OJT研修は住民ディレクターに最も親和性のある言葉であり動きです。on the job →実際に仕事をしながら教える、伝えるという意味の研修方法です。わたしの住民ディレクター実践講座は平成8年の最初からずっとこのOJT方式で一貫してやってきました。
理由は簡単です。研修を受ける側の皆さんは仕事があり家庭があり、民間も役場の方もいますので何かの研修に使える時間は月に1、2回です。これは本職にしない限りどんな研修でもそれぐらいでしょう。しかも最初は珍しいので頻繁に出席しても効果がなかったり面白くなければ来ないという決断が待っています。
住民ディレクター講座は15年前からだいたい写真も撮ったことさえないという方が主にやってきます。そういう人を集めてもらうように頼むのですが。なのでいきなりビデオカメラを手にしてもらってボタンを押してもらいます。するとほとんどの方は子供のように手に入れたおもちゃの魅力に嵌ります。だってボタンを押したらもうすぐにそこで今とったばかりの隣のおじさんが映ってるのが見えたり、「あらー、きゃー、わたしわからないわーー」などと嬌声をあげられた自分の声が一瞬、他人の声か?と勘違いするように聞こえ自分とわかった途端「やだーーーーっ」と新たな嬌声が生まれます。
もうおもちゃの魅力から離れられません。最初の講座で「押せば映る」と言って最も苦手そうな女性にカメラを手渡せばガラリと場が変わります。OJTの力は、次々と役割があり、チームワークで制作し、企画を創りあげる楽しみを絶え間なく提供してくれるテレビという仕組みの強みです。最近頻繁に通う熊本県合志市のあぐっと!村でもOJTの力は偉大だと痛感しました。いつも田んぼやハウスの現場で仕事をされる農家にはOJTはピッタシです。住民ディレクターにとってOJTは王道なんです。