IDDM21年目

~病気のこと・日々のこと~

昨日と違う今日

2008年11月09日 | その他
信じられない突然の不幸が私の家族を襲いました。脳出血で家族が他界。遺影を抱いている自分が自分でない気がしました。こういう風景はドラマの中のことで、いつか人は死ぬとわかっていても、自分の家族にはまだまだ縁遠いことだと思っていました。
死が決定的でとりかえしのつかないことと身をもって知りました。もう一度、会いたくて、会って話がしたくてでもそれがどうしても叶いません。もう一度、会って話したい。今はまだやるせない思いでいるけれど、いなくなった事実を受け入れなくてはなりません。
絶望的な気持ちになってもお腹は減り、血糖値もあがってはさがりを繰り返し、注射して食事をして、予約していた日には歯医者にも休まず通う私は、悪夢から覚めることができないでいる両親を支えながら今を生きています。
49日が過ぎお墓に入ったあとは、千の風になって私の上を吹きわたるのでしょう。しばらくは風が吹くときっと悲しくなるんだろうけれど、そのたびに涙が出ても無理にとめないでいいよと母親には言ってあげたい。
多めに忌引きをいただいた会社にも通常通り出勤するようになり、しばらく聴く気になれなかった車の中のBGMも流せるようになった。私にはこの前までと同じ日々がやってくるけれど、もうこの世に弟はいない。
よく「故人の分も生きる」と言うけれど、私にはその意味がわかりません。やりたかったこと、行きたかった場所、まだまだ悔いがあったに違いない弟。たとえば私が、今は亡き弟の分も楽しんでどうなるというのだろう。
私は私を生きるしかできません。
弟に向かって線香をたてて拝むことは気が進まず、何が弟のためになるのか、今はまだわからないのです。
時々は姉らしくお小遣いくらいあげればよかった、もっと一緒に飲みに行けばよかった、もっともっと、ちゃんと話をすればよかった・・・
後悔ばかり。もう何にもしてあげられません。
もう一度会えるなら、ひとこと、私の大事な弟だったよって伝えたい。
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