Smudge!!

泥だらけになってでもやるしかない。

震災20日目の返却

2011-03-30 22:45:55 | 東日本大震災

今日、近くの小学校では離任式が行われたようで、朝、小学生が登校していた。学校近くの交差点に学校の先生が立っていて、それを見て思い出した。ボクはカバンから一つのカッターを取り出す。

震災当日、小学校へ避難して来たボクは知り合いも当然いないので、廊下の空いているスペースに一人座り込んでいた。しばらくすると抱えきれないくらいの大きさのダンボールに詰められた毛布が運び込まれてきた。たまたま周りには赤ちゃんを抱いたお母さんや老夫婦、怪我をしている人しかいなかったので、一人でそのダンボールを開け始めた。ダンボールにはナイロンのテープ(あの薄くて硬い)が巻かれていて、ハサミかカッターがないとキツいなと思いはしたけど、素手で開け始めた。苦戦してテープ、ダンボールを攻略すると今度は真空パックにされた毛布が出てくる。これまた素手では開けにくかったけど、気づけば周りには毛布を待つ人だかりが出来ていた。鍵など使って、焦りながら開け続けた。知らずに腕についた傷はこの時のも多いんだと思う。
4~5箱開けたくらいに、状況把握に校内を見回っていた小学校の先生が来た。その時に、ボクが素手で作業していたことに気づき、カッターを持ってきてくれて手渡された。「引き続きここの辺りで何か作業等がある時はお願いします」、と言うことで。
しかしその後、ボクはそのまま避難を繰り返していたので、返せていなかった。
カッターの裏には名前が書いてあったので、その先生(?)に返してもらえるよう、交差点に立っていた先生にお願いした。

避難所で1枚の毛布を共有したおばあちゃんは無事にしているだろうか。


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