北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

3月議会一般質問の原稿です ご笑覧を

2015-03-09 | 珠洲市議会
今日は珠洲市議会の一般質問。
私の質問は下記の通りです。
ちょっと長いので時間があるときにご笑覧ください。
答弁は近日中に報告します。
質問の要旨はこちらから

  発言時間は29分45秒ほど。
  ところが原稿をを2~3行残したところで議長から「発言時間が終わりました!」の声。
  「30分の持ち時間内なのに・・・???」
  私は秒針で時間を確認しながら発言してるのに議長は長針の分単位?(>_


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今任期の4年間は東日本大震災を経験した日本社会のあり様を問い直す4年であったと思います。残念ながら命を守り人権を尊重する社会、共生社会への転換には程遠く、原発事故の被害者に対しては棄民政策とも思える仕打ちが続いています。社会の転換は安倍政権による戦後から戦前への逆走、暴走となって進行しています。70年ぶりに姿を現した戦艦武蔵から何を学ぶべきか、大いに関心を持ちつつ、通告した項目が多岐にわたりますので早速質問に入ります。

まず、珠洲市まちづくり総合指針の策定についてです。
まさに価値観の転換が問われる時代にあって、幸福度を盛り込んだ初めての総合指針の策定には期待をします。この間、幾度か質問をしてきましたが、策定に向けた組織の規定や要綱が昨年12月に作られ、今議会では策定予算も計上されましたので、あらためて4点お聞きします。
この間、荒川区が呼びかけた幸せリーグに参加して自治体間で研究を重ね、昨年は準備作業として京都大学が実施する市民を対象にした幸福度調査も行われました。そこでまず、この京都大学が実施した幸福度調査の結果から、本市の特徴的な傾向や、総合指針策定にあたって参考にできる点などありましたらお聞かせいただきたいと思います。
 次に策定のスケジュールについてです。今議会冒頭の提案説明の中で年内を目途に策定するとの方針が示されました。従来の総合計画と違うとはいえ、第4次総合計画は策定委員会の立ち上げから最終案の決定までに約1年8か月、第5次計画は電力会社撤退後の新たな地域振興策の策定とも連動させて2年がかりで議会への議案提出に至りました。今回、策定作業を担う組織としてまちづくり創造会議と策定委員会の設置が決められましたが、はじめての試みでもあり、年内策定はかなり厳しいようにも感じます。どのようにお考えでしょうか。
次に議会の関与についてです。昨年6月議会の私の質問に対して市長からは議会でも協議をし、了承すべき事項との答弁がありました。ところが総合指針策定要綱を拝見しますと、課長らで構成される策定委員会が原案を策定し、市長が決定すると記載されているだけです。制定の根拠条例は設けず、議会の議決手続きも経ないということは、従来の法的根拠のある総合計画と比較しても、位置づけとしてはかなり軽い計画にするということでしょうか。
 あと一点は以前も指摘しました「日本一幸せを感じられる珠洲市」についてです。かつて宮沢賢治は「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」との言葉を残しました。朝ドラ「マッサン」の中でハナが語った「おらの幸せはおらがきめる。おらの幸せはおらにしかわかんねぇ」という言葉が全国の視聴者の共感を呼びました。他人の幸せを妬み、隣の不幸を喜ぶような順位争いの中に本当の幸せはありません。総合指針には「日本一」など他の自治体との幸福度を巡る順番争いをイメージするような表現は盛り込むべきではないと考えます。地域内での幸福度の向上や次世代、将来世代の幸福度の向上を視野に入れ、今を生きる市民や行政の課題を明らかにし、取り組みの方向性を明らかにしていくことこそが大切だと思いますがいかがでしょうか。

次に次期行財政改革プランについてお聞きします。
昨年9月議会の総務課長答弁では、現行プランで未達成となった重点項目の精査や見直しをおこない、市政懇談会などを通して市民の皆様の声も聞き、新たな項目の設定も含めた内容で今年度末までに策定するとのことでした。したがって今定例会前には原案が提示され、行財政改革特別委員会などで審議されるものと思っていましたが、いまだ提示がありません。議会の審議を経ずに決定するということでしょうか。
関連して、昨年秋に実施された市政懇談会での市民の皆さんからの意見についてお聞きします。私が参加した三崎公民館では市長からは行財政改革を巡って特段意見を求めることはなかったように記憶しますが、財政に関する質問が出されていました。他の会場ではどうだったでしょうか。
 実はこうした情報を私ども議員や市民の皆さんが知ろうとしても文書として整理したものはないとのことです。市長が私的に知人友人を集めた場ならいざしらず、職員も同席する市の取り組みとして実施しているのにその内容が記録として残されないというのは私の理解の範疇を超えています。具体的な苦情や要望については担当課に伝え、対処しているからいいという問題ではないと思います。
 同様のことが定例の課長会議についても言えます。ごく簡単な会議次第1枚しかなく、市長からどんな指示があったのか、何が議題になったのか知ろうにも情報公開の対象となる文書としては残されていません。会議の内容は連絡事項が中心で、わざわざ記録に残すほどではないとの声も仄聞しますが、ならば忙しい課長さんらをわざわざ集合させる意味を問わなければなりません。課長会議の記録をホームページ上で公開している自治体もある中、ギャップの大きさに唖然とします。関係職員が情報を共有すべき会議や会合については会議録や報告書を必ず作成し、情報公開の対象にすべきと思いますがいかがですか。
市民と行政の一体感の醸成が語られながら、行革のイロハのイである行政の透明性の確保がこのレベルとは非常に残念と言わざるをえません。行財政改革イコール職員減らしで終わっているのではないでしょうか。次期行財政改革プランではあらためて行政の透明性の向上を大きく掲げるべきと思いますがいかがでしょうか。
この際、課長会議のあり方も聞いておきたいと思います。職員OBの方からは、昔は市長や助役、課長が市政の重要課題について侃侃諤諤議論しあったもんだとの話も聞くわけですが、もし伝達事項中心の会議ならば、忙しい課長さんらをわざわざ招集する意味が分かりません。組織の壁を越え組織横断的に市政の重要課題を議論する場に変えていくべきと思いますが市長の所見をお聞きします。

質問の第3は2017年秋の開催を目指す奥能登国際芸術祭についてです。
昨年秋にアートフロントギャラリーから実行委員会に基本計画の中間報告が提出されました。最終報告がまもなく提出されるものと思いますが、基本的な骨子は変わらないと思いますので、概要について一つ質問させていただきます。中間報告によりますと、総事業費3億円に対して3万人の来場者数が見込まれています。市内各地の祭りとの連携が掲げられていますので祭りの入込と比較してみたいと思います。開催予定の9月上旬から10月下旬に開催される秋祭りの中で、数字が把握できた蛸島、大谷、正院、寺家の昨年の入込実績を見ますと12,600人となっています。食文化、生活文化を活かすとのことですので、この期間に開催されるすず農林漁業まつりを加えると、これだけで1万6000人ほどになります。言うまでもなくこの期間は毎日のように市内各地で祭りがあり、それぞれの町内の出身者が家族連れで帰省する姿が多く見られます。加えて秋の観光シーズンまっただ中です。珠洲にとって9月から10月にかけての3万人という数字は、特段集客に努めなくても達成できる数字ではないでしょうか。来場者のカウント方法など詳細はまだ分かりませんが、目標の妥当性に首をかしげてしまします。
また、先日の食祭珠洲まるかじり・奥能登B級グルメ選手権は市の補助金が230万円、商工会議所の分担金を入れても240万円の予算をベースにして約11,000人の入込を達成しています。イベントの性格が違うと言われればそれまでですが、イベントの開催費として3億円という額はかなりの巨額予算です。芸術祭と聞けば私たちは文化祭のようなソフト事業をイメージしますが、開催先進地では新たな公共事業との指摘もあります。この数字をみればうなずけます。3億円の事業費を投じて来場者数の見込みが3万人、実行委員会会長でもある市長はこの数字をどのように受け止めておられるかお聞きしたいと思います。
初めての芸術祭開催ということで、先進地の成功に学び、失敗から教訓を学び、準備を進めていくことも大切です。成功例として挙げられる瀬戸内芸術祭は自治体の芸術祭関連予算も含めると総事業費は15億円余りの規模であり奥能登芸術祭とは規模が大きく異なります。大地の芸術祭も約3倍の予算規模です。こうした中、奥能登と同様、第1回目の開催で事業規模も類似し、北川フラム氏が総合ディレクターを務めた昨年のいちはらアート×ミックスの苦戦は教訓にしておくべきだと私は思います。実行委員会がまとめた総括報告書を見ますと広報や交通、市民協働のあり方などに多くの課題が指摘されています。特に次回に向けては、総合ディレクターの他に広報宣伝や交通計画など芸術祭全体を監修する総合プロデューサーを配置すべきとの総括は傾聴に値すると思いますがいかがでしょうか。
去る2月8日に開催されたキックオフシンポジウムについてお聞きします。芸術祭は美術館を巡る絵画鑑賞と違い、参加し、ともに体験してこそ面白さがあります。キリコは眺めてもきれいだけれど、担いだ方がもっと楽しいわけで、芸術祭もそんなイベントではないでしょうか。そういう意味でシンポジウムは芸術祭の目的や概要、役割分担などを参加者で確認しあい、思いを共有し、参加への気運を盛り上げる場として位置づけられていたと思います。ところが参加した皆さんの雰囲気はどうだったでしょうか。私自身、これまで百人規模から1000人、1500人規模の講演会や学習会、シンポジウムの開催に数多くかかわってきましたが、参加者があれほど引いてしまった集会は覚えがありません。多忙極める北川フラム氏に依存しすぎては躓く可能性があると警鐘を鳴らしたのではないでしょうか。パネラーとして参加した市長の感想をお聞きしたいと思います。
いずれにしましても2017年秋の開催に向けて動き始めました。当面、事務局体制の確立が重要課題です。市では芸術祭担当のまちづくり支援員募集していますが、それで十分でしょうか。瀬戸内芸術祭や大地の芸術祭、いちはらアート×ミックスなどの芸術祭はいずれも開催地の自治体が事務局を担っていいます。開催にあたっては地域との連携はもちろんのこと、国や県との交渉や調整、作品の制作やイベントの開催にあたっては数多くの許認可申請事務もあろうかと思います。市が事務局の中核を担い、成功に向けて踏み込んでいくべきと思いますがいかがでしょうか。

質問の第4はすずの湯についてです。
今年の仕事始めの日にいきなり飛び込んできたのと企画株式会社の事業継続困難との申し出にはさぞや市長も驚かれたのではないかと思います。この間、経営の厳しさはささやかれてきましたが、民間企業ゆえ、その経営状況は議会からはベールに包まれ、1年前、指定管理者の継続に同意を求められた際も、独自の判断材料が無いまま賛同し、忸怩たる思いが残ります。
経営の方は、入浴部門だけですが迅速に珠洲鉢ヶ崎ホテルに業務を委託し、対外的な影響は最小限にとどまり、4月以降は当初の予定通り、施設改修のための休業に入ります。しかし、これでひと段落と済ましてしまうわけにはいきません。
のと企画については不明朗な点が多々残っています。なぜ6年足らずの経営で、そしてこの間、珠洲市から5000万円余り指定管理委託料を受けながら約5000万円もの負債を抱えるに至ったのでしょうか。温浴部門に問題があったのか、レストラン部門なのか、あるいは民間企業のノウハウを導入して施設の効率的、効果的な運営を期待したはずが、経営手腕に欠けるところがあったためなのか、事業破たんの原因についてお聞きします。
 昨年3月時点ですでに3000万円の負債を抱えていたとも聞きます。他に事業をおこなっていないのと企画が、5年で3000万円の負債を抱え、なぜさらに1年の指定管理契約を望んだのかもわかりません。さらに不思議なのは、そんな経営状態ののと企画に市長はなぜさらに1年間の指定管理契約を継続する判断をされたのかという点です。先ほど市長もさぞ驚かれたのではないかと申し上げましたが、もしかしたら予期した事態が起こったのではないのでしょうか。契約継続を判断された理由についてお聞きをしておきたいと思います。
今議会ではすずの湯リニューアル後の温浴施設の指定管理者を珠洲鉢ヶ崎ホテルとする議案が提案されています。ボイラーの改修でコストは削減されるとはいえ、一方で入浴料の引き下げが検討されており、誰が経営しても大赤字必至の施設ならば指定管理の委託料についても配慮が必用かもしれません。しかし、のと企画固有の原因によって負債を抱えたのならば話は違ってきます。指定管理委託料についてどのように算定されるのかお聞かせいただきたいと思います。
また、施設改修後はあらたに健康増進の拠点施設として重要な役割を果たしていくわけですが、レストラン部門などは採算度外視という訳にはいきません。福祉課が所管となりますが、タニタ食堂のノウハウも取り入れる中で、従来以上の攻めの経営に出てほしいと思うわけですが、直営部門の収支見通しについてもお聞きをしておきます。

質問の第5は国民健康保険事業基金についてです。
長らく政府の課題として掲げられながら具体的な動きには至らなかった国民健康保険の運営主体の見直しがいよいよ動き出そうとしています。法改正が今月にも成立し、平成30年度からは国保の運営主体が従来の市町村に代わり都道府県が責任主体となり中心的な役割を果たすことがほぼ確実な情勢となってきました。国保を運営する市町村の半分以上が一般会計からの繰り入れで赤字の穴埋めを行っている現状を考えると財政基盤を強化し、制度存続を図る対策は避けられません。
しかし、本市のおかれている状況は他の多くの自治体と異なります。国民健康保険事業基金には今年度末でも約6億円の残高が見込まれており、一般会計からの繰り出しはなく、ある意味、順調すぎるほどの運営がなされてきました。県内の他の自治体と比較しても、基金残高自体は加賀市、小松市に次いで3番目ですが、加入者当たりの額でみるなら珠洲市の基金残高はダントツとなります。ここ数年の国保の特別会計予算では、保険料の引き下げや特定健診、人間ドックに対する助成額の引き上げ、さらには血圧計を各公民館や市役所ロビーに配置するなど広く市民の健康増進につながる事業も実施されてきました。
制度の大きな見直しの中、この基金の扱いが珠洲市にとって重大な問題となっていきます。国の方針が現時点では定かではありませんが、市内国保被保険者の長年にわたる負担の積み重ねですから基金を含めた県への一元化などあってはなりません。金沢市はじめ全国の都市部の自治体、発言力の大きな自治体は、軒並み国保会計は赤字ですからこうした問題には関心はないでしょう。むしろ逆にこの際すっきりすべての財布を一つにまとめようとも言いかねません。ここは国の方針待ちではなく、数は少なくとも珠洲市同様に危惧の念を抱いている自治体と共に行動を起こすべきではないでしょうか。
現行の国民健康保険法第82条第一項で保険者は、特定健診はもちろん、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うよう努めるとされ、同じく第2項では被保険者の療養のために必要な用具の貸付けや療養環境の向上のために必要な事業などをおこなうことが出来るとされています。すずの湯をはじめ健康事業への取り組みがさらに拡大する中であり、介護保険会計は厳しさを増す中でもあります。基金をこれら保険事業に広く充当し、結果として被保険者以外の市民の健康寿命にも恩恵が広がるような事業展開を視野に、市固有の健康増進基金として引き続き存続できるよう国に対して積極的に働きかけていくべきだと思いますがいかがでしょうか。

質問の第6は空家対策についてです。
この問題については、私だけでなく何人もの同僚議員がこの議場や常任委員会で対策の強化を求めてきました。これに対して総務課長の方からは国の動向に基づき検討していきたい旨の答弁が繰り返されてきました。
その国の動向ですが、昨年秋の臨時国会で空家対策特別措置法が成立、2月26日からの施行となり、同時に総務省・国土交通省から基本指針が示されました。これによって、市町村には空家等対策計画の作成や関係部局間の連携体制の構築、住民や専門家らも参加した協議会の組織、相談体制の整備など、多くの役割が求められることになりました。ところが法律や基本指針を読み返しますと「するよう努める」あるいは「することが望ましい」といった表現も随所に見られます。今般の国の方針を受けて、本市としてどこまで踏み込む考えか、対応方針をお聞きします。
 空家は今後さらに増え続けることが確実であり、その活用も重要な課題ですが、一方で住民の安全、あるいは景観の観点からは廃屋への対応も焦眉の課題です。法律では必要な措置を早急に講ずることが望ましい「特定空家」という表現が使われていますが、どのような状態をもって「特定空家」とするのかの判断基準、そして今後、現地での調査も必要となるわけですが、そのスケジュールも含めてお聞きしたいと思います。
 関連してもう一点、今回の特別措置法の制定に合わせて平成27年度税制改正大綱の見直しでは、管理状況が悪く、人の住んでいない家屋の敷地に対する固定資産税の軽減特例の見直しが記載されました。ボロボロになっても残しておいた方が納税では得をするというのは変な話で、遅きに失した対応だと思います。しかし今後、「特定空家」に認定されながらも、解体してもしなくてもどうせ固定資産税は6倍に増額だから代執行まで放っておこうとなりはしないでしょうか。「特定空家」認定後、速やかに所有者に対応してもらえるよう解体費用への助成や、固定資産税の特例措置の除外にあたっての影響緩和期間を設けるなど、解体へのインセンティブが働く方向での制度も必要ではないでしょうか。見解をお聞きします。
 
次に教育問題について大きく2点お聞きします。
まず、教育委員会制度改革への対応についてです。
改正地方教育行政法がこの4月1日から施行となり、教育行政の大枠が変わっていきます。この問題については昨年6月議会で基本的な認識についてお聞きしましたが、今回は具体的な対応について質問をさせていただきます。
教育長が従来の教育委員長を兼ねる新教育長の選任については、田中教育長の任期との関係で今しばらく先のこととなるようですが、市長が主宰し、市長と教育委員会という執行機関同士が対等に教育課題について協議・調整する場となる総合教育会議はこの4月からスタートとなります。ところが開催時期や開催頻度、必要に応じて随時開催するのか定期的に開催するのかも含め、特段の定めはありません。深刻ないじめの発生や学校の被災などの緊急時は法律の趣旨からしても早急に開催することになると思いますが、通常の場合、どうされるのか、会議を招集する市長の方針をまずお聞きしたいと思います。
次に総合教育会議で協議、調整する課題についてお聞きします。改正地教行法によれば「教育、学術、及び文化の振興に関する総合的な大綱」と重点施策、そして緊急措置とされ、中でも大綱は市長が定め、公表することになりました。そこでこの大綱についてですが、現在、珠洲市には2年前に教育委員会が策定した教育振興基本計画が存在します。この中の目標や施策の根本となる方針が大綱に該当するとされていますが、変更や新たに加える課題はあるとお考えでしょうか。
先般、文科省は公立小中学校の適正規模・適正配置に関する手引を公表しました。一部報道では文科省が学校統廃合を強力に推し進める方針打ち出したかのような印象を与えるものもありましたが、全く逆で「地域とともにある学校づくり」の視点を踏まえた丁寧な議論を求め、小規模校を存続させる場合の教育の充実についても、従来にもまして丁寧な記載をしています。この手引きも踏まえつつ、地域社会の核としての学校の役割を新たに明記すべきと思いますがいかがでしょうか。
あと一点、大綱以外の協議、調整する重点施策は、主に予算や条例に関わる事項とし、教育内容や教科書採択、教員人事など、政治的中立性が特に要求される事項は原則として対象外と考えますが、どのような姿勢で会を主宰されるのかお聞きしておきたいと思います。

次に全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストについてお聞きします。
点数学力偏重がますます深刻化し、いまや教育現場を歪める最大の元凶とも言われています。今年度からの結果の公表が過度な競争をさらに煽っています。上位県と中位県の差が縮小しつつある中、成績上位県からの転落に怯える県教育委員会は教育事務所や市町教育委員会、そして学校現場にますますプレッシャーをかけています。多忙化が解消しない大きな要因でもあります。もちろん子どもたちにもしわ寄せがいきます。他の自治体では結果の公表が保護者と学校相互の不信に発展し、子どもたちの成長を協力しあって見守る雰囲気が崩れ始めているという報告も出てきました。このような全国学力テストの弊害を文科省は当初から危惧してきました。実施要領のなかの配慮事項、もちろん教育長も御存じのことと思いますので以下お聞きしたいと思います。
まず、文科省は全国学力テストによって測定できるのは学力の特定の一部分であると実施要領の中で述べています。学力の特定の一部分とは何を指しているのでしょうか。
また、文科省は全国学力テストによって測定できるのは学校における教育活動の一側面にすぎないとも述べています。本市の教育振興基本計画に記された教育の基本目標では、「未来の時代を生き抜く力を育む学校教育の実現」として、確かな学力の育成、豊かなこころの育成、健やかな体の育成、そして特別支援教育の推進が掲げられていますが、本調査で測定できるのはどの一側面でしょうか。
さらに文科省は序列や過度の競争につながらないようにとも述べています。私はこれまでも夏休みに登校して過去問練習をしたり、県教委が作成した全国学力テストの事前テストである評価問題に振り回されている学校現場の実態を指摘してきましたが、その流れはさらに加速しているとしか思えません。県教委がおこなう基礎学力調査や全国学力テストに向けての授業時間中の事前練習、授業以外の事前練習を実施している学校の割合をお聞きしたいと思います。
本市の教育振興基本計画によれば、教育の基本理念は「ふるさとの歴史や文化に学び想像力を育む」とされています。素晴らしいと思います。全国学力・学習状況調査に大きく比重を置く学校教育は、珠洲市の教育理念と相反するのではないでしょうか。教育長の見解をお聞きし、最後の質問に移ります。

世界農業遺産についてです。
今議会に提案された来年度予算案の中にも随所に世界農業遺産関連の事業が盛り込まれていることは承知をしていますが、昨年9月定例会以降、市長の提案説明の中から「世界農業遺産」への直接の言及が消えてしまいました。世界農業遺産の理念が諸々のまちづくり施策や活性化策に十分浸透し、あえて言及するまでもないということでしょうか。一方で巷には世界農業遺産もそろそろ賞味期限切れだとの声も聞かれます。市長の真意をまずお聞きしたいと思います。
地方創生や芸術祭など新しい言葉、新しい取り組みに目が向くのはやむを得ませんが、その根っこに世界農業遺産に認定された地域資源があることを忘れては一過性のものとして終わってしまいます。あらためて世界農業遺産を取り巻く本市内外の動き、保全・活用を巡る現状と課題についてお聞きをして質問を終わります。


コメントを投稿