『めしや』のマスターは早く仕込みを始めていた。蕎麦のタネだ。めしやで年越しを迎えたいという客がいくらかいるので、店も少し早く開ける。どこで習い覚えたものか、神妙な面持ち手打ち蕎麦を仕込むマスター。夜も更けつつあった。
最初に来たのはカスミだった。「大晦日まで開けてるやなんて、貧乏暇無しやな」軽く毒を吐いて、貰い物だと何か渡すと、「この時期は稼ぎ時や」と何も食べずに去って行った。
続いてカメラマンとサラリーマンコンビが来店。サラリーマンは手打ち蕎麦持参でマスターをガッカリさせる。蕎麦を食べながら家庭の上手くいっていない上司や取引先の噂をするが、「俺達、その家庭すら無い」と落ち込む男達。
マリリンと彼氏もやって来た。やはり手打ち蕎麦持参。いよいよ意気消沈するマスター。ここで時間を持て余したサラリーマンがトランプを取り出し、客達はババ抜き? を始めた。
その後に現れたのはキャップ被りの年輩常連客。これまた手打ち蕎麦持参。もう何も言わないマスター。
刑事の夏木も現れた。「年越し蕎麦3つ、テイクアウトできますか?」「俺の蕎麦でいいのかい?」ようやく自分の蕎麦に注文が入り、張り切って蕎麦を茹でるマスターであった。
更に小寿々とお供のオカマも現れ、皆で改めてマスターの蕎麦を頼み出した。12時を回ると「新年明けましておめでとうございます」とマスターが挨拶をし、祝いの酒を注ぎ合う一同、そこにいい歳して振り袖を着たお茶漬けトリオが現れ、乾杯! となった。日本酒はマスターの奢りである。
最後は竜とゲンも来て餅突きが始まり、雑煮を食べ、お茶漬けトリオが何故か感動して泣き出し、小寿々が、餅を喉に詰まらせ吐き出した餅が竜の額に命中する珍事もあった。
めしやの新年はささやかに迎えられた。
最初に来たのはカスミだった。「大晦日まで開けてるやなんて、貧乏暇無しやな」軽く毒を吐いて、貰い物だと何か渡すと、「この時期は稼ぎ時や」と何も食べずに去って行った。
続いてカメラマンとサラリーマンコンビが来店。サラリーマンは手打ち蕎麦持参でマスターをガッカリさせる。蕎麦を食べながら家庭の上手くいっていない上司や取引先の噂をするが、「俺達、その家庭すら無い」と落ち込む男達。
マリリンと彼氏もやって来た。やはり手打ち蕎麦持参。いよいよ意気消沈するマスター。ここで時間を持て余したサラリーマンがトランプを取り出し、客達はババ抜き? を始めた。
その後に現れたのはキャップ被りの年輩常連客。これまた手打ち蕎麦持参。もう何も言わないマスター。
刑事の夏木も現れた。「年越し蕎麦3つ、テイクアウトできますか?」「俺の蕎麦でいいのかい?」ようやく自分の蕎麦に注文が入り、張り切って蕎麦を茹でるマスターであった。
更に小寿々とお供のオカマも現れ、皆で改めてマスターの蕎麦を頼み出した。12時を回ると「新年明けましておめでとうございます」とマスターが挨拶をし、祝いの酒を注ぎ合う一同、そこにいい歳して振り袖を着たお茶漬けトリオが現れ、乾杯! となった。日本酒はマスターの奢りである。
最後は竜とゲンも来て餅突きが始まり、雑煮を食べ、お茶漬けトリオが何故か感動して泣き出し、小寿々が、餅を喉に詰まらせ吐き出した餅が竜の額に命中する珍事もあった。
めしやの新年はささやかに迎えられた。