りにゅーある２０２８

計画より１年遅れてスーパーエキスプが開通した。
初期計画と異なることは他にもあった。
それは東京・大阪間を１時間で結ぶ予定が、
１時間１５分となったことだ。

東京駅地下５階はスーパーエキスプの専用ホーム。
ブルーライトが少し冷たい感じを演出している。
国家予算を惜しげも無く注いだ割に乗客は少ない。
開通当初は混み合ったホームも今は閑散としている。

結局朝６時から夜１１時までの００分と３０分が出発時間。
００分は大阪直通、３０分は各駅停車となっている。
これは計画当初の半分。

当初は時間４本の運行だったが航空便に客が取られた。
国民の多くから「税金の無駄遣い」と批判は続いている。

東京・大阪直通も思うほどの利用は無かった。
時代は移り、もっとも期待していた会社員の長距離移動は激減した。

リモートでの仕事が増えたからだ。
一番多い利用は外国人の旅行客。
リニア新幹線に乗ったという自慢話の種だ。

東京ー大阪を１時間で繋ぐ計画が１５分延びた原因は、
経路が工事の途中で変わったからだ。
南アルプスを守る為、静岡県を通過しない事が2020年に決まった。
その結果、山梨から長野に直接繋がることになった。

静岡県民と自然保護活動家の反対運動に、JR東海が敗れたのだった。
山梨から北へ曲がり長野に入り、再び南下して愛知県に入るルート。
この曲がり角は減速を余儀なくされた。
この決定で南アルプスの自然は破壊されずそのまま残った。

実は静岡県下の鉄道に関しては別の課題もあった。
それは、静岡空港直下に新幹線駅を作ること。
2022年を境にエアコミュータが脚光を浴び地方の飛行場が見直された。
富士山静岡空港は外国人客に人気で多くの旅客が集まった。

この外国人に目を付けたJR東海は静岡県に頭を下げた。
空港駅を実現させたいと言うのだ。
世界初のこの試みは世界的にも評価された。
そして、２０２８年静岡空港駅が５周年を迎えた時、

なんと２００万人超えの乗客を迎えたのだった。