とミエの心の声は止まらない。

するとふと、ミエはあることに気がついた。

「あれ?」

「なんか目が・・・」

少年は思わずバッと顔を隠した。

「あっ」

突然くるっと向きを変えた、少年の靴が脱げる。

「あっ?!」

「大丈夫?!」

[靴のかかとを踏んづけて履くのはやめましょう]

少年に贈る言葉である。

ミエはあたふたしながら少年に駆け寄った。

「けっけがしてない?!」

「どうしよう!!ごめん!」

倒れたまま動かない少年を見て、ミエは慌てた。

転がっていたスニーカーを差し出す。

「これ、靴!」

バッ!

スニーカーをぶん取った少年は、ゆらり・・と立ち上がったかと思うと、

そのまま一目散にその場を後にした。

「およ?」

少年の心はもう、これしかないだろう。

 

<一人になりたくて>

「およよ?!」

少年は靴も履かず、そのままヨロヨロと路地裏に消える。

「家そっちじゃないっしょ!?」

「なんでそんな急いでんだろ?マジでびっくりしたのかな?」

ミエは少年がなぜそんな態度を取るのか分からなかった。

もう姿は見えないが、大きな声でもう一度謝る。

「ねぇ!ごめんね!びっくりさせて!」

「この子いつもはこんなんじゃないんだけど・・!」

少年の気配は、もう消えてしまっている。

ムンクの、いや自分のせいでこうなってしまったことに、ミエは後味の悪さを感じていた。

 

ギロッ

「ちょっとファン・ムンク!なんであんなことしたの!私を本気で怒らせたいの?!」

 

ミエは懐に入ったムンクにお灸を据える。

「どこ見てんの!この!」
 
「ほら家帰るよ!
 
最近やたら虫獲って食べるわ言いつけ聞かないわだよねアンタ?!」

輝く満月の下で、ミエはしばらくムンクにお説教を続けたのだった・・。

 

 

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第三話①でした。

ついに二人が顔を合わせた回でしたね!

しかしスンキさんは本当に絵が上手いなぁ〜〜と改めて思います。

シンプルな線なのに、動きや表情の移り変わりまで伝わってくるというか。

チートラよりもおぼこい感じというか、そういう年齢の描き分けも上手だし、本当すごいと思いました。

 

そしてムンク・・可愛い・・

 

第三話②に続きます